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第7章 姉妹の和解 リッチモンド・ハイベルク領編
第1話 2通の手紙
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リーラへ
元気にしてるかい?
ようやく冬が終わりを告げたようで雪の被害も減ってきたよ。
帝都の方がそんなに雪は降ってなかったかな。
リーラは忙しく過ごしているのかな?
リーラが第6番隊の副隊長になると聞いて驚いたよ。
私をどんどん追い越していくんだね。
夏、帝都に行くから是非互いの近況を話そう。
どこか美味しいレストランでも調べておくね。
ルマンド
「だそうですわ…リーラ副隊長…」
黒髪を一つに纏め細い目をした少女が呆れた眼差しで手紙の朗読を終える。彼女は第6番隊執務執務室補佐の官史であるナタリア・ハイベルク。
晴れて官史試験に最年少合格を果たし、第6番隊執務室付きの官史となったのだ。
「ナタリア嬢、この書類を片付けないといけないからもう1通読んでよ」
「えっ?アンデルク王印のあるものをですか?はぁーー。読みますわよ!」
リーラへ
元気か?
俺は辺境地にきてもうすぐ半年過ぎようとしている。
始めは辺境地の奴等とうまくいってないとか愚痴も書いたけど今はすごく仲良くなったぞ。
修羅場を結構潜ったんだ!
また、夏アンデルクに来た時に自慢してやるから楽しみにしておけ!
追伸おまえ、手紙の返事もっと書けよ!
ライアン
「だそうですわ…」
「どちらもラブレターピヨ!」
「そんな訳ないじゃん。お互いの近況報告でしょう。それに忙しいのに返事なんてかける訳ないじゃん」
と書類に目を通しながら話すリーラ。
「リーラ、ラブレターをみんなの前で読むのはどうかと思うピヨ」
第6番隊執務室には聞きたくもないのにラブレターの内容を聞かされた3人がいた。
同じく書類に目を通しながら苛つくダリル。
「フォールド代理領主と2人で食事なんて駄目だからな!あと、ライアンってライアン王子か?!次から次へと悪い虫がついていく!」
「ダリル隊長、ライアン王子を虫扱いは不敬ですよ。でも、リーラ副隊長モテモテですね」
とクスッと笑いながら書類を分別するナタリア。
「2人でなんて行かないよ、友達と行くよね、ルディ」
「えっ、また勝手に話振る~。巻き込まれたくないのにー!」
書類の仕分け作業を手伝っていたルディが嫌そうな顔をする。
「隊長命令だ、食事の時はルディも同席しろ!」
「隊長命令って!ダリル隊長傲慢だなぁ…」
「ルディさん、頑張って!話聞かせてくださいよ!」
ルディにガッツポーズを送るナタリアに
「人ごとだと思ってかって…」
とため息をつくルディであった。
「さぁ、だいたい書類に印押せたかなぁ。ふう、疲れたぁー」
とリーラは肩をポンポンと叩く。
「リーラ、書類は終わったか?」
「はい、終わりました」
「よし、では、今から4番隊との打ち合わせに行くぞ」
「はい、はーい」
「いってらっしゃいませ」
「あぁ、行ってくる」
「いってきまぁーす!あっ、ナタリア
嬢!手紙の返事書いてくれない?」
「嫌ですわ!」
「チェッ!けち~」
「僕が書いてあげるピヨ!」
「ぺぺ様だめだよ、リーラを甘やかしちゃ」
ルディがぺぺを諭す。
「だって、おもしろそうピヨ!めちゃくちゃ書いて面白くしようと思ったのにピヨ」
「ちゃんと、戻ってから書きなよ!」
「ぶーっ。けち~」
二人は第4番隊執務室へ移動する。
「失礼する。ジョンいるか?」
「あぁ、ダリル。そのソファー座ってくれ。ネイル、資料を出してくれ」
「はい。こちらです」
「今回の護衛はリッチモンド侯爵夫人とビル隊長の奥方のローズ夫人とそのお子だ。リッチモンド領で開かれる初夏の夏祭りの手伝いの為に戻られるそうだ。今回、第6番隊は初めての任務となるがどのような隊員で来るのだ?」
「我らと他8名で行こうと思う。これが一覧だ」
一覧リストをジョンに渡す。
「ありゃ~、ルディもいるのかい?緊張するなぁ」
「ジョン隊長でも緊張するんですか?」
「リーラちゃん、そりゃあ、緊張するさ。息子にいい所見せないといけないだろう」
「多分、ルディも同じように思ってますよ」
リーラはクスッとと笑う。
「隊は4番隊の後ろが6番隊でいいだろうか?」
「あぁ、問題ない。初めての遠征だから迷惑かけるかもしれないがよろしく頼む。1番心配なのが、我らの白馬だ。黒馬についていけるかなんだ」
「確かに。脚の太さも違うからなぁ。まぁ、急いで行く必要ないから安全にのんびり行こう」
「助かるよ」
「我らは滞在中も護衛だか、6番隊はどうするんだ?」
「リッチモンド領の騎士隊の救護隊に指導をする予定になっている」
「あちらでもゆっくり出来ないな」
「夜は飲むことが出来るぞ」
「おっ、久々にいいねぇ」
「隊長達話が脱線してますよ」
「ネイル、すまない。これところ、雑務に追われていて楽しみがないとなぁ」
「あちらの領でもほどほどにしてくださいよ」
「あははは、分かってるさ」
「では、出発は一週間後だ。よろしく頼むぞ」
「では、失礼する」
リーラも頭を下げて退出する。
「リーラ、大丈夫か?」
「大丈夫だよ。騎士として任務を遂行するのみだよ」
「そうか」
ダリルは強がるリーラを心配そうにみる。姉妹はお茶会後顔を合わしていない、久しぶりの再会となるのだ。
元気にしてるかい?
ようやく冬が終わりを告げたようで雪の被害も減ってきたよ。
帝都の方がそんなに雪は降ってなかったかな。
リーラは忙しく過ごしているのかな?
リーラが第6番隊の副隊長になると聞いて驚いたよ。
私をどんどん追い越していくんだね。
夏、帝都に行くから是非互いの近況を話そう。
どこか美味しいレストランでも調べておくね。
ルマンド
「だそうですわ…リーラ副隊長…」
黒髪を一つに纏め細い目をした少女が呆れた眼差しで手紙の朗読を終える。彼女は第6番隊執務執務室補佐の官史であるナタリア・ハイベルク。
晴れて官史試験に最年少合格を果たし、第6番隊執務室付きの官史となったのだ。
「ナタリア嬢、この書類を片付けないといけないからもう1通読んでよ」
「えっ?アンデルク王印のあるものをですか?はぁーー。読みますわよ!」
リーラへ
元気か?
俺は辺境地にきてもうすぐ半年過ぎようとしている。
始めは辺境地の奴等とうまくいってないとか愚痴も書いたけど今はすごく仲良くなったぞ。
修羅場を結構潜ったんだ!
また、夏アンデルクに来た時に自慢してやるから楽しみにしておけ!
追伸おまえ、手紙の返事もっと書けよ!
ライアン
「だそうですわ…」
「どちらもラブレターピヨ!」
「そんな訳ないじゃん。お互いの近況報告でしょう。それに忙しいのに返事なんてかける訳ないじゃん」
と書類に目を通しながら話すリーラ。
「リーラ、ラブレターをみんなの前で読むのはどうかと思うピヨ」
第6番隊執務室には聞きたくもないのにラブレターの内容を聞かされた3人がいた。
同じく書類に目を通しながら苛つくダリル。
「フォールド代理領主と2人で食事なんて駄目だからな!あと、ライアンってライアン王子か?!次から次へと悪い虫がついていく!」
「ダリル隊長、ライアン王子を虫扱いは不敬ですよ。でも、リーラ副隊長モテモテですね」
とクスッと笑いながら書類を分別するナタリア。
「2人でなんて行かないよ、友達と行くよね、ルディ」
「えっ、また勝手に話振る~。巻き込まれたくないのにー!」
書類の仕分け作業を手伝っていたルディが嫌そうな顔をする。
「隊長命令だ、食事の時はルディも同席しろ!」
「隊長命令って!ダリル隊長傲慢だなぁ…」
「ルディさん、頑張って!話聞かせてくださいよ!」
ルディにガッツポーズを送るナタリアに
「人ごとだと思ってかって…」
とため息をつくルディであった。
「さぁ、だいたい書類に印押せたかなぁ。ふう、疲れたぁー」
とリーラは肩をポンポンと叩く。
「リーラ、書類は終わったか?」
「はい、終わりました」
「よし、では、今から4番隊との打ち合わせに行くぞ」
「はい、はーい」
「いってらっしゃいませ」
「あぁ、行ってくる」
「いってきまぁーす!あっ、ナタリア
嬢!手紙の返事書いてくれない?」
「嫌ですわ!」
「チェッ!けち~」
「僕が書いてあげるピヨ!」
「ぺぺ様だめだよ、リーラを甘やかしちゃ」
ルディがぺぺを諭す。
「だって、おもしろそうピヨ!めちゃくちゃ書いて面白くしようと思ったのにピヨ」
「ちゃんと、戻ってから書きなよ!」
「ぶーっ。けち~」
二人は第4番隊執務室へ移動する。
「失礼する。ジョンいるか?」
「あぁ、ダリル。そのソファー座ってくれ。ネイル、資料を出してくれ」
「はい。こちらです」
「今回の護衛はリッチモンド侯爵夫人とビル隊長の奥方のローズ夫人とそのお子だ。リッチモンド領で開かれる初夏の夏祭りの手伝いの為に戻られるそうだ。今回、第6番隊は初めての任務となるがどのような隊員で来るのだ?」
「我らと他8名で行こうと思う。これが一覧だ」
一覧リストをジョンに渡す。
「ありゃ~、ルディもいるのかい?緊張するなぁ」
「ジョン隊長でも緊張するんですか?」
「リーラちゃん、そりゃあ、緊張するさ。息子にいい所見せないといけないだろう」
「多分、ルディも同じように思ってますよ」
リーラはクスッとと笑う。
「隊は4番隊の後ろが6番隊でいいだろうか?」
「あぁ、問題ない。初めての遠征だから迷惑かけるかもしれないがよろしく頼む。1番心配なのが、我らの白馬だ。黒馬についていけるかなんだ」
「確かに。脚の太さも違うからなぁ。まぁ、急いで行く必要ないから安全にのんびり行こう」
「助かるよ」
「我らは滞在中も護衛だか、6番隊はどうするんだ?」
「リッチモンド領の騎士隊の救護隊に指導をする予定になっている」
「あちらでもゆっくり出来ないな」
「夜は飲むことが出来るぞ」
「おっ、久々にいいねぇ」
「隊長達話が脱線してますよ」
「ネイル、すまない。これところ、雑務に追われていて楽しみがないとなぁ」
「あちらの領でもほどほどにしてくださいよ」
「あははは、分かってるさ」
「では、出発は一週間後だ。よろしく頼むぞ」
「では、失礼する」
リーラも頭を下げて退出する。
「リーラ、大丈夫か?」
「大丈夫だよ。騎士として任務を遂行するのみだよ」
「そうか」
ダリルは強がるリーラを心配そうにみる。姉妹はお茶会後顔を合わしていない、久しぶりの再会となるのだ。
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