政府の方針で正直者になりました

ジャメヴ

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自習あるある

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  ナキリ君は、うつむいて少し考え込んだ。そして、キラキラした目で僕を見て、2度頷《うなず》いた後、クラスの皆に大声で叫ぶ。

「先生が来てない!」

  僕は先生が来たのかと廊下側の窓を見た。席を離れていた人達は、ドタバタと一斉に自分の席に戻る。ん?  来てない?
「何だよ~」「やられた~」「やるな~」
皆はナキリ君を見ながら一本取られたという顔をしている。ナキリ君が「先生が……」と言った時点で、僕を含めた皆は先生が来たのだと勘違いしたんだ。ナキリ君は満面の笑顔を皆に返した後、僕を見て「ねっ」と言った。確かに凄い。嘘をつかずに皆を驚かせて、逆にヒーローっぽい扱いになっている。僕の心の中にちょっとだけ、悔しいというか嫉妬のような感情が芽生えたように思えた。
  教室が盛り上がった為なのか、暫くすると、本当に隣のクラスから先生が見にきた。人差し指を口につけて「静かにね」とだけ言うと、また部屋を出た。今度は皆、直ぐに席を立ち、また小声で会話が始まる。僕はノートにカタカナで名前を書いてナキリ君に見せた。
『テル  アライ』
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