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第2章 旅立ち

5 孤児院への来訪-4-

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「ガルダナ様??」

「ナディア、よく聞け、コイツらは敵だ!おまえを苦しめた民族と同じ身なりだ!!」

俺はナディアの肩を握り、必死にこの危機を必死に伝える。


俺の過去の記憶が鮮明に蘇り、呼吸は早くなって行く。

ハァ、ハァ、ハァ、ハァ

ナディアはあの民族に酷いことをされ続けた…飛び降りた後、血の海に横たわる彼女を見た時、ふっくらと膨れていたことを思い出す。

「クソーッ!!」


「キャーッ」
「怖いよー」
「「わぁーん」」
大声で怒鳴られた子供達は歌を歌うことを止め、子達は叫び、泣き始め、慌てて、用意された舞台が逃げるように去っ行く。

「姫様、何か失礼なことでもございましたでしょうか?」
突然起こった騒動に孤児院長兼代表のローランは心配の余りナディア達の元へ駆けつけた。


「「ガルダナ、落ち着けッ」」
呼吸が荒い俺をリラジとカルロスはただならぬ異変を感じ、俺の身体を抑えつけようとする。

「離せっ!!アイツらは敵だッ!!」

「落ち着けッ!!ガルダナッ!!」

「リラジ、俺は覚えてるんだ、アイツらは銀髪で翠色の瞳だった、あのガキ共と一緒だ!!今見逃したら大変なことになるッ」
俺が孤児院長兼代表のローランを睨みつけると傍にいたナディアが叱咤する。

「ガルダナ!落ち着きなさい!私を見て!!」
ナディアは俺の前に立つと手を伸ばして俺の頬を押さえた。

「私は大丈夫、大丈夫だから!!あの子達は罪なき子供よ、目を覚まして!!」
そして、頬から手を離すと、俺の腰に回して、
「お願い、お願いよ、落ち着いて、子供達が怖がっているわ」
と俺に必死に懇願した。

抱きつかれたことでナディアの身体はプルプルと震えていること知る。俺はナディアを驚かせてしまったことを悟る。

「ナ、ナ、ナディア、ごめん……」   

周りを見渡すと来賓やカルロスを始め騎士達が俺を睨みつけていた。場の雰囲気を壊し、ナディアに迷惑をかけてしまったとわかった俺はその場に居た堪れなくなり、孤児院の近くに林に逃げるように走った。気づくと服を脱ぎ捨て、鳥の姿へ変身し、空へ羽ばたいていたのだった。
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