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21話
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新たなる契約
展示会が大盛況のまま終了した夜。
パステル商会の会議室では、クレオとココア、そして商会の重役たちが打ち上げを兼ねた報告会を行っていた。
机の上にはワインや軽食が並び、皆がほっとした笑顔を浮かべている。
「お疲れさまでした。今回の展示会、大成功ですね」
「初日の売上だけで、目標を大きく超えてますよ」
「ブレンディ領のハーブ製品の評判も上々で、追加生産の要請がすでに来ています。これは嬉しい悲鳴ですね」
重役たちの嬉々とした報告が続く。そんな中、クレオが立ち上がり、皆の注目を集める。
「皆さん、本当にご苦労さまでした。これもブレンディ家との連携をはじめ、いろんな方々との協力があってこその成功です」
そこで視線をココアへ向けると、クレオはふっと微笑む。
「今回はココア様のアイデアが大きかったですね。もし領地のハーブをただ“高級品”として売り出すだけなら、こんなに広く受け入れられなかったと思います」
「私が考えたのは最初のきっかけにすぎないわ。ここまで形にしてくれたのは、クレオさんと商会の力よ。改めて感謝するわ、ありがとう」
二人はお互いに礼を言い合い、周囲から自然と拍手が起こる。
その拍手が止んだところで、クレオは“待ってました”と言わんばかりに書類を取り出す。
「そこで、さらに次の段階へ進むために――こちらの契約書をご用意しました。パステル商会として、ブレンディ家の領地開発に本格的な資本投資を行いたいと考えています。ココア様がよろしければ、署名をいただきたいのですが……」
それは、これまでの“試験的な共同企画”から一歩踏み込み、完全なるパートナーとして領地経営にも関わるという内容だ。
パステル商会が資金・人脈を出し、ブレンディ家が領地・ブランドを提供し、両者が利益を折半する形。もちろん、両家にとってメリットの大きい契約であり、商会の重役たちもそれを後押ししている。
「……わあ、本当にここまで用意してくれていたのね」
ココアは契約書をめくりながら、小さく感嘆の声を上げる。
「予想していたより、条件もいいわ。私としては大歓迎だけど、父はどうかしら……?」
「先日、お父上に草案をお見せしたところ『ココアの好きにしなさい』と仰っていましたね。あとはココア様の判断に委ねるそうです」
そこまで話が進んでいると知り、ココアは嬉しそうに微笑む。
そして、ペンを手に取った。
「じゃあ……私からも、こちらの条件で問題ありません。ぜひ、一緒にやりましょう、クレオさん」
「ええ、もちろんです。こちらこそ、よろしくなのです」
二人の手が重なり、契約が結ばれる。
――こうして、貴族であるブレンディ家と、大商会であるパステル家の“本格的な同盟”が成立した。
この契約は、ただの経済的な協力関係に留まらない。これまでの貴族社会の常識を打ち破る重大な一歩と言える。
商会の重役たちも一様に満面の笑みを浮かべ、早くも次のプロジェクトの話を始めている。中には「クレオ様がブレンディ領に支店を作るといいのでは?」と提案する者もいるほどだ。
かつてブラック家が資産目当てで求めた“婚約”とは、まるで次元が違う“対等なパートナーシップ”が、ここに完成したのだ。
展示会が大盛況のまま終了した夜。
パステル商会の会議室では、クレオとココア、そして商会の重役たちが打ち上げを兼ねた報告会を行っていた。
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「お疲れさまでした。今回の展示会、大成功ですね」
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そこで視線をココアへ向けると、クレオはふっと微笑む。
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「私が考えたのは最初のきっかけにすぎないわ。ここまで形にしてくれたのは、クレオさんと商会の力よ。改めて感謝するわ、ありがとう」
二人はお互いに礼を言い合い、周囲から自然と拍手が起こる。
その拍手が止んだところで、クレオは“待ってました”と言わんばかりに書類を取り出す。
「そこで、さらに次の段階へ進むために――こちらの契約書をご用意しました。パステル商会として、ブレンディ家の領地開発に本格的な資本投資を行いたいと考えています。ココア様がよろしければ、署名をいただきたいのですが……」
それは、これまでの“試験的な共同企画”から一歩踏み込み、完全なるパートナーとして領地経営にも関わるという内容だ。
パステル商会が資金・人脈を出し、ブレンディ家が領地・ブランドを提供し、両者が利益を折半する形。もちろん、両家にとってメリットの大きい契約であり、商会の重役たちもそれを後押ししている。
「……わあ、本当にここまで用意してくれていたのね」
ココアは契約書をめくりながら、小さく感嘆の声を上げる。
「予想していたより、条件もいいわ。私としては大歓迎だけど、父はどうかしら……?」
「先日、お父上に草案をお見せしたところ『ココアの好きにしなさい』と仰っていましたね。あとはココア様の判断に委ねるそうです」
そこまで話が進んでいると知り、ココアは嬉しそうに微笑む。
そして、ペンを手に取った。
「じゃあ……私からも、こちらの条件で問題ありません。ぜひ、一緒にやりましょう、クレオさん」
「ええ、もちろんです。こちらこそ、よろしくなのです」
二人の手が重なり、契約が結ばれる。
――こうして、貴族であるブレンディ家と、大商会であるパステル家の“本格的な同盟”が成立した。
この契約は、ただの経済的な協力関係に留まらない。これまでの貴族社会の常識を打ち破る重大な一歩と言える。
商会の重役たちも一様に満面の笑みを浮かべ、早くも次のプロジェクトの話を始めている。中には「クレオ様がブレンディ領に支店を作るといいのでは?」と提案する者もいるほどだ。
かつてブラック家が資産目当てで求めた“婚約”とは、まるで次元が違う“対等なパートナーシップ”が、ここに完成したのだ。
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