日替わりメイド・ミリア 〜追い出されたけれど両家から引っ張りだこ! 最後に選ぶのは“恋”ですか?“居場所”ですか?〜

鍛高譚

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第7話 「ミリア、街へ行く。そしてまた誤解される」

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第7話 「ミリア、街へ行く。そしてまた誤解される」

今日はアーロンがどうしても外せない会議で朝から外出。

「ミリア殿、留守の間、くれぐれも……
 危険な場所には近づかないように」

「はい、ご主人様。お任せくださいませ♪」

(いや“任せてください”じゃない……
 ミリア殿の場合、“危険が避ける側”だ……)

そんな心の声を飲み込み、アーロンは屋敷を出た。


---

◆◆お買い物へ

午前。
クラリス夫人が声をかけてきた。

「ミリアさん、今日は街まで買い出しをお願いしてもよいかしら?」

「はい! 喜んで伺います」

買い物かごを抱えて、ミリアは軽やかに出発した。

街路には朝市の屋台が並び、香辛料やパンの匂いが漂う。

「今日は良い天気ですわね♪」

ミリアが歩くと、通りの人々が自然に笑顔になる。

パン屋の主人「お、ミリアちゃんじゃないか!」

八百屋の奥さん「ミリアちゃん、今日も可愛いわねぇ!」

魚屋の兄ちゃん「お、今日も速いな!」

ミリアはぺこりと頭を下げる。

「いつもありがとうございます♪」

(※この街、既にミリアの虜になっている)


---

◆◆市場での“無自覚スキル”

◆パン屋

「いつものハーブパンを三つください」

「へい、まいど!」

差し出されたパンが――
次の瞬間にはミリアのかごに収まっていた。

パン屋「今……パンが……飛んだ……?」

ミリア「いえ、受け取っただけですわ♪」

パン屋(早すぎて見えねぇ……)


---

◆八百屋

ミリアは軽く野菜を触って言う。

「このトマトは今日の夕食に合いそうですわ♪」

八百屋「見ただけで味わかるのかい!?」

ミリア「色が綺麗なので!」

八百屋(……いや絶対“プロの選別の動き”だった……)


---

◆雑貨屋

糸や針を選んでいたミリアの背後で――
棚の上に積まれた荷物がひっそりと崩れかける。

店主「危ないっミリアちゃん!」

ミリア「え?」

ぽすっ。

ミリアがちょっと上を向いた時には、
荷物は元の位置に“綺麗に積み直されていた”。

ミリア本人が積み直した記憶は――ない。

ミリア「???」

店主(……いま何が……?)

(※潜在能力が勝手に動くタイプ)


---

◆◆昼──街のカフェでひと休み

市場の帰り道、ミリアはちょっと休憩。

新しくできたカフェで、外の席に座る。

「素敵なお店……今日は静かですわね」

店員「いらっしゃいませ。メイドさん、おひとりですか?」

「はい。ではハーブティーを……」

ミリアは窓から街を眺める。

通りの子どもたちが犬と駆け回っている。
老夫婦が仲良くパンを分け合っている。
市場の荷車がきしみながら通る。

(こうして見ると……
 この街は穏やかで、温かいところですわね……)

ふんわり微笑むミリア。

その姿を見て、隣の席の二人組がひそひそ話す。

「ねえ、あのメイドさん……すごく雰囲気よくない?」

「人気あるのも納得だよね……」

「アーロン家の新しい人でしょ?すごく評判らしいよ」

ミリアは聞こえていないが、
周囲では静かに人気が上昇していった。


---

◆◆帰り道──また“偶然”の奇跡

帰り道。
街角の小道を歩いていると、
家の二階から植木鉢が落ちてきた。

ミリア「……あら?」

視界の端で、何かが動く。
次の瞬間、ミリアの一歩前に“風”が吹いたように見えた。

どんっ!

植木鉢は地面にぶつからず、
なぜか壁に寄りかかるように倒れていた。

通りすがりの人「い、今……何が……?」

ミリア「あら、運がよかったですわね……」

(※確実に本人が無意識で回避している)


---

◆◆夕方──帰宅すると……

屋敷に戻ると、アーロンが廊下で待っていた。

「ミリア殿!出迎えが遅れてしまって……!」

「まぁ、ご主人様。お帰りなさいませ♪」

アーロン「買い物は……大丈夫だったか?」

「はい。みなさん良い方ばかりでしたわ」

(良かった……何も起きなかったのだな……)

ミリアはにっこり微笑んだ。

「ただ……植木鉢が落ちてきたのですが、
 “偶然”倒れてくれて……!」

アーロン「偶然じゃない……絶対……」

ミリア「え?」

「い、いや……無事ならいい……!」

アーロンは心臓を押さえながら深呼吸した。

(……守らねば。
 ミリア殿を……!)


---

◆◆夜──ミリアの布団事情

その晩。
ミリアは、自室で買ってきた糸を並べていた。

「少し刺繍を……」

しかし――

ぱたん。

ミリアは机に突っ伏すように眠り込んでしまった。

寝顔はとても穏やかで、
丸まった姿は子猫のようで可愛らしい。

(※買い物の“無自覚スキル”が疲労をためこんでいる)

しばらくして、ノック音。

「ミリア殿? もう休んで……」

返事がないので部屋を覗く。

アーロン「……!」

寝落ちしているミリアを見て、
アーロンはそっと毛布をかけた。

「……お疲れ様。ゆっくり休むといい」

ミリア(寝言)「……ごしゅ……さま……」

アーロン「っ……!」

その夜、アーロンは寝返りを打ちながら悶えていた。


---

◆第7話・了
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