クズだが強いし好き勝手やれる俺の話

じぇみにの片割れ

文字の大きさ
52 / 57
アルベルト・バーンシュタインその7:地獄の1日

高次元生命体の謎と言うこときかねえ連中

しおりを挟む
 で、だ。
 7号ことユラの説得は終わった。あとは作戦を実行に移すだけだが、肝心の作戦がねえ。

「こういうときはとりあえず様子見だな」
「うむ。わっちの出番じゃな」
「4号飛べるか?」
「修復中なのだ。まだ実体化できない……む?」

 4号が何かに気づいたように話すのをやめる。

「なんだよ」
「そういえば吾輩のいる世界とマスターのいる世界は違う世界だったな」
「おう」
「そこを……なんかこう、上手くすれば破損していない箇所を出せるかもしれんぞ」
「んん?」

 何か妙なことを言い出してやがる。破損してない箇所つったって球体のど真ん中ぶち抜かれたんじゃ殆ど機能不全起こしてるんじゃねえのか? こいつの能力が球体のどこに内蔵されててどうなってんのか知らねえが。
 それともドーナツ型になって出てくるとか、か? よく分かんねえな。

「まぁやれるってんならちょっと試してみろよ。やるだけならタダだしな」
「うむ。では出てみよう」

 俺の目の前に青白く光る魔法陣が現れてそこから銀色の物体がせり出してきた。
 出てきたのは球体じゃなくドーナツみたいな形でもなく──三角錐だった。

「いやそうはならねえだろ」

 思わず俺は突っ込んだ。

「なっとるのだから仕方ないのだ」
「……まあ、乗れるならいいか」

 よく分かんねえが破損してる様子はないので俺はよしとした。元々、高次元の物体を低次元に出してんだからなんか変なこと起こるんだろ、多分。
 4号の上に魔力による力場が展開。その上に俺とユラが乗り4号が上昇する。

「2号」
「うむ!」

 女の元気な返事が聞こえ空中に小さな魔法陣がいくつも展開。そこから獣の口部分だけみたいな小型の飛行物体が現れる。口の中には眼球。2号の子機だ。視神経が繋がって……かどうかは知らねえが俺の視界と子機の視界が共有される。
 2号は嗅覚が鋭いのでこれであの女の匂いを辿れば居場所は分かるってわけよ。
 ショタの居場所を探る方法も思いついたので4号に言っておく。

「なんかでかい魔力は見つかるか?」
「見つからぬ。恐らく隠蔽しているのではないか?」

 予想どおりの答えが返ってきたので特に落胆はない。高位の魔術師がよくやるが理由は知らねえ。能ある鷹は爪を隠すってやつか。

「わっちがそちらも追おう」
「その手があったか。大体の居場所でいい。見つかるなよ」

 2号の提案に俺は指を鳴らす。鳴らなかった。
 魔力の隠蔽はよく聞くが匂いまで厳重に隠している可能性は低い。もちろんあり得なくはないが匂いで探るのもやっておいて損はないだろう。

「アルベルトさん、皆がいないとほんとに何もできませんね」
「うるせえな。いるからいいんだよ」
「7号、落ちそうになっても私が助けてあげるわよ」
「吾輩が落とさないようにするから安心するのだ」

 1号にユラは「ありがとうございます」と返事。どうにもこいつらはユラに甘い。教育に悪いのでやめてほしい。主にこいつが調子に乗るといった方向で。
 2号の子機と共有した視界で獲物を俺は探し続ける。普通、こんな情報量送られてきたら脳が破裂しそうなもんだが2号の本体を経由して視界共有してるせいか別に頭痛が起こったりはしない。便利なもんだ。
 中々目的の相手が見つからない。お、この娼婦の姉ちゃんはエロいな。後で遊びに行くか。

「なに見てるんですかアルベルトさん。娼婦は病気の危険があるからダメって言ってるじゃないですか」
「ちゃんとした娼婦なら病気なんか……ちょっと待て、なんで俺が見てるものが分かったんだ」
「僕も2号さんと視界共有してるので」
「は!?」

 俺は普通に驚いた。2号のやつ複数人共有までできるのか、知らなかったぜ。でも俺が見てるものがバレるからユラに繋ぐなよな全く。
 しかし俺はこのことを聞いて新しい使い方を1つ閃いた。

「お前、もしかしてユラと俺の視界共有とかできるのか?」
「それはやってみぬと分からぬが、多分できるじゃろうの。わっちの見てるものをマスターに送ればいいだけじゃからな」
「ふーん」

 2号の返事は理屈上、できそうな感じがあった。何かの役に立つかもしれねえから覚えておこう。

「お、見つけたぞ」
「でかした」

 2号が目標を発見。俺も視界を切り替えて確認をする。街から1人で出ていくのが見えた。

「よぉし第1条件はクリアだぁ! あの化け物ショタはどうだ!」
「街で匂いは途絶えておる。少し前には一緒におったようじゃが、多分どっか行ったようじゃな」
「完っ璧じゃねえか、最高の状態が整ってやがる! これはケツ振って俺を誘ってやがるなぁ!」
「それは絶対ないと思いますよ」

 テンション上がってる俺にユラが水を差してきやがるが無視するのに限る。だがそんな俺にユラはまだ続けた。

「それにアルベルトさん、こういう良さそうな状況で失敗するタイプじゃないですか。やめといた方がいいんじゃ……」
「あー、それはわっちも思うの。こういうときマスターは必ず失敗するでな」
「吾輩はこういう場合の成功例を覚えていないのだ」
「俺様も」
「私も」
「私もですぅ」
「そうだっけ……?」

 7号2号4号霧1号花が絶好調である俺に向かって文句を垂れてくる。6号は馬鹿なので記憶にないらしい。
 何故こいつらは全員して俺の行く手を阻むんだ。だってどう考えたってチャンスだろ。そうだよな? な?
 脳内会議では全会一致だったので直ちに作戦を実行することにした。

「うるせええええええええええ!! どう見たってやれるんだからやるんだよ!!」

 俺の大号令に全員がため息をつきやがった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

処理中です...