婚約破棄された私ですが、領地も結婚も大成功でした

鍛高譚

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第45話 新たな家族との出会い

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第45話 新たな家族との出会い

 結婚式の準備が着実に進む中、ヴェルナのもとに一つの知らせが届いた。
 ――エリオットの家族が、屋敷を訪れるというのだ。

 その話を聞いた瞬間、ヴェルナは思わず背筋を伸ばした。

(ついに……なのね)

 領主として多くの人と接してきた彼女だったが、「家族になる人たち」との対面となると、話は別だった。

「エリオット……正直に言うと、少し緊張しているわ」

 控えめにそう告げると、エリオットは柔らかな笑みを浮かべる。

「心配はいりません」  穏やかな声で言った。 「私の家族も、あなたに会える日をとても楽しみにしています。きっと、すぐに分かりますよ」

 その言葉に、ヴェルナは小さく息を吐き、心を落ち着けた。


---

 やがて屋敷の玄関ホールに、エリオットの家族が姿を現した。

 先頭に立っていたのは、落ち着いた気品を纏った母親だった。
 柔らかな微笑みを浮かべ、ヴェルナに手を差し伸べる。

「初めまして、ヴェルナ嬢」  穏やかな声だった。 「お会いできる日を、心から楽しみにしておりました」

「こちらこそ」  ヴェルナは丁寧にその手を取り、深く一礼する。 「お越しいただき、ありがとうございます。どうぞごゆっくりお過ごしください」

 続いて、厳格そうな雰囲気の父親、そして少し緊張した様子の妹が挨拶を交わした。

 リビングへ案内されると、自然と会話が始まり、場の空気は次第に和らいでいった。


---

「エリオットからは、あなたの話を何度も聞いております」  父親が落ち着いた声で言う。 「領地のために尽くしている、とても立派な方だと」

「ありがとうございます」  ヴェルナは穏やかに微笑んだ。 「まだ至らぬ点も多いですが……住民の皆さんと共に、できる限りの努力を重ねてきました」

「その姿勢こそが、何よりの証です」  父親は深く頷く。 「あなたなら、エリオットと共に、良き未来を築けるでしょう」

 その言葉に、ヴェルナの胸に温かなものが広がった。


---

 一方、妹は終始ヴェルナに興味津々といった様子だった。

「ヴェルナさん」  少し照れたように話しかける。 「私、ずっと……あなたみたいな方に会ってみたいと思っていたんです」

「まあ」  ヴェルナは思わず笑みを浮かべた。 「そう言ってもらえるなんて、嬉しいわ」

「これから、たくさんお話しできたらいいなって!」  妹は目を輝かせる。

「ええ、ぜひ」  ヴェルナは優しく頷いた。 「私も、新しい家族と話せるのを楽しみにしていたの」

 そのやり取りを見て、母親は嬉しそうに微笑んでいた。


---

 夕食の席では、さらに打ち解けた会話が交わされた。

「ヴェルナ嬢」  母親が穏やかに言う。 「あなたが家族になる日が、今から待ち遠しいです」

「ありがとうございます」  ヴェルナは心からの感謝を込めて答えた。 「皆さんと、これから新しい絆を築いていけることを、とても嬉しく思っています」

 エリオットの家族は、彼女の言葉一つ一つに頷き、その誠実さをしっかりと受け止めていた。


---

 夜も更け、家族が屋敷を後にする際、母親はそっとヴェルナの手を取った。

「ヴェルナ嬢」  優しく、しかし力強く言う。 「エリオットのことを、どうかよろしくお願いします。そして……困った時は、いつでも頼ってくださいね」

 その言葉に、ヴェルナは深い安心を覚えた。

「ありがとうございます」  静かに頭を下げる。 「これからも、よろしくお願いいたします」


---

 家族を見送った後、エリオットと二人きりになった庭園で、ヴェルナはぽつりと呟いた。

「とても……温かい方たちね」  胸に手を当てながら言う。 「あなたの家族になれることを、心から幸せに思うわ」

「私もです」  エリオットは穏やかに微笑んだ。 「あなたがそばにいてくれる未来を、心から誇りに思います」

 ヴェルナはその言葉に静かに微笑み、これから始まる新しい家族との日々を思い描いた。

 結婚式は、もう目前だ。
 そして彼女は確信していた。

――この人たちとなら、きっと温かな未来を築ける、と。

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