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第2章:愛なき結婚の真実
7話
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公爵家へ戻る朝
夜明けとともに手配した馬車に乗り込み、私は最低限の荷物だけを持って王都の中心地から公爵家へと向かった。屋敷を後にする際、ギルバートはとうとう姿を見せなかった。離縁を求める私に対して「認めない」と言い放ち、夜が明けるまで口論になるかと思ったが、最終的には彼が自室へと閉じこもり、私を引き留めるどころか、追いすがろうとする素振りすらなかった。
胸に広がるのは、怒りとも悲しみともつかない虚しさだった。
馬車の車窓から朝の光が差し込む。王都の石畳の道は、まだ早朝のため人通りが少なく、淡々とした音を立てて車輪が進むだけ。私は、気がつけばすっかり冷たくなった両手をぎゅっと握りしめていた。
——あんなにも多くの祝福を受け、王国中に噂されるほどの盛大な結婚式を挙げたというのに、わずか数週間で実家に戻るなんて。
外聞を気にすれば、これほど大きなスキャンダルはないだろう。公爵家の令嬢が新婚早々に出戻るなど、社交界が黙っていないに決まっている。けれど、どうしても許せなかった。私は誠実に愛そうと努力し、妻としての役割を果たそうとしていたのに、ギルバートにはまったく誠意がなかったのだから。
「……父様と母様は、どんな顔をするのかしら」
小さくつぶやいてみる。
恐らく父は怒りを露わにするだろう。ローランド公爵は、情に厚い人柄でありながらも厳しい部分がある。そして母も、私の行動をまずは受け止めてくれるだろうが、同時に大きく胸を痛めるに違いない。私はそのことを思うと、申し訳なさと情けなさで胸が苦しくなった。
しかし、今は両親に打ち明けるしかない。あのギルバートの裏切り行為を、このまま闇に葬るわけにはいかない——私は何度もそう自分に言い聞かせながら、馬車の揺れに身を委ねた。
夜明けとともに手配した馬車に乗り込み、私は最低限の荷物だけを持って王都の中心地から公爵家へと向かった。屋敷を後にする際、ギルバートはとうとう姿を見せなかった。離縁を求める私に対して「認めない」と言い放ち、夜が明けるまで口論になるかと思ったが、最終的には彼が自室へと閉じこもり、私を引き留めるどころか、追いすがろうとする素振りすらなかった。
胸に広がるのは、怒りとも悲しみともつかない虚しさだった。
馬車の車窓から朝の光が差し込む。王都の石畳の道は、まだ早朝のため人通りが少なく、淡々とした音を立てて車輪が進むだけ。私は、気がつけばすっかり冷たくなった両手をぎゅっと握りしめていた。
——あんなにも多くの祝福を受け、王国中に噂されるほどの盛大な結婚式を挙げたというのに、わずか数週間で実家に戻るなんて。
外聞を気にすれば、これほど大きなスキャンダルはないだろう。公爵家の令嬢が新婚早々に出戻るなど、社交界が黙っていないに決まっている。けれど、どうしても許せなかった。私は誠実に愛そうと努力し、妻としての役割を果たそうとしていたのに、ギルバートにはまったく誠意がなかったのだから。
「……父様と母様は、どんな顔をするのかしら」
小さくつぶやいてみる。
恐らく父は怒りを露わにするだろう。ローランド公爵は、情に厚い人柄でありながらも厳しい部分がある。そして母も、私の行動をまずは受け止めてくれるだろうが、同時に大きく胸を痛めるに違いない。私はそのことを思うと、申し訳なさと情けなさで胸が苦しくなった。
しかし、今は両親に打ち明けるしかない。あのギルバートの裏切り行為を、このまま闇に葬るわけにはいかない——私は何度もそう自分に言い聞かせながら、馬車の揺れに身を委ねた。
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