自分が読みたいタイプの追放悪役令嬢のやり直しモノ

じょるでぃ

文字の大きさ
35 / 111
学園にて

悪い事を企もう

しおりを挟む
「……で、考えたんだけど、シャルマン嬢に協力しようと思うのだけど?」
 と相談したら、アンバーやエルサに「やめとけ」と止められてしまった。


「無理だって。今あの子に関わって得するような事ないよ?」
「サリーは未来の旦那さま探してるんでしょ?そのあたりを考えても、良いとは思えないわ…」
 ふたりにシャルマン男爵令嬢への悪意は無い。かといって、彼女からの迷惑がかかってくるのはさすがに嫌だな、という。まぁ、分かる。

「男はぶっちゃけ、そのへんのを適当に攫ってくからいいんだけど……」
 とチラリと見たら、隣りでしょーもない事を駄弁ってたユージーンとアミーくんが「やめてくれ」と苦笑してた。


「今の学園のこの雰囲気が嫌なの。何が原因かってったら、間違いなく王太子殿下でしょ?」
「サ、サリーっ!」
 不敬だよ!とエルサが慌てた。
 不敬なことあるもんか。優秀でないといけないなんて空気、さんざん落ちこぼれて苦渋を舐めてきた愚者のわたしにとっちゃ、ふざけんなって感じだよ。

「この空気を変えるためには、王太子殿下ご自身が変わってくれなきゃダメ」
 それを出来るのが、フィーユ・シャルマン男爵令嬢なのだ。さんざん思い知らされてきたから、わたしには分かる。

「ほっといてもいつかはシャルマン男爵令嬢と王太子殿下は良い仲になるだろうけど、でもそのいつかを待ってたら、わたしの明るく楽しい学園生活もいつになるか分からない。その間、ずっとこの空気感の中で暮らすなんてゴメンだわ」
 えー、あの二人が良い仲になんかなるかなぁ?とアンバーもエルサも顔を見合わせていた。全くピンときていない。いいんだよ、わたしが先に答え知ってるだけの話だから。


「わたしはシャルマン嬢を手伝って王太子殿下と仲良くなれるよう応援する。そのために最初にあの無謀なアタックをやめさせようと思うんだけど、どう?」
「あ、それなら賛成!」
 一番の原因だし、わたしをはじめみんなの共通認識だったんだろう。ふたりもそれならと同調してくれた。
 で、その上でシャルマン嬢に客観的なアドバイスをし、王太子殿下に相応しいレディーになってもらって、殿下の御心を変えてもらう。トップがラブラブな雰囲気になれば、この学園の空気だって当然弛むでしょう。

(なんだか夢でも似たような事をしようとしたようなしなかったような、そんな気がしなくもないような……)
 よく覚えてないけど、まぁいいや。
「よし、それなら早速確保に行きますか!」



 フィーユ・シャルマン男爵令嬢はすぐ隣りのクラスだ。放課後、殿下のとこに突撃される前にとっ捕まえる。

 チャイムが鳴ってすぐ、他所のクラスのわたしたちがズカズカと教室に入ってきて、他の生徒たちがギョッと戸惑っていた。
 シャルマン嬢は聞いてた通り孤立してるらしく、独りで佇んでいた。

「ちょっとコチラへ来てくださる?」
 野次馬たちがわたしたちをジロジロ見てる。集団でいびりに来たみたいに思われたんだろう。けど、シャルマン嬢を助けて庇おうとするようなそぶりは誰もしない。
「……何の用ですか?」
 怪訝に、でも怯む事なくわたしを見つめ返してくる。昨日の今日で不審感いっぱいだろう。

「わたしたちからお話しというか、ご提案がありますの。いっしょにお茶でもいただきながら、少しおしゃべりいたしませんこと?」
 極力丁寧に言ったつもりなのに、それが妙に脅してるみたいに受け取られたみたい。教室の何ヶ所かで、(ほら、あれ『ラフネス』だよ。おっかね~…)みたいな声が聞こえた。失礼な。本気のラフネスはこんなもんじゃないって、一回味わってみるか?


 あ、シャルマン嬢も素直に着いてきてくれるって?話が早くて助かるぅ~




しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

学園首席の私は魔力を奪われて婚約破棄されたけど、借り物の魔力でいつまで調子に乗っているつもり?

今川幸乃
ファンタジー
下級貴族の生まれながら魔法の練習に励み、貴族の子女が集まるデルフィーラ学園に首席入学を果たしたレミリア。 しかし進級試験の際に彼女の実力を嫉妬したシルヴィアの呪いで魔力を奪われ、婚約者であったオルクには婚約破棄されてしまう。 が、そんな彼女を助けてくれたのはアルフというミステリアスなクラスメイトであった。 レミリアはアルフとともに呪いを解き、シルヴィアへの復讐を行うことを決意する。 レミリアの魔力を奪ったシルヴィアは調子に乗っていたが、全校生徒の前で魔法を披露する際に魔力を奪い返され、醜態を晒すことになってしまう。 ※3/6~ プチ改稿中

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。

彩世幻夜
ファンタジー
「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」 お嬢様はご不満の様です。 海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。 名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。 使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。 王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。 乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ? ※5/4完結しました。 新作 【あやかしたちのとまり木の日常】 連載開始しました

処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う

yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。 これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。

昭和生まれお局様は、異世界転生いたしましたとさ

蒼あかり
ファンタジー
局田舞子(つぼたまいこ)43歳、独身。 とある事故をきっかけに、彼女は異世界へと転生することになった。 どうしてこんなことになったのか、訳もわからぬままに彼女は異世界に一人放り込まれ、辛い日々を過ごしながら苦悩する毎日......。 など送ることもなく、なんとなく順応しながら、それなりの日々を送って行くのでありました。 そんな彼女の異世界生活と、ほんの少しのラブロマンスっぽい何かを織り交ぜながらすすむ、そんな彼女の生活を覗いてみませんか? 毎日投稿はできないと思います。気長に更新をお待ちください。

処理中です...