婚約破棄された伯爵令嬢ですが、国の経済を掌握しました

鍛高譚

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第3章 暴かれる影の才覚――伯爵令嬢は動き出す

29話

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王都の祝祭――公爵令息の行方

 そして日が流れ、いよいよ王宮主催の祝祭の夜が訪れる。
 王都は再び華やかな雰囲気に包まれ、各国の使節や商会の代表も招かれるため、前回の舞踏会以上の規模になるといわれていた。貴族たちもこぞって出席し、王宮の大広間はさながら国際見本市のような様相を呈する。――そこには、新興の商会や外来の大商人が顔を出すこともあり、まさにサラが“経済の話”をするには好都合な場でもある。

 しかし、公爵家はどうだろうか。
 サラは準備をしながら、あの公爵令息ガイが出席するのか気になっていた。公爵本人は当然来るだろうが、息子のほうは“舞踏会の醜態”で厳しく叱責され、今は謹慎状態だという噂もある。もし来るとしても、以前のように傲然と大手を振っては歩けないだろう。

 「……まあ、来たところで、わたしには関係ないけれど」

 サラは前回の舞踏会ほど緊張はしていない。今回はすでに“話題の伯爵令嬢”として一定の注目を集めているが、それを逆手に取り、必要な相手とだけ会話すればいいと考えていた。

 伯爵家の馬車に乗り込み、父と母とともに王宮へ向かう。父や母はまだ多少ぎこちない表情をしているが、前回ほどの悲壮感はない。――むしろ、サラを“後押し”しようという意志が感じられた。
 「サラ、もし大商会の代表者と話す機会があったら、積極的にアピールするのもいいかもしれんぞ。伯爵家としても、彼らとのパイプは欲しいからな。」
 「そうね。お父様の顔も立てられるよう、努力します。」

 サラは微笑んで答えるが、内心では「どこまで話すか」は慎重に見極めようと思っていた。――大商会の一つに“王立商会”があり、これは王族の庇護を受けているが、腐敗が進んでいるという噂もある。そこに深入りすれば、利権争いに巻き込まれる可能性が高い。
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