102 / 102
おまけ
11
しおりを挟む
特に行き先も無く、単にバスに乗りたいだけの俺に嶺にいちゃんは「なんだよそれ」って笑いながら付き合ってくれた。
そんで、病院前のバス停に一番最初に着いたバスに乗って(病院前のこのバス停は4本のバスが通ってる)終点まで行こうって面白そうな提案をしてくれた。
バスが来たら俺たちは一番後ろの一列全部座席になってる一番端っこに座った。平日の昼前で乗っている人は少ない。
終点は聞いたこともない車庫で、どこに行くかちょっとわくわくしながら景色の流れる窓を見る。
バスってバス停で止まる時、開く扉側に車体をちょっと傾けるんだよ。知ってた?俺は知らなかった。
「京」
しばらくすると嶺にいちゃんが囁くように俺を呼び、顔を近づけてくる。
「なに?」
人がいるじゃんと焦って周りを目だけできょろきょろするとさっきの停留所でみんな降りてしまったのかバスの中には俺たち以外居なかった。
嶺にいちゃんが掠めるようにキスしてくる。軽く、ちゅっ、ちゅっ。って。
そんで俺の腰に手を回して少しだけ引き寄せていたずらっ子みたくやんちゃな顔で笑う。
「ばれないばれない」
うそだ。ばれるよ。乗客は誰も居ないけど運転手さんはバックミラーで見えるよね?
「平気だよ」
そりゃ降り口も運転席から離れてるし、運転手さんに近づくことはもう無いから、まあそんなに気まずくも無いけどさ。
楽しそうな雰囲気出して誘ってくる嶺にいちゃんに釣られて俺も唇を突き出してほんの軽くちゅうを返した。
一番後ろの後部座席の奥で二人でこしょこしょ隠れながらキスしてふふふ、って笑う。
そんなんしてたらすぐバスは徐行して次のバス停で止まった。窓から前を見ると乗ってくる人がいたからもういたずらはおしまい。
嶺にいちゃんは機嫌がいいのか、それからたまにぎゅうと俺を引き寄せたり、俺の髪に顎を軽く乗せてすりすりしてきたりした。
しばらくして終点の車庫で降りると、ふらふらと来たこともない場所を散策して遊んだ。ご飯食べて、また歩いてたら疲れてきたから大通りに出てタクシー捕まえて家に帰った。
家に着くと凱にいちゃんが居て夕食の用意をしてくれてた。その手を止めると玄関まで迎えに来てハグ。
「昨日はひどい目にあった」
俺を抱いてぎゅっとしてぐりぐりしてくる。
不思議そうに見上げると凱にいちゃんがスマホを見せてきた。五色叔父さんから動画が送られてる。嶺にいちゃんをちらりと見れば知った風だ。嶺にいちゃんのところにも来たのだろう。
「京、おぼえてないの?」
いや、おぼえてる。昨日えっちの最中に動画撮られたんだった。けどそれをにいちゃん達に送るとは思ってなかった‥。
あんまおぼえてないけどちょっとえっちな言葉言わされた気がする。
「これって五色叔父さんの仕返しだよな」
嶺にいちゃんがつまんなさそうに呟く。
「京があんなにえっちなこと自分からしてるとこ見るのつらかった」
なら途中でやめろよ。凱にいちゃん、ちゃっかり全部見てんじゃん。
俺に反論する余地を与えず、凱にいちゃんと嶺にいちゃんがじりじり俺に詰め寄ってくる。
「嬉しそうに五色叔父さんのちんぽしゃぶってたな」
「僕も挿れられながら好き、好きってたくさん言って欲しい‥」
「俺の精子も美味しいって飲んでみ?」
「ずっと一緒にいてねって僕にも最中に言って」
俺そんなこと言ったかなあ!?おぼえてない!おぼえてないもん!!
その時、張り詰める空気を壊すようにピンポーンと軽快なチャイムが鳴った。
凱にいちゃんが対応すると宅配便で荷物を受け取るとすぐに戻ってきた。にいちゃんは箱を開けると中身を取り出す。
「悔しいから僕たちもまた取り寄せちゃった」
箱から出てきたのは白のシンプルなナース服だ。キャップまで付いてる。俺の顔は引きつる。
「これ着てまたお医者さんごっこしよ」
楽しそうに嶺にいちゃん。
「僕たち患者役ね」
嬉しそうに凱にいちゃん。
「もうやんないよ!もうやんないから!」
俺は必死に抵抗するけどもちろん屈強な双子に敵うはずがない。
『快楽天使・ナースの京たん』
ばかなタイトルをつけられて病院で暇してる五色叔父さんに挑戦状のように送られる動画を撮られるのはもうすぐ目の前だ。
◇おわり◇
そんで、病院前のバス停に一番最初に着いたバスに乗って(病院前のこのバス停は4本のバスが通ってる)終点まで行こうって面白そうな提案をしてくれた。
バスが来たら俺たちは一番後ろの一列全部座席になってる一番端っこに座った。平日の昼前で乗っている人は少ない。
終点は聞いたこともない車庫で、どこに行くかちょっとわくわくしながら景色の流れる窓を見る。
バスってバス停で止まる時、開く扉側に車体をちょっと傾けるんだよ。知ってた?俺は知らなかった。
「京」
しばらくすると嶺にいちゃんが囁くように俺を呼び、顔を近づけてくる。
「なに?」
人がいるじゃんと焦って周りを目だけできょろきょろするとさっきの停留所でみんな降りてしまったのかバスの中には俺たち以外居なかった。
嶺にいちゃんが掠めるようにキスしてくる。軽く、ちゅっ、ちゅっ。って。
そんで俺の腰に手を回して少しだけ引き寄せていたずらっ子みたくやんちゃな顔で笑う。
「ばれないばれない」
うそだ。ばれるよ。乗客は誰も居ないけど運転手さんはバックミラーで見えるよね?
「平気だよ」
そりゃ降り口も運転席から離れてるし、運転手さんに近づくことはもう無いから、まあそんなに気まずくも無いけどさ。
楽しそうな雰囲気出して誘ってくる嶺にいちゃんに釣られて俺も唇を突き出してほんの軽くちゅうを返した。
一番後ろの後部座席の奥で二人でこしょこしょ隠れながらキスしてふふふ、って笑う。
そんなんしてたらすぐバスは徐行して次のバス停で止まった。窓から前を見ると乗ってくる人がいたからもういたずらはおしまい。
嶺にいちゃんは機嫌がいいのか、それからたまにぎゅうと俺を引き寄せたり、俺の髪に顎を軽く乗せてすりすりしてきたりした。
しばらくして終点の車庫で降りると、ふらふらと来たこともない場所を散策して遊んだ。ご飯食べて、また歩いてたら疲れてきたから大通りに出てタクシー捕まえて家に帰った。
家に着くと凱にいちゃんが居て夕食の用意をしてくれてた。その手を止めると玄関まで迎えに来てハグ。
「昨日はひどい目にあった」
俺を抱いてぎゅっとしてぐりぐりしてくる。
不思議そうに見上げると凱にいちゃんがスマホを見せてきた。五色叔父さんから動画が送られてる。嶺にいちゃんをちらりと見れば知った風だ。嶺にいちゃんのところにも来たのだろう。
「京、おぼえてないの?」
いや、おぼえてる。昨日えっちの最中に動画撮られたんだった。けどそれをにいちゃん達に送るとは思ってなかった‥。
あんまおぼえてないけどちょっとえっちな言葉言わされた気がする。
「これって五色叔父さんの仕返しだよな」
嶺にいちゃんがつまんなさそうに呟く。
「京があんなにえっちなこと自分からしてるとこ見るのつらかった」
なら途中でやめろよ。凱にいちゃん、ちゃっかり全部見てんじゃん。
俺に反論する余地を与えず、凱にいちゃんと嶺にいちゃんがじりじり俺に詰め寄ってくる。
「嬉しそうに五色叔父さんのちんぽしゃぶってたな」
「僕も挿れられながら好き、好きってたくさん言って欲しい‥」
「俺の精子も美味しいって飲んでみ?」
「ずっと一緒にいてねって僕にも最中に言って」
俺そんなこと言ったかなあ!?おぼえてない!おぼえてないもん!!
その時、張り詰める空気を壊すようにピンポーンと軽快なチャイムが鳴った。
凱にいちゃんが対応すると宅配便で荷物を受け取るとすぐに戻ってきた。にいちゃんは箱を開けると中身を取り出す。
「悔しいから僕たちもまた取り寄せちゃった」
箱から出てきたのは白のシンプルなナース服だ。キャップまで付いてる。俺の顔は引きつる。
「これ着てまたお医者さんごっこしよ」
楽しそうに嶺にいちゃん。
「僕たち患者役ね」
嬉しそうに凱にいちゃん。
「もうやんないよ!もうやんないから!」
俺は必死に抵抗するけどもちろん屈強な双子に敵うはずがない。
『快楽天使・ナースの京たん』
ばかなタイトルをつけられて病院で暇してる五色叔父さんに挑戦状のように送られる動画を撮られるのはもうすぐ目の前だ。
◇おわり◇
1
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(5件)
あなたにおすすめの小説
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
不憫で最高に大好きな作品です💓癖が詰まっててそれがまたどストライク、、、
感想ありがとうございます!嬉しいです(*´°`*)✿*:・゚
お読みいただきありがとうございます!楽しんで頂けたならとても嬉しいです(⸝⸝⸝ᵒ̴̶̷̥́ ᵒ̴̶̷̣̥̀⸝⸝⸝)
おまけは溺愛色強めになっています。
お褒めのコメントありがとうございます。喜びでしかありません(⸝⸝ᴗ͈ˬᴗ͈)
一気読みしました(( ̄_|Σ(゜Д゜)
作者様★すみませぬ( ノД`)…
でも途中でしんどくなって途中でゆっくりみてます。
あの…双子はまだしも叔父さんがかなりキモっ(|||´Д`) やべっ(゜ロ゜;ノ)ノで…
主人公逃げろ(((・・;)となっちゃうぐらいひいてるんですが…叔父さんは双子と結託してるんですよね?
キモ叔父さんはずっとでてきますか?(*゚∀゚)
キモ叔父さんはかなり精神的に胃もたれしそう…食べたやつ食べさせるとかクラスメートに公開レイプみせるとか…他色々特殊詰め込みまくってて。。
こちらの作品は
てっきり双子に溺愛系中心の嫉妬からのヤンデレ鬼畜とか独占欲かな?叔父さんライバル?と思ったら変態叔父さんの特殊性癖?ヤンデレかなんかわかんない展開で…
すみませぬ…( TДT)
一気読みのつもりで読んでたけど…叔父さんがキツくてこちらに書いてしまいました(´・ω・`)
叔父さんがでる場面は鬼畜はわかるけど、
溺愛とは思えないので…( TДT)
叔父さんがでるやつは印とかつけて
わかるようにして頂きましたら幸いです。(今後読む方の為にも(*-ω人))
なんか表示タグより想像より叔父さんがヤバ( ´△`)鬼畜も溺愛も個人的には好きなジャンルですが…叔父さんがとにかくキモ(|||´Д`)
マジホントすみませぬ( ノД`)…
主人公不憫受けなのかアホぽぃっけどカワイイけど…( TДT)
双子だけなら束縛、たまに鬼畜溺愛系でいいけど…( TДT)
双子だけなら楽しくてニヤニャ( *´艸`)ムフフだったんですが…叔父さんから雲行き怪しくて…( TДT)
とりま、休憩しながら(( ̄_|Σ(゜Д゜)
突然失礼しました。
拙い作品ですがお読みいただきありがとうございます!気分を害させたらごめんなさい‥( ;ᵕ; )