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レ ベ ル が 上 が ら な い。
50を越えた辺りから感じていたけど、経験値の獲得量がかなり減ってきた。
Gランクの上限値である100が近いことも関係しているのだろうが、敵を倒しても中々にレベルが上がらない。先月に80を越えてからは更に厳しくなり、一ヶ月頑張って10上げるのが精一杯だった。
果して今月の末までに100まで行けるのか。ランクアップしたらワンチャンで、スキルが発現するかも知れないのに。
一筋の望みに縋りながら狩りをしていたら〈コボルド〉を両断したタイミングで、ノルマ達成を知らせる軽快な鐘の音が聞こえた。
「ふー、ちょうど昼の時間ぴったりだな。取りあえずいつもの店で、軽い昼食と休憩を挟んでからレベリングでもしようかな」
軽く伸びをした後。剣に付着した血をポーチから取り出した専用の聖水布で、綺麗にふき取って鞘に納める。
モンスターの身体は全て、この世界に満ちている『負の魔力』によって生成される。
ちゃんとこうして剣に付着した血などは聖水に浸した布でふき取らないと、武器が汚染されて最終的には砕けてしまう。
攻撃スキルを使用する者達は必要ないが、自分みたいに近接武器に頼らないといけない者達にとって共に戦う相棒は唯一の生命線。
小まめなメンテナンスは大事だと、古い書物にも記されている。
「後は帰り道のモンスターに気を付けながら、この山を下りるだけだな」
つま先を来た道に向けて歩き出す。ここは第一エリア、帰路に関して危険度は全くないので一人でも気が楽である。
遠く離れた第三エリア以上とかになると、帰還する道中で大量のモンスター達の襲撃を受けるらしい。
年間での被害件数は数百件程。
主にエリアに対する適性ランクがギリギリのパーティー等が被害にあって、天使達がいる大聖堂の医療施設に運びこまれている。
帰還する時間はもっとも油断が生じるから、そういったトラブルが頻繁に起こるらしいが。
「……はぁ、第三エリア以上ねぇ。俺がソロでそこまで行けるランクとレベルになるには何年くらい掛かるんだろうな」
Eランクになれた頃には、残りの期限が終了間近になっているかも知れない。
周囲を警戒しながら自嘲気味に笑い、このままでは現実になると青く広大な空を見上げた。
ああ、負の魔力で満ちてる割りには綺麗な景色だよな……。
この美しい空と比べたら、今朝の下級狩人達の方がよっぽど汚れている。
山道を歩きながらそんな事を考えていたら、サンクチュアリ国の全体を見渡せる場所に出た。
全長百メートルの大きな〈サンクチュアリ城〉を中心に、大きく発展している中央街。
十字の大通りに区切られている形で存在する四方の街は、それぞれ四大ギルドが管理するテリトリー。
形状としては、四枚葉の花に例えたら分かりやすいだろうか。
中央は最古のギルドが運営するエリアで、数万年もの長い時を生きる伝説が城に住んでいる。
百年経ったからと言って、必ずしも報酬で次の転生を迎える者ばかりではない。
中には報酬で『転生』ではなく『居住権』を得て、寿命を迎えるまで残り続ける者達もいる。
そういった者達は大体、夫婦となって子供を作るパターンだと本に載っていた。
ただ数万年もの時を生きる伝説は、そんな一般の狩人達とは根本的に違う。
最高ランクSSSに至った彼等は報酬で、この世界の居住権の獲得、それと不老の狩人でも避けられない寿命を願いで消したらしい。
なんでそんな願いを選んだのかは分からない。だけど彼らが作った絶対的なルールによって〈サンクチュアリ国〉は、狩人が好き勝手する無法地帯にならずに済んでいる。少なくともアスファエルからは、そう聞いていた。
「数万年も生きるなんて想像できないな、一生離れたくない恋人ができるなら話は別かも知れないけど……ん?」
周囲を警戒しながら歩いていたら、ふと誰かに見られている事に気がついた。
「お、今日も見守ってくれているな」
視線を感じるのは遠く離れた場所、中央区に存在する象徴である城から。
いつものように親しみを込めて大きく手を振って応える。すると複数ある窓の一つから、二回ほど返事らしき光がチカッチカと見えた。それに自分は満足して笑みを浮かべる。
実のところ自分は何も能力が無いわけじゃない。
レベルが20を超えた辺りで、アビリティ〈感知能力〉を獲得している。
アビリティはスキルと違って、超低確率で獲得する事ができるらしい。
だけど確認されているアビリティの中に、直接戦闘に使えるものは一つもない。
あくまで補助的な役割のものが多く、〈感知能力〉は主に索敵にしか使えない能力だった。
それでもスキルの無い欠陥を抱えている自分にとって、このアビリティは何も無いよりマシ。
視線に関しても最初は何処から見られているのか全く分からなかったが、この数か月訓練をする事によって城の方角から見られている事が分かる程度には使いこなしている。
「ほんと、一体誰なんだろう。アスファエルは、勤めているメイドじゃないかって言ってたけど」
城には〈大地の王〉を複製した、独自の自我をもった獣人のホムンクルス〈アース・メイド〉が沢山いるらしい。
一度も見た事はないが彼女いわく、性格のクセが強いけどかなりの美少女達だとの事。
実にテンションが上がる情報だけど、真偽の程は定かではないので今は置いておく。
とにかく経緯は分からないが、この視線の主は自分がこの世界に転生して来た時から見ているらしい。
なんでそんな事を知っているのか。実はこの視線の主と毎日欠かさずに手紙のやり取りをしているからだ。
初めて手紙を受け取ったのは、この世界に来て一週間目くらいにノルマ達成報告をアスファエルにした時。
処理を終えた後に自分に贈り物があると言われて、そこで差出人不明の手紙を貰った。
最初は冷やかしか悪戯なのかと思って警戒したけど、アスファエルが送り主は本気で応援してくれていると説明してくれた。
実際に手紙は毎日送られてくるし、いつからか菓子も付属するようになっていた。菓子は最初形の崩れたクッキーだったけどそれも次第に上達していきバリエーションは現在では数種類にまで増えている。これで疑うのは失礼だ。
警戒心を解いた自分は、お礼の手紙を書いて送るようになり関係は今も継続中。
そのやり取りの中で〈感知能力〉を獲得した事と誰かに見られている事を手紙に書いて送ったら、それは自分だと謝罪と同時に教えて貰った。
名前は教えてくれないけど、彼女は自身の生別が女性である事も手紙で教えてくれた。
やはりメイドなのか。とても気になるけど相手が話してくれるまで此方からは聞かないようにしている。
それにアスファエルと武器屋の店主しか語る相手がいない自分にとって、彼女のお手製の甘い菓子と応援する手紙は何よりも心の拠り所、下手に聞いて気分を損ねたくはなかった。
この世界で優しく接してくれる者は、片手で数えるくらいしかいないのだから慎重になるのは当然だ。
そんな自分は菓子を毎日貰っている事に対し、彼女に一つだけ贈り物をする事にした。
プレゼントしたのは、この世界で最初に遭遇したレア個体のスライムからのドロップ品。
希少な〈ジュエルスフィア〉を、アスファエルに相談し職人に加工してもらったネックレス。
手紙で彼女はとても喜んでくれていたけど、果して贈り物にネックレスは正解だったのか。
考えながら山の斜面を歩くけど、女性と文通する仲になった事は無いので答えは全く分からない。
「……ん?」
山道のおよそ三分の一まで来ると、そこで視線以外に今まで感じたことが無い違和感に気が付く。
いつもなら数体くらいはエンカウントするのに、スライム等が一体も出てこない。しかも違和感は、それだけではなかった。
木々のざわめき、風の吹き抜ける音、モンスターの鳴き声、それらすべてが消失していた。
まるで第一エリアのボスモンスター〈ジャイアント・ブルーイン〉が出現したような不気味な雰囲気。
だけどボスモンスターはつい最近、他のギルドのメンバーが討伐している。次のリスポーン期間は最低でも、明日まで掛かるはずだが。
取りあえず状況は全くつかめていないけど、このエリアに長居してはいけない。
生存本能の訴えに素直に従い即時帰還を選択した。その直後の出来事だった。
────────────ッ。
ゾッと体中の血液が逆流するような恐怖を感じ、脳裏に明確な死の文字が浮かび上がる。
身体は石の様に固まって動かない。それを強引に動かして、無様に地面を転がるように回避行動を取った。
すると先程までいた場所を衝撃波が通過し、大きな深く鋭い斬撃が地面に刻まれた。
「………っ!?」
有り得ない光景に驚き、言葉をなくす。
この第一エリアで主に出現するのは主にスライム、コボルド、ゴブリンといったモンスターの中でも最弱の代表達。
サンクチュアリ図書館で得た知識の中には、このような現象を起こせる個体は第一エリアには存在しない。
地面を裂くことができるのは、一部の例外を除けば第三エリア以上に出現する、例えば魔剣を手にした騎士型の怪物くらい。
まさか、そんな事は絶対に有り得ない。
心の中で何度も否定しながらも、攻撃が飛んできた方角に恐る恐る視線を向けた。するとこの半年間、第一エリアで一度も耳にした事がない重たい金属音が聞こえる。
木の影が作り出す闇に潜んでいた全長二メートルの怪物は、一歩ずつ此方に近づいてくると光の下で姿を現した。
ボロボロの白銀の鎧、手にしているのは黒いオーラを放つ魔剣。
そのモンスターの一番の特徴は──〝頭部が無いこと〟。
第三エリア〈アンデッド・ルインキングダム〉の廃国を拠点とするEランクモンスター。
目の前に現れた怪物の名は、首無し騎士〈デュラハン〉だった。
50を越えた辺りから感じていたけど、経験値の獲得量がかなり減ってきた。
Gランクの上限値である100が近いことも関係しているのだろうが、敵を倒しても中々にレベルが上がらない。先月に80を越えてからは更に厳しくなり、一ヶ月頑張って10上げるのが精一杯だった。
果して今月の末までに100まで行けるのか。ランクアップしたらワンチャンで、スキルが発現するかも知れないのに。
一筋の望みに縋りながら狩りをしていたら〈コボルド〉を両断したタイミングで、ノルマ達成を知らせる軽快な鐘の音が聞こえた。
「ふー、ちょうど昼の時間ぴったりだな。取りあえずいつもの店で、軽い昼食と休憩を挟んでからレベリングでもしようかな」
軽く伸びをした後。剣に付着した血をポーチから取り出した専用の聖水布で、綺麗にふき取って鞘に納める。
モンスターの身体は全て、この世界に満ちている『負の魔力』によって生成される。
ちゃんとこうして剣に付着した血などは聖水に浸した布でふき取らないと、武器が汚染されて最終的には砕けてしまう。
攻撃スキルを使用する者達は必要ないが、自分みたいに近接武器に頼らないといけない者達にとって共に戦う相棒は唯一の生命線。
小まめなメンテナンスは大事だと、古い書物にも記されている。
「後は帰り道のモンスターに気を付けながら、この山を下りるだけだな」
つま先を来た道に向けて歩き出す。ここは第一エリア、帰路に関して危険度は全くないので一人でも気が楽である。
遠く離れた第三エリア以上とかになると、帰還する道中で大量のモンスター達の襲撃を受けるらしい。
年間での被害件数は数百件程。
主にエリアに対する適性ランクがギリギリのパーティー等が被害にあって、天使達がいる大聖堂の医療施設に運びこまれている。
帰還する時間はもっとも油断が生じるから、そういったトラブルが頻繁に起こるらしいが。
「……はぁ、第三エリア以上ねぇ。俺がソロでそこまで行けるランクとレベルになるには何年くらい掛かるんだろうな」
Eランクになれた頃には、残りの期限が終了間近になっているかも知れない。
周囲を警戒しながら自嘲気味に笑い、このままでは現実になると青く広大な空を見上げた。
ああ、負の魔力で満ちてる割りには綺麗な景色だよな……。
この美しい空と比べたら、今朝の下級狩人達の方がよっぽど汚れている。
山道を歩きながらそんな事を考えていたら、サンクチュアリ国の全体を見渡せる場所に出た。
全長百メートルの大きな〈サンクチュアリ城〉を中心に、大きく発展している中央街。
十字の大通りに区切られている形で存在する四方の街は、それぞれ四大ギルドが管理するテリトリー。
形状としては、四枚葉の花に例えたら分かりやすいだろうか。
中央は最古のギルドが運営するエリアで、数万年もの長い時を生きる伝説が城に住んでいる。
百年経ったからと言って、必ずしも報酬で次の転生を迎える者ばかりではない。
中には報酬で『転生』ではなく『居住権』を得て、寿命を迎えるまで残り続ける者達もいる。
そういった者達は大体、夫婦となって子供を作るパターンだと本に載っていた。
ただ数万年もの時を生きる伝説は、そんな一般の狩人達とは根本的に違う。
最高ランクSSSに至った彼等は報酬で、この世界の居住権の獲得、それと不老の狩人でも避けられない寿命を願いで消したらしい。
なんでそんな願いを選んだのかは分からない。だけど彼らが作った絶対的なルールによって〈サンクチュアリ国〉は、狩人が好き勝手する無法地帯にならずに済んでいる。少なくともアスファエルからは、そう聞いていた。
「数万年も生きるなんて想像できないな、一生離れたくない恋人ができるなら話は別かも知れないけど……ん?」
周囲を警戒しながら歩いていたら、ふと誰かに見られている事に気がついた。
「お、今日も見守ってくれているな」
視線を感じるのは遠く離れた場所、中央区に存在する象徴である城から。
いつものように親しみを込めて大きく手を振って応える。すると複数ある窓の一つから、二回ほど返事らしき光がチカッチカと見えた。それに自分は満足して笑みを浮かべる。
実のところ自分は何も能力が無いわけじゃない。
レベルが20を超えた辺りで、アビリティ〈感知能力〉を獲得している。
アビリティはスキルと違って、超低確率で獲得する事ができるらしい。
だけど確認されているアビリティの中に、直接戦闘に使えるものは一つもない。
あくまで補助的な役割のものが多く、〈感知能力〉は主に索敵にしか使えない能力だった。
それでもスキルの無い欠陥を抱えている自分にとって、このアビリティは何も無いよりマシ。
視線に関しても最初は何処から見られているのか全く分からなかったが、この数か月訓練をする事によって城の方角から見られている事が分かる程度には使いこなしている。
「ほんと、一体誰なんだろう。アスファエルは、勤めているメイドじゃないかって言ってたけど」
城には〈大地の王〉を複製した、独自の自我をもった獣人のホムンクルス〈アース・メイド〉が沢山いるらしい。
一度も見た事はないが彼女いわく、性格のクセが強いけどかなりの美少女達だとの事。
実にテンションが上がる情報だけど、真偽の程は定かではないので今は置いておく。
とにかく経緯は分からないが、この視線の主は自分がこの世界に転生して来た時から見ているらしい。
なんでそんな事を知っているのか。実はこの視線の主と毎日欠かさずに手紙のやり取りをしているからだ。
初めて手紙を受け取ったのは、この世界に来て一週間目くらいにノルマ達成報告をアスファエルにした時。
処理を終えた後に自分に贈り物があると言われて、そこで差出人不明の手紙を貰った。
最初は冷やかしか悪戯なのかと思って警戒したけど、アスファエルが送り主は本気で応援してくれていると説明してくれた。
実際に手紙は毎日送られてくるし、いつからか菓子も付属するようになっていた。菓子は最初形の崩れたクッキーだったけどそれも次第に上達していきバリエーションは現在では数種類にまで増えている。これで疑うのは失礼だ。
警戒心を解いた自分は、お礼の手紙を書いて送るようになり関係は今も継続中。
そのやり取りの中で〈感知能力〉を獲得した事と誰かに見られている事を手紙に書いて送ったら、それは自分だと謝罪と同時に教えて貰った。
名前は教えてくれないけど、彼女は自身の生別が女性である事も手紙で教えてくれた。
やはりメイドなのか。とても気になるけど相手が話してくれるまで此方からは聞かないようにしている。
それにアスファエルと武器屋の店主しか語る相手がいない自分にとって、彼女のお手製の甘い菓子と応援する手紙は何よりも心の拠り所、下手に聞いて気分を損ねたくはなかった。
この世界で優しく接してくれる者は、片手で数えるくらいしかいないのだから慎重になるのは当然だ。
そんな自分は菓子を毎日貰っている事に対し、彼女に一つだけ贈り物をする事にした。
プレゼントしたのは、この世界で最初に遭遇したレア個体のスライムからのドロップ品。
希少な〈ジュエルスフィア〉を、アスファエルに相談し職人に加工してもらったネックレス。
手紙で彼女はとても喜んでくれていたけど、果して贈り物にネックレスは正解だったのか。
考えながら山の斜面を歩くけど、女性と文通する仲になった事は無いので答えは全く分からない。
「……ん?」
山道のおよそ三分の一まで来ると、そこで視線以外に今まで感じたことが無い違和感に気が付く。
いつもなら数体くらいはエンカウントするのに、スライム等が一体も出てこない。しかも違和感は、それだけではなかった。
木々のざわめき、風の吹き抜ける音、モンスターの鳴き声、それらすべてが消失していた。
まるで第一エリアのボスモンスター〈ジャイアント・ブルーイン〉が出現したような不気味な雰囲気。
だけどボスモンスターはつい最近、他のギルドのメンバーが討伐している。次のリスポーン期間は最低でも、明日まで掛かるはずだが。
取りあえず状況は全くつかめていないけど、このエリアに長居してはいけない。
生存本能の訴えに素直に従い即時帰還を選択した。その直後の出来事だった。
────────────ッ。
ゾッと体中の血液が逆流するような恐怖を感じ、脳裏に明確な死の文字が浮かび上がる。
身体は石の様に固まって動かない。それを強引に動かして、無様に地面を転がるように回避行動を取った。
すると先程までいた場所を衝撃波が通過し、大きな深く鋭い斬撃が地面に刻まれた。
「………っ!?」
有り得ない光景に驚き、言葉をなくす。
この第一エリアで主に出現するのは主にスライム、コボルド、ゴブリンといったモンスターの中でも最弱の代表達。
サンクチュアリ図書館で得た知識の中には、このような現象を起こせる個体は第一エリアには存在しない。
地面を裂くことができるのは、一部の例外を除けば第三エリア以上に出現する、例えば魔剣を手にした騎士型の怪物くらい。
まさか、そんな事は絶対に有り得ない。
心の中で何度も否定しながらも、攻撃が飛んできた方角に恐る恐る視線を向けた。するとこの半年間、第一エリアで一度も耳にした事がない重たい金属音が聞こえる。
木の影が作り出す闇に潜んでいた全長二メートルの怪物は、一歩ずつ此方に近づいてくると光の下で姿を現した。
ボロボロの白銀の鎧、手にしているのは黒いオーラを放つ魔剣。
そのモンスターの一番の特徴は──〝頭部が無いこと〟。
第三エリア〈アンデッド・ルインキングダム〉の廃国を拠点とするEランクモンスター。
目の前に現れた怪物の名は、首無し騎士〈デュラハン〉だった。
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