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第4章:新たな人生へ、踏み出す勇気
26話
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社交界への復帰要請
離縁の手続きが終わってから、ひと月ほどが過ぎたある日のこと。
私の元に、王都の社交界を仕切る名門貴族たちから**「舞踏会」**への招待状が届いた。しかも、一通ではない。時期を同じくして、あちらこちらから複数のパーティーや晩餐会への招待が相次いだのだ。
「……なんで今さら?」
私の母、ローランド公爵夫人はこれらの招待状を手に、少し困惑気味に眉をひそめた。
「クレアはしばらく“体調不良”ということにして表舞台を控えていたのにね。それを知りながら、こんなに立て続けに招待が来るなんて、不自然といえば不自然だわ」
離縁した事実は極力伏せられているとはいえ、私が公爵家に戻って“静養”しているという噂はさすがに広まっている。普通なら、こうした状況の令嬢に無理やり舞踏会への参加を求めるような無粋なマネはしないのが貴族社会の常識だ。
それなのに、なぜ今こんなに招待が殺到するのか。
「……母様、どうしたらいいのでしょう? このまま断っても構わないかしら」
私は正直なところ、人前に出るのはまだ気が重かった。社交の場に姿を見せれば、必ず「クレア様、体調はいかがですか?」と詮索まじりの質問を浴びることになるだろう。ひょっとすると、ギルバートとの離婚に感づいている者から揶揄されるかもしれない。
ただ、母は軽く首を振った。
「うーん、一度に全部は無理でも、どこかには顔を出したほうがいいかもしれないわ。あなたがずっと出てこないと、かえって社交界の噂がヒートアップしてしまう可能性があるもの」
確かに、社交界というのは常に誰かの噂話で持ちきりだ。私のことを“公爵家令嬢なのに、なぜ姿を見せないのか”と怪しみ、あれこれ勝手な憶測を立てられるのも面倒だ。
「……わかりました。では、少し日程を見直して、いちばん無難そうな舞踏会だけでも出てみましょうか」
まだ心の整理はついていないけれど、ずっと屋敷に籠もっているわけにもいかない。やはり公爵家の令嬢として、それなりの振る舞いは必要だ。
こうして私は、ひと月後に王都の大貴族が主催する夜会へ出席することを決意する。
「クレア、無理はしなくていいけれど……少しずつ外へ出るリハビリだと思って、行ってみましょう。父様も『そろそろクレアを社交の場に戻したほうがいい』と言っていたのよ」
母は私の手をそっと握り、穏やかに微笑んでくれた。
「ええ。あまり気が進まないけれど……母様がそう言ってくれるなら、頑張ってみます」
私も微笑み返す。その背後には、以前ほど強い不安はなかった。両親がしっかり支えてくれる。それに、社交界でどう思われようが、私はもうギルバートには関係のない人生を歩んでいるのだから。
離縁の手続きが終わってから、ひと月ほどが過ぎたある日のこと。
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「……なんで今さら?」
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「クレアはしばらく“体調不良”ということにして表舞台を控えていたのにね。それを知りながら、こんなに立て続けに招待が来るなんて、不自然といえば不自然だわ」
離縁した事実は極力伏せられているとはいえ、私が公爵家に戻って“静養”しているという噂はさすがに広まっている。普通なら、こうした状況の令嬢に無理やり舞踏会への参加を求めるような無粋なマネはしないのが貴族社会の常識だ。
それなのに、なぜ今こんなに招待が殺到するのか。
「……母様、どうしたらいいのでしょう? このまま断っても構わないかしら」
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ただ、母は軽く首を振った。
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確かに、社交界というのは常に誰かの噂話で持ちきりだ。私のことを“公爵家令嬢なのに、なぜ姿を見せないのか”と怪しみ、あれこれ勝手な憶測を立てられるのも面倒だ。
「……わかりました。では、少し日程を見直して、いちばん無難そうな舞踏会だけでも出てみましょうか」
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母は私の手をそっと握り、穏やかに微笑んでくれた。
「ええ。あまり気が進まないけれど……母様がそう言ってくれるなら、頑張ってみます」
私も微笑み返す。その背後には、以前ほど強い不安はなかった。両親がしっかり支えてくれる。それに、社交界でどう思われようが、私はもうギルバートには関係のない人生を歩んでいるのだから。
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