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おまけ
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次の日、広くもない五色叔父さんのベッドで一緒に寝ていると昼前に嶺にいちゃんが来た。どうやら今日は一個しか講義を取ってないから大学サボってこっちに来たみたい。凱にいちゃんはちゃんと大学行ってる。
「京、帰るぞ」
帰ってこない俺に痺れを切らしてお迎えに来たらしい。
「京を連れてかないで欲しいな。寂しいじゃないか」
五色叔父さんの本気で言ってるのか俺たちを揶揄ってんのかわかんないトーンのセリフを聞きながら、俺はあくびして叔父さんの胸に寝ぼけた顔をぐりぐり押し付ける。
「顔洗ってこいよ。飯食いに行こうぜ」
嶺にいちゃんが俺の腕を軽くひっぱるからつんのめるようにしてベッドから降りた。たくましいにいちゃんの身体が俺をキャッチ。
淡い色のモコモコ姿で出てくる俺に嶺にいちゃんは眉をひそめた。
「これ五色叔父さんが用意したの?」
「うん」
「凱と似たような趣味してんな」
ぽそっと一言。
と言うことは嶺にいちゃんもこの格好、好きってことじゃん。だって凱にいちゃんも嶺にいちゃんも好みが似てる。
洗面所で顔を洗ってると嶺にいちゃんが横の壁越しに寄っ掛りながらショートパンツをちょっと引っ張ってきた。
「モコモコじゃん」
めっちゃ興味持ってる。
歯磨いて着替えたらさっさと病室から連れ出された。叔父さんの寝ている部屋から出る時に声をかけられる。
「明後日迎えに来てね」
明後日は五色叔父さん退院の日だ。叔父さんはひらひらと手を振った。
嶺にいちゃんは車で来てると思ったらタクシーで来たみたいで駐車場のある地下には行かず病院の出入り口に向かった。
「車は?」
「ねえよ」
なんで?って聞いたら、これから俺とどっか遊びに行くつもりだったらしい。
俺は嶺にいちゃんにくっつく。
「えへへ」
嶺にいちゃんは親指と人差し指で挟むように俺の口もとをむよむよ軽く揉みながらさわやかに笑う。嶺にいちゃんの笑顔は眩しい。
「どっか行きたいとこねえの」
聞かれてひらめいた俺はパッと目を輝かせた。
「バス乗りたい!」
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