十和田くんはセフレだから。

ミネ

文字の大きさ
2 / 22

2

しおりを挟む
俺の名前は真名悠成まなゆうせい。22歳。誰もが知る有名私立大学の学生部で今年の春から働きだした派遣社員。いまは11月だから勤めて半年ちょっと。

学生部は窓口に来る学生に各種証明書の発行補助とか、教室予約、色んなパンフレットとかポスターの掲示、遺失物の照会などをしている部署で、学生と関わることが多い。常日頃そんな有能な彼らとやり取りしてると、2.5流大学卒業のしがない経歴の持ち主の俺なんかはレベルが違うなあ、なんて感心したり落ち込んだりする。

まあつまり俺は至って凡人なわけ。

そんなハイレベルな大学の中でも際立って優秀なミスターエクセレントである十和田くんがなにゆえそんなこの俺に?

「学生部でいつも見かけてて、その、いつも肩の力を抜いてるかんじとか」

これはあんまりやる気のないかんじがバレてるのかな?

「シャイなとことか」

ああ、俺、人の目見て話さないな。

「少しぬけてて、忘れっぽっいところがなんか気になって‥」

つまり、ちょっと要領悪くてどんくさいとことかな?

「気づいたら、真名さんのこと考えてて、もっと話したいって思って‥」

えっ?というか、十和田くんって男もいける人?男だけの人?

「あ、こんな気持ちになったの真名さんが初めてで‥」

さすが。俺の表情だけで言いたいことを読み取るとは。

「だから、悩んだんですけど‥。もう三年だし、大学にも行く日も減って、真名さんに会えなくなると思ったら、想いだけでも伝えたくて」

自慢じゃないけど俺、人から告白されんのなんて初めてだよ。まあ、それが男っていうのはあれだけど。悪い気はしない。なんなら十和田くんみたいなハイスペックにこんなこと言われるのは少し嬉しい。

まあ、つきあうとかそういうのはまた別だけどね。

‥‥‥‥。

いや、待てよ‥!

ここでひとつ、俺の脳裏に閃きが落ちた。雷みたいに。


俺の今まで22年間のネット調べによると、男同士のセックスって気持ちいいらしいよね。

ちょっと興味あんだよなあ‥。


はっきり言って俺はめんどくさがりだ。だから生まれてこの方、彼女なんて欲しくなったことがなかった。

そりゃ、セックスはしてみたい。だけどそれにまつわる、人間関係、デート、クリスマスやバレンタインなど各種イベント、定期的な連絡等。考えただけでもうんざりする。やる気が出ないから家で寝てたい。

まあ、その結果がこれなわけで。自ら進んで努力もしない、人付き合いが好きじゃない凡人が女の人と付き合えるわけがない。


これは!神が!くれたチャンスなのでは?!


女の子あんあん言わせられなくてもいい。
せめておしりであんあん言ってみたい。

俺は拳を握りしめ、真面目な顔してこちらの様子を伺う十和田くんにこの気持ちを正直に告げることに決めた。

どうせ、十和田くんの言う通り、ほっとけば俺たちはもうすぐ会わなくなるのだ。このチャンスを恥ずかしがって逃すのは惜し過ぎる。

十和田くんはイケメンだし、セックス慣れてそうだし、優しくしてくれそうだし。申し分ない。


「‥せ、」

「せ?」
十和田くんは不思議そうに俺の言葉をくり返す。

「セフレならいいよ‥!」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

完璧な計画

しづ未
BL
双子の妹のお見合い相手が女にだらしないと噂だったので兄が代わりにお見合いをして破談させようとする話です。 本編+おまけ後日談の本→https://booth.pm/ja/items/6718689

学校一のイケメンとひとつ屋根の下

おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった! 学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……? キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子 立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。 全年齢

【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。

はぴねこ
BL
 高校生の頃、片想いの親友に告白した。  彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。  もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。  彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。  そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。  同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。  あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。  そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。 「俺もそろそろ恋愛したい」  親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。  不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

「イケメン滅びろ」って呪ったら

竜也りく
BL
うわー……。 廊下の向こうから我が校きってのイケメン佐々木が、女どもを引き連れてこっちに向かって歩いてくるのを発見し、オレは心の中で盛大にため息をついた。大名行列かよ。 「チッ、イケメン滅びろ」 つい口からそんな言葉が転がり出た瞬間。 「うわっ!?」 腕をグイッと後ろに引っ張られたかと思ったら、暗がりに引きずり込まれ、目の前で扉が閉まった。 -------- 腹黒系イケメン攻×ちょっとだけお人好しなフツメン受 ※毎回2000文字程度 ※『小説家になろう』でも掲載しています

刺されて始まる恋もある

神山おが屑
BL
ストーカーに困るイケメン大学生城田雪人に恋人のフリを頼まれた大学生黒川月兎、そんな雪人とデートの振りして食事に行っていたらストーカーに刺されて病院送り罪悪感からか毎日お見舞いに来る雪人、罪悪感からか毎日大学でも心配してくる雪人、罪悪感からかやたら世話をしてくる雪人、まるで本当の恋人のような距離感に戸惑う月兎そんなふたりの刺されて始まる恋の話。

処理中です...