3 / 8
篠原美園
しおりを挟む
俺は手帳を開き、先程控えた篠原美園の電話番号をスマホに打ち込んだ。
「もしもし?」
優良企業の事務員並に早い段階で電話に出てくれたが、登録されていない番号のせいか、声のトーンが低い。
「突然のお電話申し訳ありません。警察官の小牧と申します」
「警察!? 何かありましたか?」
俺は彼女の驚いた声を聞いて、違和感を覚えた。被害者は65歳だから、彼女も同じぐらいの年齢だと思っていたのに、声だけで判断すると三十代か、もっと若く感じた。
「中井透さんを御存知でしょうか?」
「は、はい。私の知人の父親だと思います」
「えっ?! 知人の?! 学さんとは友人関係ですか?」
「えっと……恋人です」
「こ……恋人……そうなんですね。失礼しました、本題に戻ります。今日、父親の透さんがお亡くなりになりました」
「えっ?!」
「ビックリされたと思いますが、殺された可能性もあります」
「殺された?」
「篠原さんが透さんと最後に会ったのは、いつでしょうか?」
「……えっと、一ヶ月程前だったと思いますけど……」
「そうなんですね。その時、透さんに変わった様子はありましたか?」
「いえ、特には……」
「そうですか……。因みに、今日は、お出掛けになられましたか?」
「今日は午後2時に、タクシーで中井さんのお宅へ行きました。学さんから来て欲しいと連絡があったので」
「学さんから?」
「はい。でも、ドタキャンされたので……。少し待っても連絡がとれなかったし、学さんの原付も無かったので、タクシーを呼んで帰りました。2時半ぐらいだったと思います。青山タクシーを使ったので、確認してもらえれば分かると思います」
「御丁寧にありがとうございます。では、後程連絡させてもらうかも知れません。何か気付いた事がありましたら、この番号へ連絡お願いします」
「分かりました」
「それでは失礼します」
俺が電話を切るのを見て、日吉が話す。
「どうですか?」
俺は電話での内容を日吉へ伝えた。
「じゃあ俺、青山タクシーに確認をとります」
「おう、頼んだ」
日吉が電話を掛けている間に、家の方を見ると、青いポリバケツが置いてあったので、気になり少し眺めた後、離れへ目を向ける。離れの周りは土になっているようだ。家から離れまでは5メートル程度。今日、20分程、強い俄雨《にわかあめ》が降ったうえに、救急隊員やら警察官の足跡で、地面がぐちゃぐちゃになっている。
日吉が電話を終えた時、先に着いていた警察官の先輩、斉藤が話し掛けてきた。
「小牧さん、被害者に掛けられていた保険金の5000万円ですが、受取人が篠原美園になっているようです」
「えっ?!」「何だって?!」
俺と日吉は顔を見合わせる。日吉が悪そうな顔で俺に話す。
「篠原美園が午後2時から犯行を行なった可能性が高まりましたね」
「まだ、何とも言えない。とにかく、第一発見者の家政婦さんと話がしたい」
「分かりました。呼んできます」
「もしもし?」
優良企業の事務員並に早い段階で電話に出てくれたが、登録されていない番号のせいか、声のトーンが低い。
「突然のお電話申し訳ありません。警察官の小牧と申します」
「警察!? 何かありましたか?」
俺は彼女の驚いた声を聞いて、違和感を覚えた。被害者は65歳だから、彼女も同じぐらいの年齢だと思っていたのに、声だけで判断すると三十代か、もっと若く感じた。
「中井透さんを御存知でしょうか?」
「は、はい。私の知人の父親だと思います」
「えっ?! 知人の?! 学さんとは友人関係ですか?」
「えっと……恋人です」
「こ……恋人……そうなんですね。失礼しました、本題に戻ります。今日、父親の透さんがお亡くなりになりました」
「えっ?!」
「ビックリされたと思いますが、殺された可能性もあります」
「殺された?」
「篠原さんが透さんと最後に会ったのは、いつでしょうか?」
「……えっと、一ヶ月程前だったと思いますけど……」
「そうなんですね。その時、透さんに変わった様子はありましたか?」
「いえ、特には……」
「そうですか……。因みに、今日は、お出掛けになられましたか?」
「今日は午後2時に、タクシーで中井さんのお宅へ行きました。学さんから来て欲しいと連絡があったので」
「学さんから?」
「はい。でも、ドタキャンされたので……。少し待っても連絡がとれなかったし、学さんの原付も無かったので、タクシーを呼んで帰りました。2時半ぐらいだったと思います。青山タクシーを使ったので、確認してもらえれば分かると思います」
「御丁寧にありがとうございます。では、後程連絡させてもらうかも知れません。何か気付いた事がありましたら、この番号へ連絡お願いします」
「分かりました」
「それでは失礼します」
俺が電話を切るのを見て、日吉が話す。
「どうですか?」
俺は電話での内容を日吉へ伝えた。
「じゃあ俺、青山タクシーに確認をとります」
「おう、頼んだ」
日吉が電話を掛けている間に、家の方を見ると、青いポリバケツが置いてあったので、気になり少し眺めた後、離れへ目を向ける。離れの周りは土になっているようだ。家から離れまでは5メートル程度。今日、20分程、強い俄雨《にわかあめ》が降ったうえに、救急隊員やら警察官の足跡で、地面がぐちゃぐちゃになっている。
日吉が電話を終えた時、先に着いていた警察官の先輩、斉藤が話し掛けてきた。
「小牧さん、被害者に掛けられていた保険金の5000万円ですが、受取人が篠原美園になっているようです」
「えっ?!」「何だって?!」
俺と日吉は顔を見合わせる。日吉が悪そうな顔で俺に話す。
「篠原美園が午後2時から犯行を行なった可能性が高まりましたね」
「まだ、何とも言えない。とにかく、第一発見者の家政婦さんと話がしたい」
「分かりました。呼んできます」
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる