追放される前に、迷宮を支配しました ~聖女は王国を見限る~

鍛高譚

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12話:魔導士ルディアの破滅

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12話:魔導士ルディアの破滅


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 夜の王都は、ひどく静かだった。

 剣士ガルド、盗賊ディーク、神官エリーゼ

 勇者パーティーの仲間が一人また一人と姿を消していく。

 そして次に狙われるのは——

 魔導士ルディアだった。


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知識の魔導士

 ルディアは王宮の書庫に身を潜めていた。

 かつて、彼女は"知識こそが最強の武器"と信じていた。

 実際、彼女の魔法の知識は誰よりも深く、戦場では数多くの奇跡を生み出してきた。

 しかし、今夜だけは違った。

 彼女の知識が、"何の役にも立たない"ことを悟ってしまったのだ。

 「……サラが生きている……?」

 そんな馬鹿な話があるだろうか。

 彼女は確かに迷宮に捨てたはずだ。

 それなのに、なぜ——

 「……このままだと、次は私……」

 ルディアは唇を噛みしめた。

 王宮のあちこちに漂う不吉な空気。

 すでに、"それ"は王宮に入り込んでいる。


---

恐怖の足音

 カツ……カツ……カツ……

 石畳を踏みしめる足音が響いた。

 ルディアは息を呑んだ。

 「……嘘……こんなに早く……!?」

 彼女は慌てて魔導書をめくる。

 古い巻物、禁忌の呪文、霊を祓う儀式——

 しかし、どれも確実ではなかった。

 サラの力が、もはや人間の範疇を超えているのなら——

 彼女の魔法が通じる保証などどこにもなかった。

 礼拝堂の入り口が、ゆっくりと開く。

 そこに立っていたのは——

 白いローブを纏った女

 サラ・ラップだった。


---

絶望する知識

 ルディアは杖を握りしめる。

 「……あなた、本当に生きていたのね……」

 サラは微笑んだ。

 「ええ、生きていたわ」

 「どうやって……!? あなたは……死んだはずなのに……!」

 ルディアの声は震えていた。

 「死んだと思っていたのは、あなたたちでしょう?」

 サラの目が冷たく光る。

 「"知識の魔導士"、ルディア」

 「……!」

 サラは優雅に杖を振る。

 次の瞬間——

 ルディアの体が宙に浮かび上がった。

 「な、何……!?」

 彼女は必死にもがくが、見えない力が彼女の体を拘束している。

 「あなたは知識を誇っていたわね?」

 サラの声が静かに響く。

 「それなら、"知る者の恐怖"を教えてあげるわ」


---

闇の書庫

 ルディアの視界が歪む。

 次の瞬間——

 彼女の目の前に、無数の魔導士たちの亡霊が現れた。

 「な……何、これ……!?」

 亡霊たちは、顔を歪めながら彼女を見つめていた。

 「彼らはね、この世の全てを知ろうとした者たちよ」

 サラは静かに告げる。

 「その知識の深さ故に、闇に囚われた者たち……」

 亡霊たちはゆっくりとルディアに手を伸ばした。

 「あなたも、彼らの仲間になるの」

 「嫌……いやああああ!!!」

 ルディアの叫びが響く。

 だが、誰も彼女を助けには来ない。

 サラの復讐の手は、すでに彼女を絡め取っていたのだから。

 「おやすみなさい、ルディア」

 サラが静かに言うと、亡霊たちが一斉に彼女を包み込んだ。

 「ぎゃああああああ!!!」

 ルディアの絶叫が王宮に響き渡る。

 そして——

 彼女の姿は、影の中へと消えた。


---

王宮に広がる恐怖

 翌朝——

 魔導士ルディアの失踪が、王宮中に広まった。

 「おい……ルディアもいなくなったぞ……!」

 「まさか……サラが……!?」

 「そんな……彼女は死んだはず……!」

 だが、その場にいた誰もがわかっていた。

 次の標的がすでに決まっていることを。

 そして——

 ルディアの部屋の壁に、血文字が刻まれていた。

 『次は、お前だ、勇者アル・ミホイル』

 「ひっ……!」

 勇者アルは、恐怖に震えながらその文字を見つめていた。


---

復讐の最終章へ

 サラは静かに目を閉じた。

 「さて……ついに最後の一人ね」

 影の騎士たちが静かに跪く。

 「主よ、次の標的は?」

 「もちろん——勇者アル・ミホイル」

 その名を口にした瞬間——

 空気が張り詰めた。

 「彼には……最高の恐怖を味わってもらわないとね」

 復讐の終焉が近づいていた。
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