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第三章 舞踏会と武闘会
間話 海底神が住まう宙域、キアラズ
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地上には戻らず海底に留まったシーザー・ベルディス、ハーヴァル、セフィア、シュウは
スキアラに連れられて異様な場所に来ていた。
「なんつーかよ、変な場所だなここは」
「俺はもう驚かないよ。なんせさっきまでいたのも海底だろ? 考えの及ぶ所じゃないだろう」
「おめぇら、当然ここに酒はあんだろうな、あぁ?」
「さっき持ってきたのでよければあるぞ」
「はわわわ、何で僕ここにいるの!?」
そう、紛れていた奴が一人いた。イビンである。
「お前さんルインたちと一緒に戻ったんじゃないのか?」
「それがリンドヴルムに食べられると思って隠れてたら、置いてかれたんだよぅ……」
「ああ。お前さん食べられてたな、そういえば。それで俺たちについてたら連れてこられたってわけか」
「どどど、どうしよう。僕じゃ場違いすぎるよ、ここ。怖いよぅ……」
「おいイビン! てめぇ何びびってんだ、なっさけねえな。それでも兵士かコラァ!」
「ひー-っ、やっぱりセフィアさんの方が百倍怖いよぅ!」
びびるイビンを後目に、ハーヴァルとベルディスはその場所をくまなく見ている。
無数の巨大な泡が上空に漂っているのに、地上とさして変わらぬ芝生や道がある場所。
その泡の中をよく見ると、家のようなものが見える。しかもそれは一つ一つ形が異なっている。
「いってぇなんだ、こりゃよ。泡の中に家みてぇのがみえるが」
「家なんじゃないか? 神兵とやらが多く住んでるんだろ? ここは」
「俺たちを呼んだ肝心の絶対神とやらはどこにいやがんだ」
「汝ら、待たせたな。キアラズはどうだ。地上よりいい場所だろう」
「どこがだ。神ってやつの尺度はよくわからねえな」
「そもそもどうやってここまで来たのかわからないぞ。ルインたちと少し離れた場所にいただけ
だよな、俺たち」
「ふむ。一名呼んでいないものまで巻き込んだか」
「ああ気にすんな。どうせこいつも鍛えねえといけねぇしな。せっかく鍛えてやったのに
逃げ惑うだけだったし」
「ぼぼぼ、僕がメルザちゃんに叶うわけないよ!」
「まぁあの嬢ちゃんと戦うのは俺も少し避けたいな。あんな無尽蔵に術を使いまくる
能力、正直反則だろう」
「アルカイオス幻魔か。確かにあれは絶対神である我ら四神と肩を並べる事が出来る存在だ」
「なんだそりゃ? あの嬢ちゃんが絶対神並みだってぇのか?」
「力という意味ではない。汝、争いこそが全てと思っているなら改めよ。
力とは何か。役割とは何か。絶対神にはそれぞれの役割がある。それと同じくして、かつては
アルカイオス幻魔にも役割があった。我らは宙域の膨張を止めるため、彼らと対立した。
だがそれは望むべき対立などではない。理解が得られぬ対立であった。
大いなる力を抑制してしまう結果となった。だからこそ、アルカイオス幻魔の生き残りには
配慮せねばならぬ」
「まぁいい。あの嬢ちゃんにはルインがついてる。あいつが傍にいる限りあの嬢ちゃんは安全だろうよ」
「ところでスキアラ様よ。こんな道端みたいなところで特訓するのかい?
さすがにセフィアにどやされるぜ」
すでにイライラを募らせているセフィアは、イビンに肩をもませていた。
イビンは必死に押している表情だが、押されている本人はケロっとしている。
「てめぇイビン! それでも力いれてんのかコラァ!」
「ひぃー! めい一杯おしてるよぉ! セフィアさんの肩が硬すぎるんだよぉ!」
「くだらねぇギャグ言ってねぇでちゃんと揉みやがれ!」
「ギャグなんて言ってないよぉ。僕にもベルドみたいな力があればなぁ」
「汝、力を欲するか。ならば……」
「え、僕まだ何も言ってないよ?」
光を浴びたイビンはみるみる縮んでいき……そして――――。
「カッメ」
「汝その形態で行動せよ。さすれば大いなる力が身に宿る」
「カッメ」
「……なぁ。あれイビンだよな。大いなる力、身に着くと思うか?」
「さぁなぁ。おれぁウェアウルフにしかなったことねぇから」
「おいじじいてめぇ! てめぇがイビンをこんなのに変えたから肩揉む奴がいねぇだろうが! おめぇが
揉め!」
「汝、なんという口の悪さか。これで口の悪さを治すがよい」
光を浴びたセフィアはみるみる縮んでいき……そして――――。
「ウッサ」
「汝そのまましばらく過ごすがよい。きっと災いの口は治るであろう」
「ウッサ」
「……なぁ。あれセフィアだよな。あいつの口の悪さ、治ると思うか?」
「……無理じゃねえかな。特殊能力だろありゃ」
「さて汝ら。特訓の場所へ案内しよう」
スキアラは、ハーヴァルとベルディス。そして亀とうさぎを連れフッとその場から消えた。
スキアラに連れられて異様な場所に来ていた。
「なんつーかよ、変な場所だなここは」
「俺はもう驚かないよ。なんせさっきまでいたのも海底だろ? 考えの及ぶ所じゃないだろう」
「おめぇら、当然ここに酒はあんだろうな、あぁ?」
「さっき持ってきたのでよければあるぞ」
「はわわわ、何で僕ここにいるの!?」
そう、紛れていた奴が一人いた。イビンである。
「お前さんルインたちと一緒に戻ったんじゃないのか?」
「それがリンドヴルムに食べられると思って隠れてたら、置いてかれたんだよぅ……」
「ああ。お前さん食べられてたな、そういえば。それで俺たちについてたら連れてこられたってわけか」
「どどど、どうしよう。僕じゃ場違いすぎるよ、ここ。怖いよぅ……」
「おいイビン! てめぇ何びびってんだ、なっさけねえな。それでも兵士かコラァ!」
「ひー-っ、やっぱりセフィアさんの方が百倍怖いよぅ!」
びびるイビンを後目に、ハーヴァルとベルディスはその場所をくまなく見ている。
無数の巨大な泡が上空に漂っているのに、地上とさして変わらぬ芝生や道がある場所。
その泡の中をよく見ると、家のようなものが見える。しかもそれは一つ一つ形が異なっている。
「いってぇなんだ、こりゃよ。泡の中に家みてぇのがみえるが」
「家なんじゃないか? 神兵とやらが多く住んでるんだろ? ここは」
「俺たちを呼んだ肝心の絶対神とやらはどこにいやがんだ」
「汝ら、待たせたな。キアラズはどうだ。地上よりいい場所だろう」
「どこがだ。神ってやつの尺度はよくわからねえな」
「そもそもどうやってここまで来たのかわからないぞ。ルインたちと少し離れた場所にいただけ
だよな、俺たち」
「ふむ。一名呼んでいないものまで巻き込んだか」
「ああ気にすんな。どうせこいつも鍛えねえといけねぇしな。せっかく鍛えてやったのに
逃げ惑うだけだったし」
「ぼぼぼ、僕がメルザちゃんに叶うわけないよ!」
「まぁあの嬢ちゃんと戦うのは俺も少し避けたいな。あんな無尽蔵に術を使いまくる
能力、正直反則だろう」
「アルカイオス幻魔か。確かにあれは絶対神である我ら四神と肩を並べる事が出来る存在だ」
「なんだそりゃ? あの嬢ちゃんが絶対神並みだってぇのか?」
「力という意味ではない。汝、争いこそが全てと思っているなら改めよ。
力とは何か。役割とは何か。絶対神にはそれぞれの役割がある。それと同じくして、かつては
アルカイオス幻魔にも役割があった。我らは宙域の膨張を止めるため、彼らと対立した。
だがそれは望むべき対立などではない。理解が得られぬ対立であった。
大いなる力を抑制してしまう結果となった。だからこそ、アルカイオス幻魔の生き残りには
配慮せねばならぬ」
「まぁいい。あの嬢ちゃんにはルインがついてる。あいつが傍にいる限りあの嬢ちゃんは安全だろうよ」
「ところでスキアラ様よ。こんな道端みたいなところで特訓するのかい?
さすがにセフィアにどやされるぜ」
すでにイライラを募らせているセフィアは、イビンに肩をもませていた。
イビンは必死に押している表情だが、押されている本人はケロっとしている。
「てめぇイビン! それでも力いれてんのかコラァ!」
「ひぃー! めい一杯おしてるよぉ! セフィアさんの肩が硬すぎるんだよぉ!」
「くだらねぇギャグ言ってねぇでちゃんと揉みやがれ!」
「ギャグなんて言ってないよぉ。僕にもベルドみたいな力があればなぁ」
「汝、力を欲するか。ならば……」
「え、僕まだ何も言ってないよ?」
光を浴びたイビンはみるみる縮んでいき……そして――――。
「カッメ」
「汝その形態で行動せよ。さすれば大いなる力が身に宿る」
「カッメ」
「……なぁ。あれイビンだよな。大いなる力、身に着くと思うか?」
「さぁなぁ。おれぁウェアウルフにしかなったことねぇから」
「おいじじいてめぇ! てめぇがイビンをこんなのに変えたから肩揉む奴がいねぇだろうが! おめぇが
揉め!」
「汝、なんという口の悪さか。これで口の悪さを治すがよい」
光を浴びたセフィアはみるみる縮んでいき……そして――――。
「ウッサ」
「汝そのまましばらく過ごすがよい。きっと災いの口は治るであろう」
「ウッサ」
「……なぁ。あれセフィアだよな。あいつの口の悪さ、治ると思うか?」
「……無理じゃねえかな。特殊能力だろありゃ」
「さて汝ら。特訓の場所へ案内しよう」
スキアラは、ハーヴァルとベルディス。そして亀とうさぎを連れフッとその場から消えた。
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