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まだ明るい寝室に二人は縺れ合うようにして転がり込んだ。

閉じられたレースのカーテンからは柔らかな午後の光が差し込みどこか遠くの方から子供の遊ぶ声や車の走る音が小さく聞こえる。

瀧とヒューは少しでも離すのが惜しいくらいに唇を貪り合い舌で口腔をまさぐると、もどかしそうに互いの服を剥ぎ取った。

程よく筋肉のついた美しいヒューの身体に見惚れているとヒューが瀧に覆いかぶさってきて胸の粒に吸い付いた。瀧もヒューの耳朶を噛み、首筋を唇で引っ張る。

唇で胸をいじりながら瀧のすでに膨らんだ性器を手で包むと指で亀頭を擦りながら扱きあげ、さらにねちねちと滴る蜜で尿道口を刺激する。そのまま口に含もうとするヒューの身体を瀧が優しく押し倒すと今度は瀧が上になり、ヒューの胸の突起を舌で転がして啜った。臍をくすぐれば、すぐその下には逞しい性器が脈を打ち勃ち上がっていた。

瀧は口を大きく開き、ヒューの先端に舌を纏わせるとそのまま奥まで飲み込んだ。喉の奥にヒューの力強い熱を受けると唇を窄め根元を締め付けじゅぷじゅぷと音を立てながら上下に扱く。

「瀧、そんなにしたらイっちゃうよ‥」

ヒューが瀧の頬を両手で包み、自身の性器を引き抜くと唾液の絡まった瀧の口がそこからようやく離れた。喉元まで目一杯咥え込んで潤んだ目にキスを落としながら、ヒューは瀧の体勢を四つん這いに変えると、背中から腰まで、そして程よく締まった尻を柔らかなカーブに沿って舐め、蕾に舌を這わせた。

瀧の蕾がほころぶとさらに手のひらで温めたローションを塗り込め快感を誘う。

堪えきれなくなった瀧が尻をもじもじさせながら何度もヒューを欲しがるとようやく雄々しい性器を瀧のなかに収めた。

「っはぁ‥‥。ヒュー、いい」

「私も気持ちがいい、‥瀧のがきゅうきゅう締めてくる‥」

吐息混じりで艶めくヒューの声に瀧の欲望がじんわりと湧き上がる。

「ヒュー、もっと、もっといいって言って。ヒューの声聞きたい」

瀧の言葉はヒューの理性を溶かし、その吐息も声も甘く瀧の耳に響く。

「ああ、いいよ、瀧、気持ちいい‥、あっ、そんなに締め付けちゃだめだ‥」

ヒューは瀧の尻を両手で掴むと激しく抜き差しし、瀧の喜ぶ場所を突き上げる。瀧の荒い息づかいと上がる嬌声。ヒューはさらに腰を大きく
グラインドさせると今度は根元まで深く挿入し、瀧の蕾をさらに拡げ奥のほうの快感を引きずり出した。

「あ、あ、あ‥。ヒュー‥」

切なそうに瀧がヒューの名を呼ぶと身体を仰向けにされて深いキスを求められた。

口づけを交わす間もヒューの動きは止まらず息づかいと漏れる声も揺さぶられる。 

瀧の性器は痛いくらいに張り詰め、触れられてもいないのに先端からとろとろと止め処もなく先走りが溢れ落ち、重なるヒューの腹を濡らした。

片脚をヒューの肩に乗せられると瀧は最奥を何度も穿たれた。より深くなった結合でヒューの太く猛々しい性器をなおいっそう咥え込むと自らも激しく腰を振った。

「ぅあ、‥は、ぁ、いく、いく、もぅ、いく‥!」

瀧は身体をびくりと震わせると瀧は後ろだけで達した。

ひくひくとまだ快感の余韻に浸る身体をヒューはさらに開くとローションとカウパー液でとろけた蕾に再び押し入り、瀧の快感の一点を狙って何度も抽送した。

「‥‥ひ、ヒュー、い、イってる、イってるから‥、あ、あ、ひあ、」

瀧の性器からはもう先走りとも精液ともわからない勝手にぴゅるぴゅると溢れている。

ヒューがそれをゆるく手で包み、にちにちといやらしい音を立てて上下に扱くと瀧はたまらず達してしまった。

射精の震えで蕾がヒューを強く食い締めるとヒューも艶かしい息を深く吐き瀧の中に白濁を散らした。





「ねえ、瀧」

甘い余韻を感じながらヒューの髪で遊んでいるとヒューは身体を起こし瀧のすらっとして硬い膝の上に乗る。怠惰な情交のにおいを残したままのヒューは瀧にキスを迫る。

「瀧‥‥。今度は瀧がして」

ヒューは瀧の性器を口で迎え入れるとすらりとした形のいい陰茎を横から咥え、カリを舐めると舌先を尿道の小さな穴に抉じ入れ、ちゅっちゅっと音を出しながら吸い付く。

次第に硬度を増す瀧の性器を手で扱くと、ヒューはローションを手に取り自身の窄まりにそれを纏わせる。

「ヒュー‥」

瀧は興奮のこもった掠れた声で名前を呼ぶ。

「ここ、嫌じゃないの?」

疑問を口にしながらも熱っぽい視線をヒューに向けると瀧は跨るヒューのぬめる尻穴に中指を当てた。

ヒューの蕾は自分の指と瀧の指できつく塞がり、別々の動きをする指に淫らな気持ちを増長させる。

「ずっと負の感情のほうが強かった。でも、こうして瀧が目の前にいると、それよりも瀧に求めて欲しくて」

小さく息を吐くと青い瞳を滲ませて瀧を見つめる。

「瀧のことしか考えられない」

蕾をかき乱しながらキスをする。ヒューの息を吐くような小さな声が漏れる度、瀧はヒューを愛しいと思った。

瀧は体勢を変えるとヒューの身体をベッドに倒しもう一度ゆっくりと指を挿入した。
ヒューが堪えるように喘ぐ場所見つけると、何度もやんわり刺激し、指を増やす。

「ここ‥、好き?痛くない?」

「大丈夫。離れていた間、慣らしてたから」

瀧は動きを止めるとヒューをじとっと見つめた。

「ひとりで?どうやって?」

「‥‥‥ディルドだよ」

ヒューは恥ずかしそうに俯くが瀧は質問を止めない。

「ほんとに?誰にも触らせてない?‥あのカウンセラーとか‥」

ヒューは瀧のあからさまに浮かべた嫉妬の表情を見上げながら嬉しそうに微笑む。

「野田さんは単なるカウンセラーだよ。もちろんその前の人達も」

「‥‥‥セオドアとか」

「テディは親友だよ」

優しい口調だが、一切の疑いを抱かせないはっきりとしたヒューの物言いに、瀧は内心ほっとする。

再び指でまさぐると、手の甲を口に当て声を漏らしながら喘ぐヒューの姿が官能的で、瀧はひとりで玩具を尻に嵌めて悶える彼の姿を想像して股間を熱くした。

「ひとりでおもちゃで慣らしてたの?」

熱く潤むブルーアイズでヒューは瀧を見つめる。

「瀧のこと思いながら、瀧のことだけ考えてた」

ヒューの言葉に身体が熱く滾った。熱はさらに股間に集まり劣情が渦巻く。

「ヒュー、もう挿れたい」


ヒューがこくりと頷くと瀧は性器を片手で支えながら徐々に這入っていった。熱いヒューのなかはきつく、瀧は小さく声を漏らす。

「はー、俺すぐいっちゃうかも」


瀧はヒューにももっと感じてほしくてヒューの勃ち上がる性器にローションを垂らし両手でぬるぬると扱いた。

「ヒューこれ好き?」

「ん‥」

「好きって言って」

「気持ちいい、‥好き」

「こっちは」

瀧はくいっくいっと腰を小さく振る。ヒューはとろけそうな目でほんのり微笑む。

「瀧のがはいってると思うだけで興奮する」

瀧はそれが合図かのようにゆるゆると腰を使い始める。ヒューの顔の横に両手を広げて身体を支えるとそのまま身体を下げてヒューにキスをした。

緩急つけたピストンを繰り返すと次第にヒューの息づかいも荒くなってきて、声が恥ずかしいのか手の甲で口を覆う。

「‥声聞きたい」

瀧がヒューの口元にあるヒューの手を外すと、ヒューは顔を逸らして流し目でこちらを見る。乱れた前髪と欲情を湛えた青い瞳が瀧を煽った。

「‥‥‥瀧、すき」

吐息に混ざって小さな声で囁かれるとたまらず瀧はあっという間に昇り詰めた。

「ヒュー、ずるい」

悔しそうに瀧が濡れた性器を引き抜くと、ヒューが起き上がって背中に抱きついてきた。


「もう一回する?」




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