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高校生
25歳のキミへ
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7月になり、教室で梓ちゃんと喋ってたら、隣の席の椎野くんに
「明日、試合あるから見に来てよ」
椎野くんはサッカー部だ。
梓ちゃんは、
「私、明日は予定あるんだ」
「デート?」
「そんなんじゃないって」
ううん、知ってるよ。最近、圭壱くんといい感じだって。
「藤澤さんは?」
「私は、別に予定ないけど」
「じゃ、決まりな」
と言って、試合場所を書いたメモを渡された。
「行けたら行く」
と返事した。
サッカーの試合って、ちゃんと見たことはない。
中学の時は、学校で練習してるのを見てただけ。ルールは少しだけ本で調べたことがあった。それでも、詳しくはない。
次の日、わが校の試合は午後からだったが午前中に出かけた。
家からは電車で30分程先にあって、競技場に着くと、1試合目が始まっていたので、見ることにした。見ていると、選手の中に航くんがいた。高校でもサッカー続けていたんだね。前半が終わり、ベンチの方に行くとタオルを持ってたマネージャーらしき人。あ、この前、一緒に居た人だ。なるほど。マネージャーと付き合ってるんだ?
1試合が終わってから、一旦出て、競技場近くの喫茶店で軽く食事をとった。
戻り、客席に向かっていたら、
「藤澤さん」
と、椎野くんに声をかけられ、
「見に来てくれたんだね?」
「うん」
「じゃ、頑張って来るから」
「うん、頑張って」
試合はトーナメントで、うちの学校も航くんの学校も勝ち進み、2回戦で戦うことになった。
学校で、
「次の相手、強い?」
「え?まぁ、多分。何で?」
「ううん、聞いてみただけ」
次の試合も、見に行くことにした。
もちろん、うちの学校の応援だけど、航くんも気になっていた。
結果、うちの学校の敗退だった。
競技場を出たところで、椎野くんと会い、一緒に帰ることになった。
そんな時、前を航くんが通り過ぎた。あのマネジャーと楽し気に話しながら通っていった。
「藤澤さん、もしかして、あの人のこと気になるの?」
「え?」
「中学同じ何だろ?調べたよ」
「あ、うん」
「確かに、ルックスもいいし、サッカーも巧いし、俺でも憧れるけど、でもさ、」
「別にそんなんじゃないから」
「そうなの?ならいいけど。ってか、否定するなら、俺と付き合ってよ」
「え?」
「取り敢えず、友達から、どう?」
と言って、私の手を握り、歩き出した。
悪くはない。
でも、こんなんでいいのだろうか?
そう思いながら、私も手は離さなかった。
「明日、試合あるから見に来てよ」
椎野くんはサッカー部だ。
梓ちゃんは、
「私、明日は予定あるんだ」
「デート?」
「そんなんじゃないって」
ううん、知ってるよ。最近、圭壱くんといい感じだって。
「藤澤さんは?」
「私は、別に予定ないけど」
「じゃ、決まりな」
と言って、試合場所を書いたメモを渡された。
「行けたら行く」
と返事した。
サッカーの試合って、ちゃんと見たことはない。
中学の時は、学校で練習してるのを見てただけ。ルールは少しだけ本で調べたことがあった。それでも、詳しくはない。
次の日、わが校の試合は午後からだったが午前中に出かけた。
家からは電車で30分程先にあって、競技場に着くと、1試合目が始まっていたので、見ることにした。見ていると、選手の中に航くんがいた。高校でもサッカー続けていたんだね。前半が終わり、ベンチの方に行くとタオルを持ってたマネージャーらしき人。あ、この前、一緒に居た人だ。なるほど。マネージャーと付き合ってるんだ?
1試合が終わってから、一旦出て、競技場近くの喫茶店で軽く食事をとった。
戻り、客席に向かっていたら、
「藤澤さん」
と、椎野くんに声をかけられ、
「見に来てくれたんだね?」
「うん」
「じゃ、頑張って来るから」
「うん、頑張って」
試合はトーナメントで、うちの学校も航くんの学校も勝ち進み、2回戦で戦うことになった。
学校で、
「次の相手、強い?」
「え?まぁ、多分。何で?」
「ううん、聞いてみただけ」
次の試合も、見に行くことにした。
もちろん、うちの学校の応援だけど、航くんも気になっていた。
結果、うちの学校の敗退だった。
競技場を出たところで、椎野くんと会い、一緒に帰ることになった。
そんな時、前を航くんが通り過ぎた。あのマネジャーと楽し気に話しながら通っていった。
「藤澤さん、もしかして、あの人のこと気になるの?」
「え?」
「中学同じ何だろ?調べたよ」
「あ、うん」
「確かに、ルックスもいいし、サッカーも巧いし、俺でも憧れるけど、でもさ、」
「別にそんなんじゃないから」
「そうなの?ならいいけど。ってか、否定するなら、俺と付き合ってよ」
「え?」
「取り敢えず、友達から、どう?」
と言って、私の手を握り、歩き出した。
悪くはない。
でも、こんなんでいいのだろうか?
そう思いながら、私も手は離さなかった。
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