歳下で純情でちょっと×××な優吾くん〜わんこ系幼馴染から8年分溺愛されます⁉︎〜

麻梨

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【R18】最終話 蒼乃⑪【優吾と蒼乃】

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「ごめん。せっかく一緒にいられるのに、こんな暗い話……」

 日付はとっくに峠を越えた。
 麦茶の入ったグラスは水滴でびっしょりと濡れている。

「謝らないでよ」

 優吾くんは少しだけ、唇を尖らせた。

「蒼乃ちゃんのこと、全部知りたい……って言ったら、ちょっと気持ち悪いかもしれないけれど、うん。まぁ、つまりはさ、そういうことなんだよね。だって、俺、何を聞かされても、蒼乃ちゃんのことを嫌いになるなんてありえないし」

 だって8年越しの俺よ? と。
 ドヤ顔するの、可愛いんだよね。
 
「……ありがとう。優吾くんが、そう言ってくれるから、私も、覚悟が決まったの」


「覚悟?」


「うん……。母に『もういいよ』って、言おうと思う。お互いの後ろ暗い過去をすり合わせるための時間は、これからの私たちに必要ないと思うから」


 この結論に至るまで、長い時間が必要だった。

 正直に言えば、怖かった。
 恋人と深い関係を築くことができない自分は、結婚など望めないだろうと諦めていて、そんな自分が、母とのつながりを失い、天涯孤独になることが、仄暗い将来をちらつかせる気がした。

 そして、そんな自己的理由で、母の幸福を祝えない自分が嫌だった。

 私は、戸惑う表情の優吾くんの手を取る。
 

「優吾くんさえよければ、母の前で宣言させてほしい。私は、この人がいれば幸せだから、もう私への罪悪感で、母と娘をやり直そうとしなくていいって」


 そして


「私は、あなたのことが好き。私を信じて、強くしてくれる優吾くんのことが、大好き。どうか、私の隣で、幸せになってください」


 惹かれて、躓いて、拗れて、紐解く。


「8年間、私を、思い続けてくれて、ありがとう」

 この一言を伝えるのに、どれだけの葛藤があったのか、あなたは知らないままでいい。

 私の問題を、優吾くんに背負わせたくない。
 本気で、そう思っていたはずなのに。
 蓋を開ければ、私は、私の全てを、あなたに知って欲しくて、たまらなかった。
 私の全てを受け止めてくれるあなたが、心の最も柔らかい部位に触れてくれたなら。
 それを傷つけない信頼を、生涯寄せることができるから。

「……あ……」

 ぽろ、と。

 優吾くんの眼から、雫が落ちた。

 ぱた、ぱた、と。
 音が鳴るほど、おおきくて、熱い……。


「あ……ごめ……なんか……止まんねぇ……。頭ん中、すげぇ、全部、報われて、嬉しいのに……なんで……」


 手が、伸びて。

 私を、抱きすくめる。

 少しずつ強くなる力は、私を壊すことがないように、慎重で、それでいて、どこにも逃がさないように、強く、強く。

 しがみつくような抱擁と、噛みつくようなキスの後。

「蒼乃ちゃんのことが、一生大好き!」

 私が惹かれて止まない笑みで、優吾くんは笑って、私のことを抱き上げたんだ。


   ★


「では、このままお風呂に直行します」


 お姫様抱っこに感動する間もなく、いそいそと移動する優吾くんに「なんで?!」って強めにツッコんじゃったのは仕方がないと思う。

「さっき、ムラっときたのに、お預けされちゃったから……」

 少しいじけた様子が、拗ねた犬みたいで可愛いけれど……お風呂、引きずりすぎでは……?

「真面目な話で、俺のこと萎えさせたと思ったんでしょ。残念。切り替えが早いのが長所なんだよね!」

 キリっとキメ顔するんだもん。
 笑っちゃったけれど……えっちなだけだよ、それ。

「ドライヤーしたのに……」

「髪を濡らさないよう気を付けます!」

「お風呂狭いよ?」

「くっつけていいじゃん……お風呂えっちってさ、多分地球上の男のロマンなんだよ」

 主語が大きすぎるよ、優吾くん。情緒の差で風邪をひきそうだよ。

 私の服を「はい。ばんざーい!」って言いながら脱がせる優吾くんは、初日の、一枚一枚丁寧に手をかけた彼とは別人だった。眼がキラッキラしている。自分の脱衣は殊更に雑だ。

 あまり部屋へのこだわりを持っていない私は、この時ばかりは狭すぎるシャワースペースにちょっと後悔した。

 厚みのある肉体の優吾くんが一緒だと、密度がすごい。

「はは、きっつ! ウチの風呂より狭いかも!」

「だから、言ったのに……」

 髪、濡らさないようにするって言ったのに。結局、ざぁざぁとシャワーで濡れて……。

「ん……」

 優吾くんが少し屈んで、キスをねだってくる。
 背伸びをするのにも、慣れてきた。

 勢いに押されて、浴室の壁が背中につく。火照った身体にひやりとした温度が気持ちいい。

「ん……蒼乃ちゃんさ、お風呂でするの、はじめてでしょ?」

 足らない、と。顎をぐい、と取られて、上を向かされて、優吾くんにしては、強引なキス。余裕がなさそうなそれが、嬉しいだなんて。


「う……ん……!」

 優吾くんは私を引き寄せ、背筋を指でなぞる。

「あっ……んぁっ……」

 びくん、と。身体が跳ねた。

「はは。背中、よっわ」

「あ、やんっ、ぁあっ……くすぐった……!」

 つつー……と、肩甲骨の窪みをなぞった指は、ゆっくり、尾てい骨をタップして……触れるか触れないかの境の手つきで、うなじまで這い上がる。

 ぞわぞわと走るくすぐったさは、愛でられているんだって、これは快感なんだって……きっと、何をされても許してしまう。

 背中をなぞりながら、私の表情をじっと見つめていた優吾くんは……ぎゅうって、お尻を掴んだ。

「きゃっ……! な、なんで……っ!」

「ん、可愛かったから……お尻、上向きでぷりってしてる……」

 実況しないでぇ……!

 お尻を揉まれるの、初めてじゃないけれど、なんか、立ったままって羞恥心が煽られてしまう……! 間に指をすぽすぽとされるの、信じられないくらい恥ずかしい。

 はぁ、と。
 熱っぽい吐息が唇に触れた。

 ぎゅうぎゅうと私を抱きしめて……首筋に顔を埋めて、匂いをかいで……鎖骨のあたりを舐められた瞬間、身体がびくんと弓なりになる。


「ひっ……ん」


「蒼乃ちゃんって。骨の上を舐められるの、好きだよね」


「知らな……あぁっ!?」


「ほら、こことか、こういう……皮膚の薄いところを、撫でられたりするの……はは、良い反応……たまらないんだ? 肩甲骨と鎖骨と……ここ、名前なんだ? 耳の裏の骨……ん、蒼乃ちゃんの匂いする……」

「や、あぁ……! 嗅ぐの、恥ずかしい……! ひっ! 舐めないでぇっ!」

 つい仰け反ってしまって……。

「あー……んっとに可愛い。舐めて欲しくなっちゃった?」

 ふるんと、優吾くんの眼前に胸が躍る。
 そんな意思はなかったのに、差し出すようにしてしまった胸……はむ、っと頂を吸われて、甘ったるい嬌声がバスルームに響いた。

「きゃ、あぁっ、ん、やぁっ……!」

 敏感な胸の先端をちゅうちゅう、ぢゅうぢゅうと、最初からキツく吸われるのは初めて。

 舌先で押し込まれるように舐められるのも、背筋をなでられながら吸われるのも、未知の刺激で頭が沸騰する。

「あぁっ!」

 ちくんと、鋭い刺激は、一瞬だけ火がついたようにちりっと痛むのに、すぐにじわじわと火照って、敏感になって……。

 再びちゅう、と。甘やかすから……びくんと激しく、反応してしまう。

「蒼乃ちゃん、弱点だらけ」

「ふ、ぅ……! 嬉しそうに、言わないで……」

「なんで? 嬉しいよ。こんなに可愛い蒼乃ちゃんを知っているの、俺だけなんでしょ?」

 ひとしきり胸に顔を埋めた優吾くんは、鎖骨、首、頬に舌を這わせて、ねっとりと私を味わう。

「あぁっ、ん! だめ、汗かいたからぁっ!」

 肌を舐められることがこんなにも昂ることだなんて。
 身体の中心部がどうしようもなく切なくなって、何もない膣がきゅうきゅうと痙攣する。

「今シャワーしたばかりでしょ」

 意地悪く笑う優吾くんは、うなじにキスをして、脇に触れる。お風呂場なのをいいことに、匂いの濃くなる場所ばかり狙っているんだ……!

 だめ、と。
 言うのは簡単でも、唇で嵌まれ、舐められる気持ち良さに酔いしれた私を優吾くんは見透かしている。「食べられてしまう」と、力の差を知らしめられて、喜んでしまう身体が呪わしい。

「んぁ、あぁっ!」

 ぬるり、と。耳輪に舌を這わせて、耳たぶを喰まれた瞬間、一際大きな声が出てしまう。

「ぁ……ふ、耳、だめぇ……!」

「蒼乃ちゃん……大好き。めちゃくちゃ好き。可愛い。すっごいえろい。俺で感じてくれてんの、嬉しい……!」

「耳元で、あぁっ……言わない、でぇ……!」


「蒼乃ちゃんってさ、どちらかというと、えっちな方だと思うよ」

 俺は童貞だから詳しいわけないんだけれど、と優吾くんは続ける。

「いっぱい感じて、いっぱい気持ち良くなれて、偉いね。……ほんっと、これのどこが不感症だよ。適当なこと言いやがって」

 優吾くんが舌打ちするところ、初めて見た。
 凄む顔、かなり迫力があるんだね……。
 なんだろう。優吾くんの、普段見られない怖い顔に、きゅんとしてしまう私がいる……。

「優吾くん……それは、もういいから」


 どうせ、過去のことだし。と、二の句は続かない。
 優吾くんが、背後にまわる。
 背中にぴったりと、優吾くんの体温を感じると、安心して蕩けてしまいそうで……抱きすくめられたまま、くいっと、顎を取られた。


「蒼乃ちゃん、見て」


 視線の先には、鏡。


「あ……っ! や、やだ……!」


 一糸まとわぬ私が、優吾くんの太い腕に抱きしめられていて……。

 蕩けた目で頬を染めた、抱かれたくてたまらない、はしたない女の顔をしていた。


「可愛いよ。すごくきれい」

「や、だ! 恥ずかしいからぁっ……!」

「……あのさ、児童心理学の本で読んだんだけれどさ」

 逃げようと身を捩る私を、優吾くんは許さない。
 絡みつく腕は、胸を掴んで、秘部に触れるの。


「赤ちゃんは、母親に抱っこされている姿を鏡で見て、自分への愛情を確認するんだって」

「え……あ……」

「抱きしめられているだけだとさ、案外、視界って狭いままなんだよね。……蒼乃ちゃん、よく見て。俺に抱きしめられて、触られて、今日はまだ、ここと耳しか舐めてない……それなのに、蒼乃ちゃんはどうなっているの?」


 ふに、と。
 秘部をやわらかく揉まれる。その恥丘の中心にある肉芽が穏やかに刺激された。
 脂肪の上から触れられているのに……ぞわりと、このままされたらダメだって、緩やかな痺れに肌が泡だった。

「んあぁっ……! やぁんっ! ひっ、ぁあっ……」

 ふっくらとした恥丘ごしに、陰核をほぐすように揉み込まれてしまう。くりゅん、こりゅんって甘く柔くされるの、もどかしくて……奥が蕩けるくらい気持ちいい。

「ぁあ、ふ、やぁ……っ! こりこり、しないでぇっ……!」

 気持ちいい、気持ちいいのに。
 絶対に絶頂には至れない苦しさで膝が笑った。


 私は、もっとめちゃくちゃに擦られて、ぐちゃぐちゃになりながら気持ち良くなる方法を知っている。

 その奥の、ぬかるみだってそう。

 優吾くんの節くれた指で、奥を貫かれるのが大好き。
 自分じゃ届かないところを、押し上げて、ぐりぐり捏ねて欲しい。
「だめ」て。「イっちゃう」って。
 甘えて逃げようとする私を、もっともっと叱って欲しい。


 優吾くんに、全部、私の全部を埋めて欲しい。


「蒼乃ちゃん……見て。気持ち良さそうな蒼乃ちゃん、すごく可愛いよ」


 涙で視界が滲んでも、眼を開ける。
 鏡越しに優吾くんと眼が合った。
 恥ずかしくてたまらない。
 もっと、可愛くいたいのに、涙と汗でぐちゃぐちゃな私を見つめる優吾くんが、あまりにも嬉しそうに笑うから。


「ゆ、ごくんに……優吾くんに、触られるの、大好き……! 全部、全部気持ち良くて、愛されるの、好きで……おかしくなりそう……!」


 なにもかも許される幸福感を覚えた私は、もう二度と、彼がいない日々には帰れないと、悟ったんだ。

「蒼乃ちゃん……っ!」

  睦合うような口づけは、酸素を奪い合うほどに激しくても、止めることができなかった。


「……暑ぃね……ベッド、行こう」


 真夏の浴室にいるのだから、当然のこと。
 2人ともじっとりと、額に玉の汗を浮かべている。
 ぬるま湯のシャワーを浴びながら、

「優吾くんがお風呂に誘ってきたくせに」

 って、ちょっと意地悪く耳打ちした。
 彼の……腹筋にくっついてしまうほど興奮しきった剛直を、そろりと撫でる。


「あっ……! 蒼乃ちゃ……っ!」


 男の人の、弱い所。
 そして、私の欲望を埋めてくれる、唯一のもの。

 先端から、透明な雫がぷっくりと溢れた。
 硬くいきり立つそれは筋肉の塊なのに、傘の部分はぷにっと柔らかい。
 欲望の雫をまぜるように、くるくるとてのひらで撫でてあげると、優吾くんの腰が揺らめく。


「……蒼乃ちゃん、もう、怖くないの……?」

「優吾くんのは、最初から怖くなんてないよ」


 ちょっとは、驚いたけれどね。
 いたずらっぽく笑えば、優吾くんは息を飲んだ。


「……今日は、一応、ゴム……用意してマス……」

「あは! なんで敬語なの?」


 顔真っ赤……トマトみたい。
 恥ずかしがっているところ、すごく可愛い……。

「本当は、もう一回くらい、我慢する気だったんだよ……」

「我慢、できなくなっちゃった?」


 きゅって、両手で握って、優しく、でもこの間言われたように力を込めて、上下に扱くと、優吾くんは眉間に力を込めて、息を詰まらせた。


「あ、つ……! 傷、つけたくないんだって……! 痛い思いさせたくねぇから、すげぇ気張ってんのに、煽んなよ……!」


 優吾くんは、私の前では、少しだけ……もしかしたら、無意識に、猫を被っているところ、あるんだろうな。
 限界まで理性を炙られて、余裕の淵が決壊しそうになると、口が悪くなる瞬間、結構好きだなって。


 私に激甘で優しい優吾くんに睨まれるの、ぞくぞくしちゃうんだ。


 ……獣のようにとびかかれるくせに、どこまでも理性的な彼の、誠実な杭を、抜き取ろうとしている私は、とてもひどい女だろう。

「優吾くん……お願い。私も、今日は、最後までしたい……」

 逸る心臓の鼓動は、きっと全部ばれている。
 柴犬のように可愛い顔立ちが、鋭い眼光で迫力を増す。
 三日月に歪む口元も、その口角から覗く白い歯も、捕食者としての雄を匂わすんだ。


「遠慮なく、取って食うけれど、かけらも残さないから、安心して」


 覚悟して、の間違いじゃないかな。


   ★


 意味のない母音が、絞るように喉から溢れて、淫靡な匂いが立ち込める部屋で蕩けていく。


 ……優吾くんは、童貞であることをコンプレックスみたいに口にするけれど、はじめてでこんなにも、女の泣き所を熟知できるものなのだろうか?


「あぁっ! ふ、やぁっ……ぁ、いく……そこ、あ、きもち、いぃからぁっ!」


 ベットの上、大きく開かれた脚の間に、優吾くんの頭がある。
 秘部を晒すことだけでも顔から火を噴きそうなのに、躊躇のない優吾くんはねっとりと私を甚振る。


 れろんれろん、と……単純な舌の動きで翻弄されて、与えられる快楽に打ち震える秘豆は、たっぷりの唾液を纏った舌に弱すぎた。


 優吾くんの舌が熱い。
 吐息が足の付け根をくすぐるの、恥ずかしくて堪らない。
 汗の匂いすら私を昂める空間は、下腹部にばかり意識が集中してしまう。


「あぁっ、ひ、ぁあっ!」


 じんじんと切なく疼く秘豆を、こちゅこちゅこりこりとほじくるようにされると、意識が飛びそうになった。


「あぁっ、ひ、ん……そこ、そこやだぁ……舐めるの、もう、とけちゃ……あぁっ!」



 味わうように、舌の先端が秘豆の裏筋をひっかけて、しつこくしつこく、同じところだけを舐められ続ける。



 どこにも逃せない刺激を一番弱い部位で受け取るしかない絶望に、私の身体は咽ぶように喜ぶの。


「ん、ぢゅぅ……はぁ、入り口、めちゃくちゃひくひくしてんね。可愛い」


 優吾くんはべぇって伸ばした舌を私に見せつける。そして、ぺったりと、舌の腹を使って、限界間近の秘豆をぐりって潰すんだ。


「あぁ、あぁあああっ!」


 受け止めきれない快楽は、脳天に突き抜けるほどの刺激を産んだ。呼吸が止まって、あっという間に絶頂に突き落とされる。


「あぁ……ひっ……いく、イったぁ……! いまの、すごいぃ……」


 きゅんきゅんと切なく疼く膣は痛いくらいに切なくわなないて……ずっと、優吾くんを求めている。
 収縮しっぱなしの身体が、辛くて辛くてたまらない。


「クリイキ、上手だね。蒼乃ちゃん」

「あ、ん……も、舐めるの、だめぇ……!」

「じゃあ、こっち?」


 むきゅ、と。
 散々舌でなぶられた秘豆が指で摘まれて、優しくこすこすとされただけなのに、背筋が弓なりになって跳ねた。


「ぁああっ……!? や、ぁあああっ!」


「ちょっとイっちゃった? はは、まじで激よわ……雑魚くてかわい……」

「ひ、どい……!」

「ん、ナカ、解すから、もうちょっとだけ舐めさせて」

 ちゅ、と。
 優吾くんは絶頂を迎えたばかりの秘豆に吸い付く。

「ふ、ぅう……あぁ、まだ、するの……?」

 脳天を突き抜ける快感が怖い。
 唇が窄められた瞬間、強制的にイかされる、あの苦しさを身体が思い出してしまって、腰が引けそうになる。


 もちろん、優吾くんが逃がしてくれるわけがない。


「あぁっ! 吸うの、や、いく、いくからぁっ!」


 にゅぶ、と。
 優吾くんの指が、挿入ってきた……!


「あぁっ!」


 指一本。
 たった一本が、重たくて、深い。
 きゅんきゅんと収縮してしまうたび、優吾くんの爪の形までわかってしまいそう……。


 みっちりと締め付けてしまい、恥ずかしくてたまらないのに、弱点を触られていることにときめいてしまう。



「蒼乃ちゃんのナカ、ほんっとに甘えんぼ……俺の指、きゅんきゅん締め付けてくれるの、めちゃくちゃ可愛いよ……」


「あっあっ! 指、指とっ! なかと、一緒はだめぇっ!」


 秘豆と膣を同時に愛されて……挿入を意識した前戯は、今までのえっちとは全然違う。
 コップの淵から溢れてしまいそうなほど、限界まで水が注がれているみたいに、ぎりぎりのところで留まる理性が悲鳴をあげている。

 あと一つ、些細なことで、簡単に絶頂へ突き落とされる……。

 そんな恐怖をチラつかされているのに、身体は歓喜に満ちていて……とろりと、優吾くんを待ち望む膣は、もう指だけでは物足りない。

「ん、ぢゅっ……蒼乃ちゃん、気がついてる?」

 ぷは、と。
 優吾くんは息継ぎのように顔をあげて、興奮した眼を少し薄めた。

「あ……ふ、なに……?」

「口元、緩んでる」

 嫌って言ってしまっても。
 ダメって恥ずかしがっても。
 本当は、全部全部好きなんだもん。

 手で、顔を隠そうとすれば、手首を掴んで阻止してしまうあたり、えっちのときの優吾くんは、ちょっと意地悪だ。


 優吾くんは「指、増やすね」と。
 更に奥を捏ねてきた。


「せっま……子宮、めちゃくちゃ降りてきちゃってる……わかる?」


「んぅっ、あぁっ?! や……なに、それぇっ」


 ぐるぐるぢゅぼぢゅぼと、奥の何かを震わせて、掻き回された。
 今までの、じわぁって捏ねられる快感とはまた違う、切なくなってしまうものがこみ上げて……!


「俺の、迎えにきてくれてるじゃん……。はは、気持ち良さそー……。ほら、クリ裏ごしごしして、ぱんぱんになっちゃったGスポ、とんとんしてあげるから、ナカでもイっちゃえ」

「あぁっ、んぁぁ、ひ、ああああっ! いく、いくいく……あぁあっ!」

 ぢゅうぢゅうぢゅぼぢゅぼと、口内の空気を抜くようにきつくきつく秘豆を吸い上げて、外側も内側も蹂躙される気持ち良さに抗えるわけがない。

 打ち上げられて、深く深く、堕ちる。
 身体中を駆け巡るほどの快楽に視界が眩んだ。

「はぁ、ぁあ……ゆ、ごくん……っ! 優吾くん……っ!」

 ここまで長い絶頂ははじめてで、呼吸のたびに、逃がしきれない気持ち良さで身体が跳ねる。

 心臓が痛いほど苦しい。
 身体中が熱い。
 それでも、優吾くんが一ミリでも私から離れるのが許せない。

 はっはっ、と。
 浅い呼吸の中で、手を伸ばして、しがみつく。

「蒼乃ちゃん……ごめん……やりすぎた……」

「ん……平気……あ、ん……ふふ、ずっと、気持ちよくなっちゃってる……」


「……ぽやぽやしている蒼乃ちゃんえっちいな~。トロ顔やべぇ……可愛い……」

「あ、ん……優吾くん、今日ずっと可愛いって言ってくれる……」

「いつも思ってるよ。今は特に我慢できなくて。だって、毎秒可愛いんだもん」


 一生の中で、今がいちばん言われている気がする……。


「蒼乃ちゃん……あの、やりすぎちゃったし……今日は、ここまでにする?」

 優吾くんは、私に覆い被さりながらも、申し訳なさそうに額を合わせた。


「あのさ挿入れるだけが、セックスじゃないと思うんだよね。だから……」


「ううん。して欲しい。……お願い」


「む、り……しないで欲しいんだけれどぉ? なんで遮っちゃうかなぁ……」

 困ったように笑う優吾くんの鼻先に唇を落とすと、きょとんとしちゃうの、可愛い。

「……優吾くんがしてくれないなら、勝手に挿入れちゃうかも」

「マジで?!」

「あは! 凄い食いつくね!」

「……ゴム、取ってくる……」


 ベッドから降りた優吾くんの背中は、すごく逞しいのに、ちょっと猫背になっていた。

 ……私のお尻を「ぷりっとしてて可愛い」って言ったけれど、優吾くんだってなかなかだと思う。後で触っちゃお……。
 戻ってきた優吾くんは表情がこわばっていた。

「優吾くん、緊張してる?」

「……かなり」

 ダサくてごめん、と恥ずかしそうに、頬を染めている。
 このときになって、私は漸く、己の驕りを恥じた。
 優吾くんだって、はじめてなのだから、怖い、かもしれない。

 再び、ベッドで向き直る。

 軽く唇を重ねただけでも、はっきりと伝わる緊張は、私にしっかり伝播した。

「……上手く、言えないんだけれどね。私にばかり、気を使わないで……今日だけが、その、できる日ってわけじゃないから」

「ん……ありがと」

「それで、あの……私がつけてもいい?」

「……嬉しいんだけれど、あの、手慣れているとか、そういう」

「そんなわけないでしょ! 私と深く繋がってくれるところに、触りたいの……ダメ?」

「お、ねがい、します……!」

 体温からなる湿度に塗れた部屋の中で、スキンのパッケージを破る音が、やけに響いた。

 上を向いているのに、しっかりと重たそうな身体の部位は、何度見ても慣れることはない。
 どくどくと脈打つ浮き出た血管は別の生き物のようにも見えた。

「つける、ね?」

 先端をつまんで、空気を抜いて……わっかを、一番太くて大きい所に被せる。

 くるくると、下げていくと、みっちりと被さるところが少し苦しそう……摩擦がないと、切れてしまいそうだから、スキンの上から舌を滑らせた。

 「え?!」

 優吾くんの戸惑いが頭上から聞こえた。

 ……ゴムの臭いがきつい。ぬるぬるしてて変な味がする。
 どうせなら、直接してあげたかったな……。

 髪を耳にかき上げて、亀頭を口に含んだ。ぐぷ、と酷い音がする。
 そのまま、唾液を利用して、残りの部分も、装着して……。

 優吾くんの剛直は、私の口内でびくんと反応し、むくむくと質量を増すから、じゅっと吸ってあげる。


「うっ……!」

 優吾くんは歯を食いしばっていた。びくんって生き物みたいに跳ねて……こうやってみると、気持ち良くなりたくてたまらない感じが、わかりやすくて愛しいなって……。

 ちゅっちゅ、と先端や裏筋、中腹の血管にキスをして、舐めて……優吾くんの、反応の良いところを見たいのに、止められちゃう。


「ありがと……すげぇ興奮した……」


 ふー……と。
 長く息を吐き、前髪をかき上げる。
 額に浮かぶ汗も、くっきりと主張する鎖骨も、すごく、煽情的で……。

 凹凸の刻まれた腹筋が、いつもより強張っているように見えた。
 果てないように我慢をしている様子なんだって、気がつかないほど、私は純粋ではない。


「挿入れる、よ」


 組み敷かれ、脚をひろげる。
 くちゅ、と、あてがわれた剛直の温度は、火傷しそうなほど熱い。
 ぬかるみの中に、ぐっと押し込まれて……!

「あ、ぁあっ……!」

「く、ぅっ……! あ、蒼乃ちゃん、息、詰めないで……っ!」

 内臓が圧迫され、肉が割り込まれる恐怖……硬く閉じようとする入り口とは対照的に、さんざん可愛がられた膣壁が誘い込む。

 こわい、けれど。
 もっと、奥まで来てしまえば……。

「は、ぁん、い、はい、たぁ……?」

 膣壁を持ち上げるように奥を目指して……ぐっと、一番辛いところを
飲み込んだ感触に、ぶわっと汗が噴き出る。


「はい……たぁ……っ!」


 とちゅん、と。
 奥に届いて、行き止まった感じがして、その瞬間、言葉で表現しきれないほどの多好感に涙が溢れる。


「ふ、ぅう……ん、あぁっ……優吾、くん……! 優吾くん……!」

 きゅう、と。
 膣壁に力がこもってしまった。
 みっちりと隙間なく、彼を抱きしめてしまう身体は制御がきかない。


「あ、つ……! 蒼乃ちゃん……大丈夫? 辛くない……?」

 眉間に、深い深い皺をつくった優吾くんが心配そうに見つめるから、嬉しくて、愛おしくて、信じられないくらい、幸せで、涙が溢れる。

「へい、き……存在感、すごいけど……」

 ふぅふぅと息をつくと……身体がどんどん、馴染んでいく感じがする。
 間違いなく異物の存在を、柔らかく受け入れる準備を身体が進めている。
 そう思うと、ぶわぁって、幸福感と同時に身体から甘い匂いが溢れた気がした。

「はぁー……ん、痛くない?」

「痛くない、よ……優吾くん、は? ーー私の中、ちゃんと、気持ちいい?」


 覆いかぶさりながら、無意識に絡み合った指に力がこもる。


「……最高。気張ってないと、でちゃいそう……」


 眼を細めて、うっとりとする顔が、あまりにえっちで……ときめきがそのまま膣に伝わってしまった。きゅんっと、締め付けてしまった瞬間、優吾くんの眉間が深くなり「あぁっ……」と上ずった声が……。

「あ、あー……くっそ、すげぇ、気持ちい……っ!」

 深くはっきりと凹凸のある腹筋がぐっと膨らんで、張りつめるくらい力がこもっているんだって、わかってしまう。……それほどまで気張っていないと膣の気持ち良さに引っ張られてしまうんだって……私で、気持ち良くなっちゃうんだって、それが見えた瞬間、愛おしさが洪水のように溢れた。

 きゅぅうっと、無意識に、膣壁が甘えてしまって……。
「はぁー、あ、つ、蒼乃ちゃ……締め付けるの、やばいから……っ」

「ん、あぁっ! お願い、動いて……! 優吾くんが、いちばん、気持ち良くなれること、してほしいの……っ!」

 驚いたように見開かれ、鋭く、三日月に釣り上げる口角は、犬と言うよりも狼だった。

「ま、じで、もうさぁっ! どうなっても知らねぇからな?!」

 ぐぅ、と強く押し込まれる瞬間なのに、なんでだろう。少し笑ってしまった。荒々しく声を尖らせても、ずっしりと重たい筋肉の塊はゆっくりと抽出される。
 膣壁の柔いところを確かめるように、ゆるく、優しい速度で……けれど、一遍、弱いところを見つけると、ぐっぐっと捏ねるように押し上げてくる。


「あぁっ! あんっ! あぁ、い、そこ、弱いとこ……っ! 好き、好きなのっ!」


 遠慮がちな動きに合わせて、少し腰を浮かせてしまった。
 より深く貫かれる快感に、甘く鳴いて、締め付けて……。

「余裕、かよ……!」

 優吾くんは露骨に悔しそうに抽出を早める。
 浅い所を小刻みにされるのも、指でさんざん捏ねられたところをぐりぐりされるのも、意識が飛びそうなくらい気持ちいい。

 そして

「きゃ、んんっ……あっ、んっ! いま、そこぉっ……!」

 ひと際敏感な秘豆を、親指ですり、と、擦られてしまった。
 膣がきゅんきゅんと痙攣して、優吾くんを締め付けてしまう。
 甘えるようにまとわりついているであろう膣壁に反発するように、硬度を増す剛直は、もうそこにあるだけで気持ち良かった。

 優しく、とちゅとちゅと快楽を拾いやすい場所を突き上げながら、秘豆をぐりぐりされたら、あっという間に絶頂が近い。

「あぁっ! んっんっんっ……いき、そ! あぁっナカ、すごい、優吾くんの、おっきぃ……っ!」

 小刻みにされながら、秘豆を潰されて……これまでのどの種類とも似ていない絶頂が近い。
 脳みそをふわぁっとさせるような、多幸感たっぷりの、二度と戻れなくなる気持ち良さが、もう目前で……!

 膣の刺激につられないようにするためか、優吾くんは固く眼を閉じたり、歯を食いしばったり……それでも、鋭い眼光は、私と目が合うとふにゃって、優しくなる。

「優吾くん……大好き、大好き……っ!」

「俺も、大好き……愛してる、蒼乃ちゃん……っ!」

 最奥を突きあげられたと同時に、私たちは初めて、一緒に果てた。
 深くて、長くて、いつが落ち着くタイミングなのか、そんなことも分からないような、快楽の淵。

 汗と涙とその他の体液に塗れた私達はしばらく抱き合って、その余韻にじっと浸っている。

「ん……」

 隙間の一ミリを許せないくらい、ぴったりと重なった肌は、このまま癒着しちゃうんじゃないかってくらい、熱くて、心地よくて、気持ち良い。

「蒼乃ちゃん……もう少しだけ、もう少しだけ、こうさせて……」


 ずくんと、硬いままのそこは、欲望を吐き出したはずなのに私の最奥を捉えたままだった。

 柔く、解された奥は、優吾くんの全部を受け入れたくてたまらない。意志や理性と反して、ひどく官能的に甘えてしまう。


 こんな時にまで、自身を落ち着かせて、どうにかやり過ごそうとする優吾くんに「いいよ」と、囁いた。びく、と背筋が跳ねる。


「……嬉しいの……すごく。優吾くんと繋がれたの、すごく、嬉しい……。大好きって、いっぱい可愛いって、宝物みたいに扱われて、嬉しくてたまらないの……だから。ね? つぎは、優吾くんがいちばん好きな、えっちしよ?」


 ぎゅうって、背中に腕を回す。
 逞しく成長した、私だけの男の子。

 私だけをみて、私だけを追いかけて、私が唯一受け入れることのできた優吾くん。


 あなただけが私の特別。
 あなただけが唯一の人。



「お願い。私をあなたの、最後の人にして」


 私を組み敷く優吾くんはのっそりと上体を起こした。

 私は優吾くんの髪をかき混ぜるように撫でた。うなじから耳、顎へと輪郭を滑る。

 視界が揺れているのは、私の眼に涙が溜まっているからだ。
 指で、やさしく拭われる。


 そして


「それ、俺のセリフだよ、蒼乃ちゃん」


 ちょっと困ったように、でも、向日葵が咲いたように笑うんだ。


「蒼乃ちゃんのことが好き。ずっとずっと、これまでも、これからも大好き。蒼乃ちゃんが辛いときに誰よりも近くで支えたい。誰よりも一緒に幸せを分かち合いたいです。いまはまだ、他の誰かにスペックで負けるかもしれないけれど、これから必ず、誰よりも蒼乃ちゃんに相応しい男になる。
 ……だから、大人になった俺と結婚してください」

 8年越しの、プロポーズ。
 幸福で眩む世界は、人生で一番美しい光景だった。

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