十和田くんはセフレだから。

ミネ

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とんとん拍子で同棲の話は進み、すぐに十和田くんと俺は一緒に住み始めた。

十和田くんは今まで実家住まいだったから家財もないし、俺の家のほうも、十和田くんが片付けて置いてくれたから引っ越しはスムーズだった。

どうでもいいけど、片付けてる最中に十和田くんは俺の服を「もうこれいいですよね」とかなんとか言って捨ててく。

形とか柄とか結構気に入ってたやつで、それを伝えたら微妙な顔をされた。えっ、もしかして俺って服の趣味悪かったりする?

「今度一緒に買い物行きましょうね」

十和田くんが美しい顔で微笑むけど俺は腑に落ちない。待って待って俺ださいの?

十和田くんは微笑みを絶やさず「もっと似合う服ありますよ」と話を逸らした。そうか、俺ださいんだ。‥くそお。










いつも通り、十和田くんが夕飯を作ってくれて、十和田くんが片付けてる。

俺はしばらく、買ったばかりの心地の良いソファでごろごろしていた。このソファいい。リラックスできる。

2LDKになって部屋も広くなったし、快適だあ。

片付けを終えた十和田くんがこちらへやってきて、ソファで寝転ぶ俺を楽しそうに見る。

「俺も寝たいな」

十和田くんが言うので、俺は退こうとすると「そのまま」って言って、狭いソファに二人でぎゅうぎゅうと無理矢理寝る。

「十和田くん、落ちる」

俺はソファからはみ出る十和田くんの身体を必死で抱え込み、十和田くんも俺にしがみつく。お互いソファから落ちないよう全力で抱き合ってたんだけど、二人ともバカバカしくて途中から笑い出した。

「必死」

「そっちだって」

十和田くんは体勢を変え、腕で自分の身体を支えると俺に覆いかぶさった。

「真名さん、かわいい」

どこら辺が?こんな平凡顔。と思うのだけど、聞き返す余裕はない。

だって神さまが本気で作っただろう十和田くんの整った顔がゆっくり近づいてくる。そしてこのソファらへんに漂う甘めの雰囲気。俺でもわかるよ。これはキスするつもりだ。

わー、俺のはじめてのキス。


ふうっ。


ふうっ?

当たったのは唇じゃなくて、風。鼻先に息吹きかけられて、「ふふ」って十和田くんは笑うと冗談でした、みたいなノリで終わった。ちゅうしないのか。がっかりする俺に対して、十和田くんは何でもない様子でソファから身を起こし、お風呂の用意をしにバスルームへ行ってしまう。

揶揄われたのかなあ、ソファでもやもやしているとお風呂どうぞ、と声が掛かる。とりあえず風呂に入ろう。
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