２５歳のキミへ

高校生

２５歳のキミへ

　2年後、私も高校生になった。
航くんとは別の学校だ。
航くんは工業高校なので、私の進路には合わなかったからしょうがない。
それに、ずっと思っていたわけではないから。
同じクラスで前の席の、端口梓ちゃんと仲良くなった。最初は互いに苗字で呼び合ってたけど、1週間後くらいには下の名前、『梓ちゃん』『タエちゃん』と呼び合うようになった。
６月、梓ちゃんに誘われて、ある大学の学園祭に行くことになった。
梓ちゃんのお兄さんが通っている学校だと言った。
行くと、お兄さんの永太くんと、もう一人、友達の圭壱くんを紹介された。
梓ちゃんを見てて、すぐにわかった。圭壱くんの事が好きなんだって。
まだ、交際してるわけではないみたいだけど。
一緒に校内を案内してもらいながら回っていると、ある人を見かけた。
航くんだ。隣には同い年くらいの女の子がいた。
仲良さげだし、きっと彼女なんだろう。
私には気付かないようなので、私も目を逸らした。