『無彩の婚礼に、絵筆で抗います ―伯爵令嬢カリナの色彩革命―』

鍛高譚

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第16話 夜明けと昼下がりの、その先へ

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 カリナ・ステラリアが丹精を込めて描きあげた二枚の絵――
 「夜明けの花」と「昼下がりの庭」。

 その行方を決める瞬間が、ついに訪れようとしていた。

 

 週末の午後。

 伯爵ハロルドは、画商や出資者、さらには「芸術家」を名乗る何人かを屋敷に招き、一足先にギャラリーの見取り図や展示候補の作品を披露する会合を開いていた。

 名目は「正式なお披露目に先立つ意見交換」。

 ――しかし、その実態は、どう見ても「今後の投資を呼び込むためのデモンストレーション」である。

 伯爵は終始上機嫌でゲストたちと談笑し、
 「ステラリア家は今、上り調子だ」と言わんばかりに、笑顔と自信を振りまいていた。

 

 大広間には、まだ額に収められていない大小さまざまなキャンバスが並べられている。

 その合間には、ステラリア家に伝わる古い肖像画が控えめに寄り添うように置かれ、壁には展示予定の説明書きや飾り付けの設計図が貼られていた。

 招かれた人々は、それらを一枚一枚品定めするような目で眺めている。

 リース・アルファードもまた、資料を片手に会場を行き来し、伯爵の質問や要望に手際よく応じていた。

 

 そんな熱気と打算が渦巻く空間へ――

 カリナは、そっと足を踏み入れた。

 いつもなら、遠巻きに父と客人たちを見守るだけの立場だった。だが、今日だけは違う。

 今日は、自らの未来を賭けた“勝負の日”なのだ。

 

 両腕に抱えた二枚のキャンバスには、まだ布がかけられている。

 その正体を知らない客人たちが、ちらちらと興味深げな視線を向けてくる。

「なんだろう、あれは?」

「ステラリア家の新作か?」

 ささやき声が耳に届くたびに、カリナの心臓はいやでも高鳴った。

 それでも、表情に出さないよう、彼女は胸の奥でそっと呼吸を整える。

 

「カリナ、お前も来たか。ちょうどいい。皆の前で作品を見せてもらおう」

 大広間に、伯爵のよく通る声が響いた。

 客人たちと談笑していた伯爵は、カリナの姿を見つけると、鋭い視線をこちらへ向ける。

 周囲でも、

「おお、あれが噂の“伯爵令嬢の作品”か」

「まだ若いと聞いたぞ」

 などと、期待と好奇心の混じったささやきが飛び交った。

 一方で、リースは表情を崩さぬまま、視線だけで「大丈夫」と告げるようにカリナを励ましていた。

 

「……失礼いたします。父様のご指示どおり、週末までに仕上げましたので、本日お持ちしました」

 カリナは静かに告げる。

 胸の奥で、自分の“意志”を強くなぞるようにして、布の端をつかんだ。

 視線が集中する中、ゆっくりと布をめくる。

 

 一枚目――「夜明けの花」。

 淡い光の中で、白い花が静かに開きかけている情景。

 重ねられた柔らかな色彩は、見る者の視線をそっと導き、ひんやりとした空気と、目覚める前の朝の気配までも感じさせる。

「ほう……これはまた、珍しいタッチだな」

「ずいぶん優しい色づかいですね。貴族の絵といえば、もっと豪奢なものを想像していましたが……」

 周囲から、さまざまな声が漏れる。

 「もう少し迫力が欲しい」と眉をひそめる者もいれば、
 「なんとも言えない静けさだ」と言って、じっと見つめる者もいる。

 伯爵は客人たちの反応を一瞥し、特に感想を述べることなく、顎で「次を」と促してきた。

 

 カリナは一度深く息を吸い、二枚目――「昼下がりの庭」の布を外す。

 

 そこには、青々とした草木のあいだからこぼれる陽光が、柔らかなコントラストを生み出していた。

 葉の一枚一枚を透かす光は淡い黄金色を帯び、影の部分は深い緑とわずかな青で静かに沈んでいる。

 遠くの花壇には、控えめな色合いの花々が点のように散り、その場に吹く風のやさしい流れまでも、キャンバスから伝わってくるようだった。

 

「……ふむ、こっちのほうがさらに面白いな。光の捉え方が巧みというか」

「この柔らかいタッチ、なかなか貴重だ。完成度も、意外と高いかもしれんぞ」

 今度は、肯定的な声が多く聞こえてきた。

 カリナは、内心でそっと胸を撫で下ろす。

 もちろん、全員が賞賛しているわけではない。

「まあ、“素人にしては”の域を出ないだろう」

「伯爵家の名を冠して飾るには、やや地味すぎるな」

 そんな辛口の声も混じっている。

 それでも――完全な酷評ではない。

 むしろ、顔を近づけて色の重なりや筆づかいを確かめる者すらいて、
 その様子は「本当に興味を惹かれている」人間のものだった。

 

「ふん……どうだ、皆の意見は」

 伯爵が客人たちへ問いかける。

 すると、画商のひとりが一歩前へ出て、丁寧な口調で口を開いた。

 

「伯爵さま。正直に申し上げますと、技術的にはまだ荒削りな部分もございます」

 足りない部分を隠さず認めたうえで、彼は続ける。

「ですが、この柔らかなタッチと自然光の表現には、若い感性ならではの魅力がある。格式高い作品と組み合わせれば、お客様の目を惹く一角になるでしょう。もちろん、“目玉”として大々的に押し出すには力不足かもしれませんが……」

 その声音は、否定よりも期待寄りだった。

 新しい芽が、確かにここにある――そう告げているように聞こえる。

 

 伯爵は腕を組み、画商の言葉に耳を傾ける。

「なるほどな……。アルファード氏、そなたはどう思う。展示のアクセントになるという話だが」

 問われたリースは、穏やかな微笑を浮かべたまま答える。

 

「私も同意見です」

 その声は、不思議とよく通った。

「ステラリア家やヴェイル公爵家ゆかりの荘厳な作品ばかりでは、どうしても重たい印象になりかねません。そこへ、この瑞々しい情景を差し込めば、展示全体にメリハリが生まれます。若い女性ならではの繊細さに、心を惹かれるお客様も多いはずです」

 数人の客が「なるほど」と呟き、うなずいた。

 

 伯爵はしばらく無言のまま、二枚の絵を睨むように見つめる。

 その横顔に、カリナは思わず息を詰めた。

(お願い……拒絶だけは、やめて)

 ここで口を挟めば、逆効果になりかねない。

 自分の声を、無理に飲み込む。

 

 視線を感じて顔を向けると、少し離れた場所で母がこちらを見守っていた。

 目が合った瞬間、母はそっと頷き、励ますように柔らかな笑みを浮かべる。

 その仕草だけで、胸の奥の緊張がほんの少しほぐれた。

 

「……まぁいい」

 沈黙を破ったのは、伯爵の低い声だった。

「せいぜい、“家の恥”にならない程度に飾っておけ。画商どもや客人たちが言うように、多少の“新味”にはなるかもしれん」

 素っ気ない。相変わらず言葉は冷たい。

 ――だが、それでも。

 それは「却下」ではない。

 

 大広間の空気が、わずかに和らぐのが分かった。

 カリナは、その場で崩れ落ちてしまいそうになる足元を、どうにか踏みとどまらせる。

 隣で控えていたリースの目には、安堵の光が静かに灯っていた。

 

 つい数日前まで――

 ここに持ち込むことすら許されず、飾るなど夢物語だった。

 そう考えれば、「渋々であれ、展示を認められた」という事実は、十分すぎるほどの前進だった。

 

「よかったわね、カリナお嬢様。これであなたの絵をギャラリーに……」

 近くにいた侍女が、嬉しそうに耳元でささやく。

 カリナはぎこちない笑みを浮かべ、「ありがとうございます……」と小さく返した。

 本来なら、跳び上がりたいほど嬉しいはずなのに――

 心のどこかが冷えたままなのは、エドリックの存在があるからだ。

 

 結婚を控えた彼は、今日も姿を見せていない。

 公爵家からの使者すら来ていない。

 伯爵がこれほどまでに「名家の力」を示そうとしているというのに、肝心な相手は、まるで他人事のように沈黙を守っている。

(エドリック様が何も見ようとしない限り、どれだけステラリア家が賑わっても……何の意味があるの?)

 胸の奥で、小さな疑問と痛みが渦巻いた。

 

「それにしても、エドリック殿はずいぶん冷淡なものだな」

「結婚前の娘婿なら、こういう場にも顔を出してしかるべきだろうに」

 画商や貴族たちの一部が、ひそひそとそんな噂話を交わしているのが聞こえる。

 伯爵は、それらの声を聞こえぬふりでやり過ごし、

「ステラリア家が主体だ」

 とでも言いたげに、会合をそのまま進めていく。

 

 カリナは、展示決定の喜びを素直に味わいたい気持ちを押し込めながら、ほんの少しだけ視線を落とした。

 胸の奥で、言葉にならない悔しさが静かに渦を巻く。

 自分の絵が展示されることになったのは、大きな一歩だ。

 ――だが、それで婚礼やヴェイル公爵家との関係が変わる保証など、どこにもない。

 

 それでも、視線を上げれば、母は変わらず優しく微笑み、リースもさりげなく「大丈夫」と目で告げてくる。

 その二人に支えられるように、カリナは周囲の貴族に向かって礼儀正しく一礼した。

 客人たちも、

「伯爵令嬢が描く絵とは、これはまた面白い」

「意外に見応えがあるかもしれんな」

 と口々に感想を漏らしながら、大広間を後にしていく。

 

 伯爵は最後に、

「まだ若いからな。これから鍛えれば、それなりに“使い物”になるやもしれん」

 と、まるで才能ある部下に対する評価のような口ぶりで言った。

 冷たいが――それでも、「正式に展示する」という決定を取り消すものではない。

 

 こうして、カリナの二枚の作品は、ステラリア家ギャラリーの一角を飾ることが正式に決まった。

 

 だが同時に、彼女の結婚に向けた準備も、さらに加速していく。

 式の日取り、招待客、衣装、礼節。
 やがてヴェイル公爵家からも、具体的な指示が飛んでくるだろう。

 それを思うと、今得たばかりの小さな成功が、「束の間の光」に過ぎないのではないか――そんな不安が、頭をもたげる。

 冷たい婚礼は、やはり避けられないのかもしれない。

 

 ――それでも。

 それでも、カリナは、自分の色彩をあきらめたくなかった。

 

 会合が終わり、大広間から客人たちが次々と退出していく中、リースが静かにカリナのそばへと歩み寄ってきた。

「お疲れ様でした」

 彼は、いつも通りの穏やかな声で言う。

「ひとまず、あなたの絵はここで日の目を見ることになりますね」

「ええ……すべて、リースのおかげよ。本当にありがとう」

 カリナはそう答えて、少しだけ肩の力を抜いた。

「父様が“やはり取り下げる”なんて言い出さないうちに、早く額装してしまわないと」

 半分冗談、半分本気の言葉に、リースは口元をゆるめる。

 

「額装と配置の準備なら、お任せください」

「会期までに何かあっても大丈夫なように、こちらでしっかり保管しておきます」

 そして、少しだけ声を落として付け加えた。

「それから……展示当日までの間に、伯爵殿が何か難癖をつけてこられたとしても、僕たちでなんとか防ぎましょう」

 その言葉は、本当に頼もしく響いた。

 同時に、別の痛みも胸に生まれる。

 リースがここまで肩入れしてくれるのは、嬉しい。だが、彼がステラリア家の事情に深入りしすぎれば、いつか伯爵やヴェイル公爵家から目をつけられるかもしれない。

 それでも彼は、一歩も引く様子を見せない。

 

 ふと視線を向ければ、少し離れた場所で母がこちらを見つめていた。

 安心したような微笑みとともに、小さく会釈が返ってくる。

 カリナは胸の奥にこみ上げる感情を抑え、「ありがとう、私も頑張る」とだけ、静かに返した。

 

 ――こうして、カリナは一つの壁を越えた。

 伯爵の前に自分の作品を差し出し、軽んじられながらもなお、正式に展示を認められたという事実。

 それは、確かに“前へ進んだ”証だった。

 

 だが、未来はまだ霧の中だ。

 婚礼の日は、刻一刻と近づいている。

 エドリックの冷淡さも変わらず、彼の愛人の存在も、「公然の秘密」として噂話の種になり続けている。

 たとえカリナの絵がギャラリーで称賛を浴びようとも――
 その先に待つ運命を覆せる保証は、どこにもない。

 

 それでも。
 だからこそ、カリナは決めたのだ。

 

 ――筆を置かない、と。

 

 父から与えられた、ほんのわずかな隙間の時間を縫ってでも。

 ヴェイル公爵家の門が冷たく閉ざされていようとも。

 彼女はこれからも描き続けるだろう。

 いつか、この“無彩”の婚礼を燃え立たせ、形だけの夫婦関係を笑い飛ばせる瞬間を手に入れるために。

 

 リースという協力者と、母のひそやかな支えを力に変えながら、カリナは少しずつ、しかし確かに強くなっていく。

 たとえ今はまだ、誰にも見えない小さな変化であっても――彼女の中では、確かに何かが動き始めていた。

 

 会合が終わった大広間は、先ほどまでの喧騒が嘘のように静かだった。

 壁に立てかけられたキャンバスの端に、布越しに見える自分の作品の輪郭。

 カリナはそっと近づき、布の上から指先でなぞる。

 

 夜明けの花も。
 昼下がりの庭も。

 どちらも、自分の内側にある希望と意志を映した、大切な象徴だ。

 

 どれほど伯爵が冷たかろうと――
 どれほどエドリックが無関心であろうと――

 絵を描くことだけは、誰にも奪わせない。

 

 そう強く心に刻みながら、カリナは小さく微笑んだ。

 

 やがて彼女は、大広間を後にし、静かな廊下へと歩み出る。

 窓の外には、ゆっくりと傾き始めた午後の陽光。

 柔らかな光が、長い影を床に落とし、その中をカリナの足音が、かすかに響いていった。

 

 ――いつかこの光景を、また一枚の絵に描きとめる日が来るだろう。

 そう思うと、不思議と胸の中が少しだけ温かくなった。

 

 冷たい婚礼の先にも、自分だけの色彩を宿した未来がきっとある。

 その未来を、自分の手で描きに行くために――

 カリナ・ステラリアの物語は、静かに、しかし確かに動き出していたのだった。
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