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第4章:新たな未来と最高の幸せ
30話
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彼の訪問
そして、それからほどなくして、意外な人物が村を訪ねてきました。
グレゴリーが慌ててやって来て、「お嬢様、大変です。王宮からの来客があります」と報告するのです。わたしは一瞬、「まさかエドワード殿下……?」と青ざめましたが、それは違いました。
来客は第二王子であるアルベルト殿下と名乗る青年だったのです。
わたしは第二王子という存在を、王宮でちらりと見たことがある程度でした。公の場で挨拶を交わす機会もありませんでしたし、王太子のほうが目立っていたため、あまり印象に残っていなかったのが正直なところです。
そんなアルベルト殿下が、護衛を連れて突然この村を訪れ、「伯爵家の令嬢であるルシアに用がある」と言っているというから、驚かないわけにはいきません。
「第二王子殿下が……どうしてこんな辺境の村に……?」
わたしは疑問を抱えながらも、きちんと礼を尽くすべきだと思い、急いで身だしなみを整えました。とはいえ、村で作業をしている最中だったので、ドレスは泥やほこりで汚れています。髪も多少乱れていますが、今さらどうにもなりません。
外に出ると、そこには王族らしき気品を漂わせる青年が馬を下り、落ち着いた仕草で佇んでいました。金色というよりは淡い茶色に近い髪を持ち、王太子のような派手さはありませんが、その瞳には優しさと知性を感じます。
「はじめまして。わたしはルシア・ヴェルデンハルトと申します。アルベルト殿下がお越しになるとは……何か不手際がございましたら、お許しください。」
わたしが慌てて頭を下げると、殿下は「そんなに畏まらなくても大丈夫ですよ」と柔らかい笑みを浮かべました。その様子は、王太子殿下の冷たい威圧感とはまったく違うものに感じます。
「先日、伯爵家の当主――つまりあなたのお父上から報告を受けていたのです。『うちの娘が領地の復興に尽力しているので、一度見てやってほしい』と。ちょうどわたしは、各地の領地を視察してまわる役目を王から任されていましたから、都合が合ったので足を運んだのです。」
アルベルト殿下はそう言って、一帯を見渡しました。村の様子はまだまだ荒れていますが、それでも少しずつ作物が育ちはじめ、村人たちにも笑顔が増えています。
わたしは恥ずかしさと同時に、父がそんな進言をしてくれていたことに驚きを覚えました。父は普段、あまり言葉数の多い人ではありませんが、わたしの取り組みを評価してくれているようです。
「お話のとおり、あなたは立派に村を支えているようですね。正直、わたしも先代の王――つまり父や兄がいる宮廷の中で、あまり発言権が強いわけではありません。でも、こうして実際に村を見れば、あなたの働きがどれほど価値あるものかわかります。」
アルベルト殿下の言葉は飾り気がなく、まっすぐわたしの胸に響きました。
わたしは少しほっとした気持ちで、村の現状と取り組みを簡潔に説明しました。川の上流での土砂問題、森の管理不足、害虫被害など、今わたしたちが抱えている課題を隠さずに伝えます。殿下は真剣な表情で耳を傾け、時折うなずきながらメモを取っているようでした。
「なるほど……。まるで王太子妃の教育ではなく、領主としての実務を学んできたかのようですね。あなたの経験と知識は、もしかするとこれからの国全体にとっても大きな助けになるかもしれません。王都やほかの領地でも、似たような問題が起きはじめていますから。」
殿下の言葉に、わたしは驚きつつも内心嬉しくなりました。
婚約破棄をされたときは、「わたしの学んできたことはすべて無駄になるのでは」と思い込んでいましたが、こうして別の角度から評価される日が来るとは夢にも思わなかったのです。
そして、それからほどなくして、意外な人物が村を訪ねてきました。
グレゴリーが慌ててやって来て、「お嬢様、大変です。王宮からの来客があります」と報告するのです。わたしは一瞬、「まさかエドワード殿下……?」と青ざめましたが、それは違いました。
来客は第二王子であるアルベルト殿下と名乗る青年だったのです。
わたしは第二王子という存在を、王宮でちらりと見たことがある程度でした。公の場で挨拶を交わす機会もありませんでしたし、王太子のほうが目立っていたため、あまり印象に残っていなかったのが正直なところです。
そんなアルベルト殿下が、護衛を連れて突然この村を訪れ、「伯爵家の令嬢であるルシアに用がある」と言っているというから、驚かないわけにはいきません。
「第二王子殿下が……どうしてこんな辺境の村に……?」
わたしは疑問を抱えながらも、きちんと礼を尽くすべきだと思い、急いで身だしなみを整えました。とはいえ、村で作業をしている最中だったので、ドレスは泥やほこりで汚れています。髪も多少乱れていますが、今さらどうにもなりません。
外に出ると、そこには王族らしき気品を漂わせる青年が馬を下り、落ち着いた仕草で佇んでいました。金色というよりは淡い茶色に近い髪を持ち、王太子のような派手さはありませんが、その瞳には優しさと知性を感じます。
「はじめまして。わたしはルシア・ヴェルデンハルトと申します。アルベルト殿下がお越しになるとは……何か不手際がございましたら、お許しください。」
わたしが慌てて頭を下げると、殿下は「そんなに畏まらなくても大丈夫ですよ」と柔らかい笑みを浮かべました。その様子は、王太子殿下の冷たい威圧感とはまったく違うものに感じます。
「先日、伯爵家の当主――つまりあなたのお父上から報告を受けていたのです。『うちの娘が領地の復興に尽力しているので、一度見てやってほしい』と。ちょうどわたしは、各地の領地を視察してまわる役目を王から任されていましたから、都合が合ったので足を運んだのです。」
アルベルト殿下はそう言って、一帯を見渡しました。村の様子はまだまだ荒れていますが、それでも少しずつ作物が育ちはじめ、村人たちにも笑顔が増えています。
わたしは恥ずかしさと同時に、父がそんな進言をしてくれていたことに驚きを覚えました。父は普段、あまり言葉数の多い人ではありませんが、わたしの取り組みを評価してくれているようです。
「お話のとおり、あなたは立派に村を支えているようですね。正直、わたしも先代の王――つまり父や兄がいる宮廷の中で、あまり発言権が強いわけではありません。でも、こうして実際に村を見れば、あなたの働きがどれほど価値あるものかわかります。」
アルベルト殿下の言葉は飾り気がなく、まっすぐわたしの胸に響きました。
わたしは少しほっとした気持ちで、村の現状と取り組みを簡潔に説明しました。川の上流での土砂問題、森の管理不足、害虫被害など、今わたしたちが抱えている課題を隠さずに伝えます。殿下は真剣な表情で耳を傾け、時折うなずきながらメモを取っているようでした。
「なるほど……。まるで王太子妃の教育ではなく、領主としての実務を学んできたかのようですね。あなたの経験と知識は、もしかするとこれからの国全体にとっても大きな助けになるかもしれません。王都やほかの領地でも、似たような問題が起きはじめていますから。」
殿下の言葉に、わたしは驚きつつも内心嬉しくなりました。
婚約破棄をされたときは、「わたしの学んできたことはすべて無駄になるのでは」と思い込んでいましたが、こうして別の角度から評価される日が来るとは夢にも思わなかったのです。
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