10番目の同級生

ジャメヴ

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警察到着

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「痛いっっ!!」
「三橋さん?  割れたコップを踏んだ?」
三橋さんが後片付けをしようとしてガラスを踏んだようだ。現場保存しないと駄目な筈なんだけど……。
「六角君の眼鏡じゃない?」
九十九さんが指摘したので俺は聞き返す。
「眼鏡?」
「六角君眼鏡掛けてたよね?」
その場所には眼鏡フレームも何も無い、砕け散ったガラスのみだ。
「取り敢えず、応急手当を」
四天王寺は三橋さんに近寄り皆に言った。
「私、絆創膏あるよ」
九十九さんはカバンから絆創膏を取り出しながら言った。それを見て八重樫も言う。
「あ、俺もちょっと足切れてるから絆創膏もらっていい?」
「は~い、まだあるよ」

ウー……ウー……
 サイレンが聞こえてきた。ようやく警察が到着したようだ。
「取り敢えず、ここにいるメンバーが犯人だと思いたくないんで、警察には俺の推理の密室崩しを伝えて、ドアから逃げたかもって言っておくか」
俺は妥協案を皆に告げた。それを聞き、四天王寺が話す。
「そうだな、嘘をつく必要は無いが、十文字を含めた外部犯と二岡か六角の共犯説で主張しようか」
ドタドタドタ……
「警察です。犯人は?」
「逃げたと思われます」
俺が代表して答えた。
「思われます?  どういう事ですか?」

  俺は警察官に、十文字を含めた外部犯と二岡か六角の共犯説で推理を伝えた。警察官は俺だけでなく全員に話を聞いていく。
  約30分後、刑事であろう男性2人と鑑識であろう警察官が現場検証を始めた。最初に到着した警察官から、刑事2人は状況を確認している。
  先輩であろう刑事は、170センチ強の身長で、かなり恰幅が良く、筋肉質に見える。短めの黒髪でやや色白の強面だ。後輩であろう刑事は、もう少し背が高く、175ぐらいか。やや細めだが姿勢も良く、筋肉質に見える。刈り上げられた短髪の黒髪で、少しだけ顎髭が伸びている。眉毛はつり上がるように整えられているがタレ目だ。色黒で、ややすきっ歯の為か、賢そうには見えない。2人の刑事が会話する。
「小牧さん、どう思います?」
「彼らの言った事全てが事実か分からないし、皆が目隠しされていたのでは状況が掴めない。取り敢えず、十文字という少年が本当に生きているか確認しないと」
「ですね。……あっ!  この男!  こないだの犯人じゃないですか?!」

  何だって?!  

俺は度肝を抜かれた。三橋さんもビックリした様子だ。だが、九十九さんには聞こえなかったのか、驚いた様子は無い。他のメンバーはピンときていないようだ。
「馬鹿っ!  日吉っ!」
「あっ!  すみません。でも、ネットに晒されてますよ」
「駄目なものは駄目だ!」
「犯人って、ジュエリー西川の窃盗犯ですか?」
俺は2人の刑事に質問した。後輩であろう刑事が答える。
「え?  え~っと……。その辺りは答えられません」
いやいや、もう遅えよ!  他の同級生達は今の質問で何となく気づいたようだけど、イマイチ理解できていないだろうな。コスモグループの御曹司が窃盗犯だとは結び付かないだろう。まさか偽犯人が六角だとは……。六角は五木を轢き殺した事を知っていたんだろうか?  そう言えば、葬式の時、五木の両親と長々と話をしていたな。頭も下げていたような気がする。
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