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17 フィルナンド
しおりを挟む「でででで、でんか!!フィルナンド殿下?!」
シャリーを抱き締めてひょいと持ち上げる
焦ったように俺の名前を呼ぶシャリーに自然と笑みが浮かぶ
いつだって俺の心を掻き乱すのはシャリー一人だけだった
そんな彼女は俺の中にあるドロドロとしたおぞましい部分などは知らないのだろう
いつも横で笑顔を絶やさない彼女を閉じ込めたい気持ちと、自分が触れていいものなのかと葛藤していた
(「後少し、後少しなんだシャリー」)
パタパタと暴れる彼女の胸元に顔を埋める
ヒェッと言いながらぴたりと止まった彼女の胸の中でくすくすと笑った
7歳も年上のシャリーは年齢を重ねるごとに魅力ある女性になっていった
それを横で見ながらいつもハラハラしていた俺のことをよく兄上達にからかわれているのは現在進行形だ
ーーー
『シャリーと結婚したい』
そう、両親に伝えたのは17歳の時
成人を迎えてお祝いは、何が欲しいかと聞かれた時にそう答えた
嬉しそうな表情を浮かべる母と呆れた表情を浮かべながらもどこか嬉しそうな父の顔は今でも忘れない
「それならお前にこの内容を任せよう」
お願い事をした次の日には父から一つの仕事を請け負った
それは約9年前の一つの貴族裁判の内容だった
その当時は9年も前の話を今更掘り起こすなんて何を考えているんだ?と疑問に思ったが蓋を開けてみたら驚きの内容だった
元ロックフェラー伯爵がブルック公爵家より覚えのない借金返済要求をされた内容だった
「父上…」
「私が隣国に訪問している間に勝手にまとめられた裁判だ。あまりの理不尽さに帰国してからブルック公を問い詰めだが後の祭りだった。ロックフェラー伯爵は爵位を返上してブルジョワ階級になっていたよ」
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そしたら、ロックフェラー伯爵を復活させることができるぞ、と耳元で言われ俺は言いようのない高揚感に襲われた
ロックフェラー伯爵の無実を主張できればシャリーがブルジョワ階級から伯爵令嬢となるため、結婚ができる!!と興奮し、俺は早速その問題に取り組んだ
もちろんシャリーにはバレずに、だ
ーー
「シャリー…俺のことは嫌い?」
「嫌いだなんて!!そんな…!」
「じゃあ好き?」
「へっ?!え、あ、はい…好きか嫌いかと言われたら好きですが…」
なんなのですか…と顔を真っ赤にしてシャリーが呟く
俺より年上なのにこうやって顔を近づけたり触れたりすると初々しく恥じらう彼女が心から愛おしかった
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