あなたより年上ですが、愛してくれますか?

Ruhuna

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「おや、お邪魔だったかな?」


「王太子殿下!!フィ、フィルナンド殿下、!おろしてください!」


「嫌だ」


「何故ですか?!」


フィルナンド殿下に抱えあげられて胸元に顔を埋められた私は死んでしまうのではないかと思うほど緊張と羞恥心に襲われていた


胸なんて触られるのは初めてだし、ましてやそこに顔を埋めるなんて…!!


あたふたとしていると、扉をノックする音が聞こえてすぐにガチャリと扉が開かれる


王太子殿下がヒョイっと顔を出して冒頭の言葉をニヤニヤしながら言った


「ほらほら、ロックフェラー嬢が茹でタコになる前に離してあげなよ」


「ゆ、茹でタコ…」


王太子殿下はたまに変な例えをすることがある、とローズマリー様が笑いながら話していたのはこれだったのかと、場違いにも関心してしまった


「チッ」


舌打ちしながらフィルナンド殿下が私をそっと名残惜しそうに下す
ささっとフィルナンド殿下から距離を取ろうと足を踏み出したその瞬間


「あうっ」

「離れるな」


後ろからお腹にぐるりと腕をまわされた反動でお腹が圧迫され変な声が出てしまった
やばい!と口を抑えたがばっちりきかれていたようだ


どうにか抜け出そともがいてはみたもののビクともしないどころかさらに拘束が強まった腕に私は観念して大人しくその場にとどまった


(「あきらめましょう…」)


遠くをぼんやりと眺めた







「で、兄上はなんですか」

「アイシラ嬢がさっき陛下に「ブルック公爵令嬢に合わせてください!」って怒鳴り込んできたんだけど…何をした?」


おちゃらけた雰囲気から厳しい表情へとスッと変わった王太子殿下にビクリと体が反応する
大丈夫だ、というようにフィルナンド殿下の腕に力がこもった


「私には大事な人がいるから他を当たってくれ。って伝えただけだ」


「…そういうことか。全く、叔父上はを残してくれたな」


ほんとに迷惑だ、と吐き捨てる王太子殿下の態度に私は首を傾げた



「殿下方はアイシラ様を歓迎されてないのですか?」

素朴な疑問だった
アイシラ嬢に冷たく接するフィルナンド殿下と厄介な存在だ、という王太子殿下


「喜んでいるのは父上だけだよ。この年にもなって突然、王族の一員だって連れてこられてもこっちは戸惑うだけだ」


「そう、なんですね…」


王太子殿下の言葉に、確かにそれは一理あるかもしれないと納得した
私も今更父が家族だよ、と妹を連れてきても、え、なんで?となるのが想像できた  


王子達からしたら複雑な心境よね…と考えながら、どうしてアイシラ様はブルック公爵令嬢と会いたいと言ったのか謎が生まれた


「君をフィルナンドから引き離すためじゃないかと私は思っているよ」


「私を、ですか?」

「ブルック公爵がシャーロット・ロックフェラーに執着しているのは王宮に通う全ての貴族が知っていることだからね」


「でも、何故それをアイシラ様が」

ご存知なのですか、という私の声は不安からか自分でも驚くほど小さい声だった


王宮ココはおしゃべりな人が多いから」

魔窟とはよく言ったものだよね、と笑う王太子殿下は楽しそうに笑った




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