孤独な聖獣は愛しき王女の為に舞い戻る!!

京極冨蘭

文字の大きさ
7 / 33
序章 

7 残酷な別れ

しおりを挟む
「ピー!ピー!
 (ナディア!やっと見つけた!」

その姿は美しかった桃色の髪は乱雑に肩まで切られ、あの輝いていた葵色の瞳は生気を失い、ふっくらしていた頬もこけ、あの美しき面影がなかった。

「私のピピ、探してくれてたのね…

 でも、駄目よ…ここは危険よ…

 逃げて…」

ナディアの瞳から一筋の涙が落ちる。

「ピー!ピー!(ナディア!助ける!)」

俺は彼女を助けたいと叫ぶと右足にあった枷がパリンと割れる。

抑えられていた力が溢れる

「ピーーーッ!!」

バサッ
バサッ

 俺は翼を羽ばたかせ風をビュンと衝撃を与え、窓から亀裂を興しナディアが閉じ込められていた石造り壁を壊す。

 壁がなくなりナディアの全身が見えた。薄い布切れのような服を見に纏い、痩せ細った身体、足には鉄球の足枷を付けていた。

 壁を壊した音を聞きつけた沢山の女達も窓から顔を出し、一斉に「私も助けて」と声を荒げた。

——何故、こんなに沢山の娘達が??

俺が驚きの余り女達に気を取られている間に

「ピピ、ありがとう……やっと死ねる」

ナディアは俺に微笑むと真下へと飛び降りた。


——ナディアーーッ!

翼を羽ばたかせたが風の力も間に合わず、つけられた足枷の鉄玉の重みの為にいとも簡単にナディアは地面へと叩きつけられた。

一面に血の海が広がる…

「ピー……」

——ナディア…嘘だろ…

俺はナディアの傍に降り立つ。

——俺はおまえを探してたのに…
  傍にいれば守れたのに…


血の海に俺の涙がぽとぽとと落ちる。


 俺はようやく愛する人を失って
 愛と言うものを知ることが出来た

 愛しい人、ナディア…

 ようやくおまえに会えたのに
 おまえが去った瞬間に
 俺の世界が終わりを告げる

 ナディア…

 もしやり直せるなら
 もう間違わない

 必ず君を救って見せる

 だから、頼むッ!!



「ナ、ナディア…」

発することが出来なかった声が出る。俺は天空界を見上げると空に向かって叫んだ。

「か、神様ッ!!ナディアを、ナディア助けてくれーーッ!!」



その瞬間、俺の身体から力が溢れ、血の海に時間が巻き戻る陣が浮かび上がる。辺り一面、ピカッと光り輝き、ガルダナとナディアを包み込んでいった。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

踏み台(王女)にも事情はある

mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。 聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。 王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?

ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」 バシッ!! わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。 目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの? 最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故? ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない…… 前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた…… 前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。 転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

処理中です...