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8章
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婚約宣言―そして“ざまぁ”の終幕
一方、エドワルドとシルフィーネは演壇の前へと歩みを進め、会場の注目を集める。騎士たちが周囲を警護し、国王の近侍が深々と礼を取ると、静寂が広がった。ここが正式な場――王太子が何を語るか、息を呑んで待ち受ける人々。
「皆さま、本日はお忙しい中、この夜会にお集まりいただき感謝いたします。私はノルディア王国第一王太子、エドワルド・フォン・ノルディア。改めまして貴国との絆を深めるために滞在しております」
落ち着いた声で、まずは形式的な挨拶を済ませる。その後、エドワルドは隣に立つシルフィーネへ微笑みかけ、再び会場へ向き直った。
「さて、本日お伝えしたいことがございます。私、エドワルドは――エルフィンベルク公爵家の令嬢、シルフィーネ・エルフィンベルクと、正式に“婚約”することを宣言いたします」
一瞬の静寂の後、場内は大きなどよめきに包まれた。事前に薄々知っていた者も多いが、こうして公の場で直接“王太子自ら”言葉にするのは重みが違う。大半の客は拍手を送り、感嘆や祝福の声を上げる。しかし、一部の者は明らかに不満げな表情で、口を噤んでいる。
「シルフィーネ令嬢は、かつて様々な困難を乗り越え、いまもなお病を完全に克服したわけではありません。しかし、私は彼女の強さと優しさを心から尊敬しております。どんな噂が流れようとも、私は揺るがない。そして、私の祖国ノルディア王国も、彼女を“次の王太子妃”として迎える用意があることを、ここに宣言いたします」
明確な意思表明。会場は再びざわめき、拍手が広がっていく。シルフィーネの胸には込み上げるものがあった。――ここまで堂々と“彼女を守る”と明言されれば、もはや噂や中傷など吹き飛ぶに違いない。
彼女は緊張を抑えながら、わずかに会釈して言葉を紡ぐ。
「私も……エドワルド王太子閣下と共に歩む決意をいたしました。まだ至らぬ点が多く、身体も万全ではありませんが、できる限り努力し、ノルディア王国とこの国の架け橋となれるよう励みたいと思います」
静かながらも力を込めた声。これが“子供扱い”されていた頃の彼女と同一人物とは思えないほど、凛とした美しさがあった。拍手はさらに大きくなり、王家の使者や国王の近侍も微笑ましく見守っている。
そして――アメリアやライオネル、かつての婚約破棄騒動の影が完全に払拭される瞬間でもある。人々は「もう過去の話だ」と考え始め、シルフィーネが抱いていた負のレッテルは徐々に消えていくだろう。
これこそが、彼女にとっての“ざまぁ”だ。過去に馬鹿にし、陥れようとした者たちが、いまや自分を嘲笑できないどころか、認めざるを得ない立場に追い込まれているのだから。
一方、エドワルドとシルフィーネは演壇の前へと歩みを進め、会場の注目を集める。騎士たちが周囲を警護し、国王の近侍が深々と礼を取ると、静寂が広がった。ここが正式な場――王太子が何を語るか、息を呑んで待ち受ける人々。
「皆さま、本日はお忙しい中、この夜会にお集まりいただき感謝いたします。私はノルディア王国第一王太子、エドワルド・フォン・ノルディア。改めまして貴国との絆を深めるために滞在しております」
落ち着いた声で、まずは形式的な挨拶を済ませる。その後、エドワルドは隣に立つシルフィーネへ微笑みかけ、再び会場へ向き直った。
「さて、本日お伝えしたいことがございます。私、エドワルドは――エルフィンベルク公爵家の令嬢、シルフィーネ・エルフィンベルクと、正式に“婚約”することを宣言いたします」
一瞬の静寂の後、場内は大きなどよめきに包まれた。事前に薄々知っていた者も多いが、こうして公の場で直接“王太子自ら”言葉にするのは重みが違う。大半の客は拍手を送り、感嘆や祝福の声を上げる。しかし、一部の者は明らかに不満げな表情で、口を噤んでいる。
「シルフィーネ令嬢は、かつて様々な困難を乗り越え、いまもなお病を完全に克服したわけではありません。しかし、私は彼女の強さと優しさを心から尊敬しております。どんな噂が流れようとも、私は揺るがない。そして、私の祖国ノルディア王国も、彼女を“次の王太子妃”として迎える用意があることを、ここに宣言いたします」
明確な意思表明。会場は再びざわめき、拍手が広がっていく。シルフィーネの胸には込み上げるものがあった。――ここまで堂々と“彼女を守る”と明言されれば、もはや噂や中傷など吹き飛ぶに違いない。
彼女は緊張を抑えながら、わずかに会釈して言葉を紡ぐ。
「私も……エドワルド王太子閣下と共に歩む決意をいたしました。まだ至らぬ点が多く、身体も万全ではありませんが、できる限り努力し、ノルディア王国とこの国の架け橋となれるよう励みたいと思います」
静かながらも力を込めた声。これが“子供扱い”されていた頃の彼女と同一人物とは思えないほど、凛とした美しさがあった。拍手はさらに大きくなり、王家の使者や国王の近侍も微笑ましく見守っている。
そして――アメリアやライオネル、かつての婚約破棄騒動の影が完全に払拭される瞬間でもある。人々は「もう過去の話だ」と考え始め、シルフィーネが抱いていた負のレッテルは徐々に消えていくだろう。
これこそが、彼女にとっての“ざまぁ”だ。過去に馬鹿にし、陥れようとした者たちが、いまや自分を嘲笑できないどころか、認めざるを得ない立場に追い込まれているのだから。
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