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中学生
25歳のキミへ
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私たちの学校は、入学時に学校から小さな箱を一人一つづつ貰い、3年間の想い出と、25歳の自分への手紙などを入れ、25歳になった時に個々で開けよう、って風習がある。大抵の人は、それ用の手帳を用意し、メッセージしあう。箱は、個人で自宅などに保管してあるため、自己責任になるし、忘れてしまう人もいるだろう。
3月、航くんたちの卒業式の日、式の後、部活の先輩などにメッセージを頼まれた。
教室に戻ろうとした時、航くんに声をかけられ、
「たぁちゃん、絵描いて」
「絵?」
「似顔絵でも何でもいいから」
「うん、わかった」
少しだけ考え、最初に描いたサッカーのしてる航くんを思い出し、描いた。
「お、いいね、サンキュ」
「ううん」
「たぁちゃんにはこれあげる」
と、渡されたのは、手のひらサイズの封筒だった。『25歳のキミへ』と書いてあった。
「今開けたらダメだよ。たぁちゃんの箱に入れて、25歳になったら、一緒に見るんだよ」
「え、なんか気になるんだけど、何て書いてあるの?」
「ヒミツ」
と、口の前に人差し指を立てた。
「じゃあな」
「うん」
「元気でいろよ」
「航くんも」
「おぉ」
後ろ向きで手を振りながら去って行った。
心の中で、サヨナラと言った。
3月、航くんたちの卒業式の日、式の後、部活の先輩などにメッセージを頼まれた。
教室に戻ろうとした時、航くんに声をかけられ、
「たぁちゃん、絵描いて」
「絵?」
「似顔絵でも何でもいいから」
「うん、わかった」
少しだけ考え、最初に描いたサッカーのしてる航くんを思い出し、描いた。
「お、いいね、サンキュ」
「ううん」
「たぁちゃんにはこれあげる」
と、渡されたのは、手のひらサイズの封筒だった。『25歳のキミへ』と書いてあった。
「今開けたらダメだよ。たぁちゃんの箱に入れて、25歳になったら、一緒に見るんだよ」
「え、なんか気になるんだけど、何て書いてあるの?」
「ヒミツ」
と、口の前に人差し指を立てた。
「じゃあな」
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