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一ノ瀬の推理
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「えっ!? 二岡が犯人?! 二岡は殺されているぞ?」
「二岡単独か、もう1人以上の共犯で、二岡は殴られたフリをしていたんだ。そして、何らかの理由で仲間割れして殺されたんだ」
「なるほど」
「二岡が犯人の1人だとすれば、乾杯の時のお茶を持ってきたのにも合点がいく。でも、素人目じゃ殴られた痕があるかは分からないな。無いような感じだけど……」
「でもまあ、その説有力だな。あとは、共犯者か……」
「普通に考えたら男だな」
四天王寺が真顔で言った。八重樫が聞き返す。
「何で?」
「金槌で殴り殺すのは、女性だとキツくないか?」
「いやいや、女も強いよ」
八重樫……。過去に何があったんだ?
「そう言えば、三橋さんて二岡君に告白されてなかった?」
九十九さんが久々に喋った。四天王寺が思い出すように言う。
「そう言えば、そんな事あったな」
「されたけど、私、二岡君好みじゃないから」
死人に口無しというのは、こういう事だろう。
「そう言えば、六角君て二岡君にお金貸してなかった?」
何故か九十九さんが饒舌になっている。
「結構な額、貸していたと思う。ただ、あいつら仲良さそうだったし、六角はコスモグループの御曹司なんで金には困らないかも。話を戻すが、二岡と共犯なのは、三橋さん、九十九さんが有力だな?」
四天王寺は自分の推理を話し出した。三橋さんと八重樫が驚いて声をあげる。
「えっ!」「何で?」
「三橋さんの証言では、お茶の準備は、この3人だったよね?」
「はい、間違い無いです」
「じゃあ、睡眠薬を入れたのは、この3人の誰かというのは確定だ」
「そうだな」
俺は四天王寺の推理を遮るように言った。さらに続ける。
「でも、二岡の共犯者は、その2人である必要は無い」
「えっ?」
四天王寺は驚いた表情で俺に聞き返した。
「二岡が睡眠薬を入れて、例えば、俺が共犯者でも成立する」
「なるほど。……そうなると八重樫説が有力になるな」
四天王寺が推理を急に方向転換したので、八重樫はビクッとなり、叫ぶ。
「何でだよ!」
「何でだよ! じゃね~よ! 皆思ってるけど言わなかっただけだよ」
皆は四天王寺の言う通りという雰囲気だ。八重樫は1人理解出来ずに四天王寺へ聞き返す。
「どう言う事だ?」
「2人が死んで、いかにも、俺も目隠しに手錠されてましたって感じで鍵見つけるって、普通に考えたらお前が犯人だよ」
「いや、俺じゃねーよ」
「まあ、あまりに単純すぎて、言う気にもならなかったけど、お前ならどっちの可能性もありそうだな。天然なのか本当か……」
天然なのか本当か~♪ そんな歌あったな。この時の流れはいつまで続くんだ? 俺は、これ以上死人が出そうでは無い状況になり、随分と余裕が出てきた。
「偶々見つけたんだって!」
「偶々って何だよ! まあ、言い訳が間抜けすぎてお前の犯行とは、到底思えないけどな」
「まあ、ちょっと八重樫君の話も聞いてあげようよ」
三橋さんも随分余裕が出てきたようだ。八重樫は自分に矛先が向いて焦ったのか、必死で説明しだした。
「六角が殺されるちょっと前に紐を渡されたんだ。何だこれと思ってたら、六角が殺されて、俺も皆もパニックになっただろ? だから言えなかったんだけど、落ち着いて紐を手繰り寄せていくと、ガムテープに鍵がくっついていたんだ」
八重樫は紐とガムテープを皆に見せた。紐の先端には、鍵がくっついてあったであろう跡のあるガムテープが貼られていた。俺はそれを見て呟く。
「この紐は……軍手をほつれさせた物だな」
「まあ八重樫はグレーにしとくか」
四天王寺はしょうがないなぁという雰囲気で八重樫を見ながら呟いた。
「いやいや、真っ白だって! 純白です! だから、もう十文字が犯人という事にしておこうや」
八重樫は自分に矛先が向くのが嫌なようだ。四天王寺が反論する。
「密室だから無理って言っただろう」
「いや、俺も十文字説を考えていた」
「二岡単独か、もう1人以上の共犯で、二岡は殴られたフリをしていたんだ。そして、何らかの理由で仲間割れして殺されたんだ」
「なるほど」
「二岡が犯人の1人だとすれば、乾杯の時のお茶を持ってきたのにも合点がいく。でも、素人目じゃ殴られた痕があるかは分からないな。無いような感じだけど……」
「でもまあ、その説有力だな。あとは、共犯者か……」
「普通に考えたら男だな」
四天王寺が真顔で言った。八重樫が聞き返す。
「何で?」
「金槌で殴り殺すのは、女性だとキツくないか?」
「いやいや、女も強いよ」
八重樫……。過去に何があったんだ?
「そう言えば、三橋さんて二岡君に告白されてなかった?」
九十九さんが久々に喋った。四天王寺が思い出すように言う。
「そう言えば、そんな事あったな」
「されたけど、私、二岡君好みじゃないから」
死人に口無しというのは、こういう事だろう。
「そう言えば、六角君て二岡君にお金貸してなかった?」
何故か九十九さんが饒舌になっている。
「結構な額、貸していたと思う。ただ、あいつら仲良さそうだったし、六角はコスモグループの御曹司なんで金には困らないかも。話を戻すが、二岡と共犯なのは、三橋さん、九十九さんが有力だな?」
四天王寺は自分の推理を話し出した。三橋さんと八重樫が驚いて声をあげる。
「えっ!」「何で?」
「三橋さんの証言では、お茶の準備は、この3人だったよね?」
「はい、間違い無いです」
「じゃあ、睡眠薬を入れたのは、この3人の誰かというのは確定だ」
「そうだな」
俺は四天王寺の推理を遮るように言った。さらに続ける。
「でも、二岡の共犯者は、その2人である必要は無い」
「えっ?」
四天王寺は驚いた表情で俺に聞き返した。
「二岡が睡眠薬を入れて、例えば、俺が共犯者でも成立する」
「なるほど。……そうなると八重樫説が有力になるな」
四天王寺が推理を急に方向転換したので、八重樫はビクッとなり、叫ぶ。
「何でだよ!」
「何でだよ! じゃね~よ! 皆思ってるけど言わなかっただけだよ」
皆は四天王寺の言う通りという雰囲気だ。八重樫は1人理解出来ずに四天王寺へ聞き返す。
「どう言う事だ?」
「2人が死んで、いかにも、俺も目隠しに手錠されてましたって感じで鍵見つけるって、普通に考えたらお前が犯人だよ」
「いや、俺じゃねーよ」
「まあ、あまりに単純すぎて、言う気にもならなかったけど、お前ならどっちの可能性もありそうだな。天然なのか本当か……」
天然なのか本当か~♪ そんな歌あったな。この時の流れはいつまで続くんだ? 俺は、これ以上死人が出そうでは無い状況になり、随分と余裕が出てきた。
「偶々見つけたんだって!」
「偶々って何だよ! まあ、言い訳が間抜けすぎてお前の犯行とは、到底思えないけどな」
「まあ、ちょっと八重樫君の話も聞いてあげようよ」
三橋さんも随分余裕が出てきたようだ。八重樫は自分に矛先が向いて焦ったのか、必死で説明しだした。
「六角が殺されるちょっと前に紐を渡されたんだ。何だこれと思ってたら、六角が殺されて、俺も皆もパニックになっただろ? だから言えなかったんだけど、落ち着いて紐を手繰り寄せていくと、ガムテープに鍵がくっついていたんだ」
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「この紐は……軍手をほつれさせた物だな」
「まあ八重樫はグレーにしとくか」
四天王寺はしょうがないなぁという雰囲気で八重樫を見ながら呟いた。
「いやいや、真っ白だって! 純白です! だから、もう十文字が犯人という事にしておこうや」
八重樫は自分に矛先が向くのが嫌なようだ。四天王寺が反論する。
「密室だから無理って言っただろう」
「いや、俺も十文字説を考えていた」
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