16 / 22
16
しおりを挟む
とんとん拍子で同棲の話は進み、すぐに十和田くんと俺は一緒に住み始めた。
十和田くんは今まで実家住まいだったから家財もないし、俺の家のほうも、十和田くんが片付けて置いてくれたから引っ越しはスムーズだった。
どうでもいいけど、片付けてる最中に十和田くんは俺の服を「もうこれいいですよね」とかなんとか言って捨ててく。
形とか柄とか結構気に入ってたやつで、それを伝えたら微妙な顔をされた。えっ、もしかして俺って服の趣味悪かったりする?
「今度一緒に買い物行きましょうね」
十和田くんが美しい顔で微笑むけど俺は腑に落ちない。待って待って俺ださいの?
十和田くんは微笑みを絶やさず「もっと似合う服ありますよ」と話を逸らした。そうか、俺ださいんだ。‥くそお。
◇
いつも通り、十和田くんが夕飯を作ってくれて、十和田くんが片付けてる。
俺はしばらく、買ったばかりの心地の良いソファでごろごろしていた。このソファいい。リラックスできる。
2LDKになって部屋も広くなったし、快適だあ。
片付けを終えた十和田くんがこちらへやってきて、ソファで寝転ぶ俺を楽しそうに見る。
「俺も寝たいな」
十和田くんが言うので、俺は退こうとすると「そのまま」って言って、狭いソファに二人でぎゅうぎゅうと無理矢理寝る。
「十和田くん、落ちる」
俺はソファからはみ出る十和田くんの身体を必死で抱え込み、十和田くんも俺にしがみつく。お互いソファから落ちないよう全力で抱き合ってたんだけど、二人ともバカバカしくて途中から笑い出した。
「必死」
「そっちだって」
十和田くんは体勢を変え、腕で自分の身体を支えると俺に覆いかぶさった。
「真名さん、かわいい」
どこら辺が?こんな平凡顔。と思うのだけど、聞き返す余裕はない。
だって神さまが本気で作っただろう十和田くんの整った顔がゆっくり近づいてくる。そしてこのソファらへんに漂う甘めの雰囲気。俺でもわかるよ。これはキスするつもりだ。
わー、俺のはじめてのキス。
ふうっ。
ふうっ?
当たったのは唇じゃなくて、風。鼻先に息吹きかけられて、「ふふ」って十和田くんは笑うと冗談でした、みたいなノリで終わった。ちゅうしないのか。がっかりする俺に対して、十和田くんは何でもない様子でソファから身を起こし、お風呂の用意をしにバスルームへ行ってしまう。
揶揄われたのかなあ、ソファでもやもやしているとお風呂どうぞ、と声が掛かる。とりあえず風呂に入ろう。
十和田くんは今まで実家住まいだったから家財もないし、俺の家のほうも、十和田くんが片付けて置いてくれたから引っ越しはスムーズだった。
どうでもいいけど、片付けてる最中に十和田くんは俺の服を「もうこれいいですよね」とかなんとか言って捨ててく。
形とか柄とか結構気に入ってたやつで、それを伝えたら微妙な顔をされた。えっ、もしかして俺って服の趣味悪かったりする?
「今度一緒に買い物行きましょうね」
十和田くんが美しい顔で微笑むけど俺は腑に落ちない。待って待って俺ださいの?
十和田くんは微笑みを絶やさず「もっと似合う服ありますよ」と話を逸らした。そうか、俺ださいんだ。‥くそお。
◇
いつも通り、十和田くんが夕飯を作ってくれて、十和田くんが片付けてる。
俺はしばらく、買ったばかりの心地の良いソファでごろごろしていた。このソファいい。リラックスできる。
2LDKになって部屋も広くなったし、快適だあ。
片付けを終えた十和田くんがこちらへやってきて、ソファで寝転ぶ俺を楽しそうに見る。
「俺も寝たいな」
十和田くんが言うので、俺は退こうとすると「そのまま」って言って、狭いソファに二人でぎゅうぎゅうと無理矢理寝る。
「十和田くん、落ちる」
俺はソファからはみ出る十和田くんの身体を必死で抱え込み、十和田くんも俺にしがみつく。お互いソファから落ちないよう全力で抱き合ってたんだけど、二人ともバカバカしくて途中から笑い出した。
「必死」
「そっちだって」
十和田くんは体勢を変え、腕で自分の身体を支えると俺に覆いかぶさった。
「真名さん、かわいい」
どこら辺が?こんな平凡顔。と思うのだけど、聞き返す余裕はない。
だって神さまが本気で作っただろう十和田くんの整った顔がゆっくり近づいてくる。そしてこのソファらへんに漂う甘めの雰囲気。俺でもわかるよ。これはキスするつもりだ。
わー、俺のはじめてのキス。
ふうっ。
ふうっ?
当たったのは唇じゃなくて、風。鼻先に息吹きかけられて、「ふふ」って十和田くんは笑うと冗談でした、みたいなノリで終わった。ちゅうしないのか。がっかりする俺に対して、十和田くんは何でもない様子でソファから身を起こし、お風呂の用意をしにバスルームへ行ってしまう。
揶揄われたのかなあ、ソファでもやもやしているとお風呂どうぞ、と声が掛かる。とりあえず風呂に入ろう。
0
あなたにおすすめの小説
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
学校一のイケメンとひとつ屋根の下
おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった!
学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……?
キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子
立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。
全年齢
完璧な計画
しづ未
BL
双子の妹のお見合い相手が女にだらしないと噂だったので兄が代わりにお見合いをして破談させようとする話です。
本編+おまけ後日談の本→https://booth.pm/ja/items/6718689
【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
幼馴染がいじめるのは俺だ!
むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに...
「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」
「はっ...ぁ??」
好きな奴って俺じゃないの___!?
ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子
ーーーーーー
主人公 いじめられっ子
小鳥遊洸人
タカナシ ヒロト
小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。
姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。
高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、
脳破壊。
千透星への恋心を自覚する。
幼馴染 いじめっ子
神宮寺 千透星
ジングウジ チトセ
小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。
美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている)
転校生の須藤千尋が初恋である
「イケメン滅びろ」って呪ったら
竜也りく
BL
うわー……。
廊下の向こうから我が校きってのイケメン佐々木が、女どもを引き連れてこっちに向かって歩いてくるのを発見し、オレは心の中で盛大にため息をついた。大名行列かよ。
「チッ、イケメン滅びろ」
つい口からそんな言葉が転がり出た瞬間。
「うわっ!?」
腕をグイッと後ろに引っ張られたかと思ったら、暗がりに引きずり込まれ、目の前で扉が閉まった。
--------
腹黒系イケメン攻×ちょっとだけお人好しなフツメン受
※毎回2000文字程度
※『小説家になろう』でも掲載しています
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
8/16番外編出しました!!!!!
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
4/29 3000❤️ありがとうございます😭
8/13 4000❤️ありがとうございます😭
12/10 5000❤️ありがとうございます😭
わたし5は好きな数字です💕
お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる