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密室崩しトリック
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俺が意外な事を言ったので、皆は呆気にとられているようだ。
「やっぱり?」
八重樫は十文字説に俺が乗っかったので喜んでいる。四天王寺が反論する。
「一ノ瀬が密室って言い出したんだろ?」
「話をしている間に、密室崩しのトリックを思いついた」
「何だって!?」
「ドアストッパーに頑丈な糸でも通して外から引っ張るだけで簡単に密室の完成だ」
「なるほど」
「十文字生きていたか」
八重樫は十文字を犯人にしようと必死だ。俺は続けて言う。
「いやいや、密室は崩せるけど、この中に犯人がいる可能性も高いし十文字とも限らない」
「明日の1面はイジメられっ子、ガキ大将達に復讐だな」
八重樫は俺の意見など無視して、なり振り構わず十文字の犯行へ皆の意識がいくように畳み掛けている。俺はドアストッパーを見ながら話す。
「パッと見だが、糸を通す穴は無いみたいだ。でも、穴を空けなくったって他にも密室にする方法はありそうだ。それに……」
「まだ何かあるのか?」
四天王寺が聞く。
「十文字の犯行は2点厳しい所がある」
「どういう事だ?」
四天王寺が聞き返してきたので、俺は自分の推理の穴を皆に伝える。
「二岡を殺した後、十文字がドアから逃げたと言うなら、六角を殺せない」
「まあ、それはそうだな」
「六角を殺した後は、ドアに皆が殺到したから逃げられない。ただ、皆は目隠しの上、後ろ手に手錠をされているんで、八重樫に紐を渡して六角を殺し、騒がしくなったところを一目散にドアから出て、準備済みのドアストッパーを引っ張れば、ギリギリ可能ではある」
「なるほど、なんとかギリギリいけるかも知れないな」
「ただ、二岡が目隠しと手錠をしてないとなると、二岡と十文字が共犯となり、訳が分からない」
「そうか……。その説は、二岡と十文字が共犯じゃないと成立しないのか」
「まあ、十文字じゃなくて、二岡と外部犯との共犯なら成立する」
「なるほど」
「いや、ちょっと待ってくれ」
俺は自分の推理に穴がある事に気付いて言った。
「どうした?」
「もし、目隠しが実は二岡のものだとしたら……。六角と十文字共犯説が成り立つんじゃないか?!」
「どういう事だ?」
「待ってました、名探偵!」
八重樫が調子にのっている。
「六角と十文字共犯説だとすると、『緑雲』への睡眠薬問題が解決しないが、仮にそれが出来たとして、まず、六角か十文字が二岡を金属バットで死なない程度に殴り、その後、金槌で殴り殺す。そして、二岡の目隠しと手錠を六角にする。その後、十文字が六角を裏切って殺す。皆がドアに殺到したが、目隠しの上、後ろ手に手錠をされているので、十文字の方が早くドアから外に出て、密室トリックを完成させる事ができる」
「なるほど。成立するのか」
「やっぱり?」
八重樫は十文字説に俺が乗っかったので喜んでいる。四天王寺が反論する。
「一ノ瀬が密室って言い出したんだろ?」
「話をしている間に、密室崩しのトリックを思いついた」
「何だって!?」
「ドアストッパーに頑丈な糸でも通して外から引っ張るだけで簡単に密室の完成だ」
「なるほど」
「十文字生きていたか」
八重樫は十文字を犯人にしようと必死だ。俺は続けて言う。
「いやいや、密室は崩せるけど、この中に犯人がいる可能性も高いし十文字とも限らない」
「明日の1面はイジメられっ子、ガキ大将達に復讐だな」
八重樫は俺の意見など無視して、なり振り構わず十文字の犯行へ皆の意識がいくように畳み掛けている。俺はドアストッパーを見ながら話す。
「パッと見だが、糸を通す穴は無いみたいだ。でも、穴を空けなくったって他にも密室にする方法はありそうだ。それに……」
「まだ何かあるのか?」
四天王寺が聞く。
「十文字の犯行は2点厳しい所がある」
「どういう事だ?」
四天王寺が聞き返してきたので、俺は自分の推理の穴を皆に伝える。
「二岡を殺した後、十文字がドアから逃げたと言うなら、六角を殺せない」
「まあ、それはそうだな」
「六角を殺した後は、ドアに皆が殺到したから逃げられない。ただ、皆は目隠しの上、後ろ手に手錠をされているんで、八重樫に紐を渡して六角を殺し、騒がしくなったところを一目散にドアから出て、準備済みのドアストッパーを引っ張れば、ギリギリ可能ではある」
「なるほど、なんとかギリギリいけるかも知れないな」
「ただ、二岡が目隠しと手錠をしてないとなると、二岡と十文字が共犯となり、訳が分からない」
「そうか……。その説は、二岡と十文字が共犯じゃないと成立しないのか」
「まあ、十文字じゃなくて、二岡と外部犯との共犯なら成立する」
「なるほど」
「いや、ちょっと待ってくれ」
俺は自分の推理に穴がある事に気付いて言った。
「どうした?」
「もし、目隠しが実は二岡のものだとしたら……。六角と十文字共犯説が成り立つんじゃないか?!」
「どういう事だ?」
「待ってました、名探偵!」
八重樫が調子にのっている。
「六角と十文字共犯説だとすると、『緑雲』への睡眠薬問題が解決しないが、仮にそれが出来たとして、まず、六角か十文字が二岡を金属バットで死なない程度に殴り、その後、金槌で殴り殺す。そして、二岡の目隠しと手錠を六角にする。その後、十文字が六角を裏切って殺す。皆がドアに殺到したが、目隠しの上、後ろ手に手錠をされているので、十文字の方が早くドアから外に出て、密室トリックを完成させる事ができる」
「なるほど。成立するのか」
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