あなたより年上ですが、愛してくれますか?

Ruhuna

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ふわふわ






柔らかい綿に包まれた様なそんな感じ






ふわふわ





あぁ、起きなきゃ








ーー










「………んっ」



「……シャリー?」



「フィルさ、ま」


「起きた、のか?よかった…」



意識がゆっくりと浮上した私はベッドの傍に憔悴しきった顔で座り込んでいるフィル様にそっと視線を向けた



体は鉛のように重く、指の一本ですら動かすのが億劫だった




「私、生きて」


「あぁ。生きてる。……3日も起きなかったから心配した」


はぁーっと息を大きく吐き出すフィル様は髪もボサボサで寝れていなかったのか目の下にはクマができている


重たい重たい腕をなんとか持ち上げてフィル様の顔にそっと手を添える


「ご心配を、おかけしました」


「……もう無茶なことはやめてくれ」


「はい。」


すりすりと猫の様に私の手に顔を擦り付けるフィル様にふふ、と笑みが溢れる




「デルフィーナさまは、」


「デルフィーナ嬢はシャリーが止血してくれていたおかげで一命は取り留めたようだ」


「よかった…」


「………あの後のこと、知りたいか?」



「えぇ。ぜひお願いいたします。」






ーーーー





フィルナンド







「シャリー!!嘘だ!!目を開けてくれ!」


目の前で腹部から血を流すシャリーに必死に声をかける


あと一歩。その一歩が届かず、シャリーはアイシラの持つ短剣に刺された



「殿下!!止血を!誰か、早く侍医を呼びなさい!!」



駆け寄ってきたルフェリ侯爵夫人の声でハッと我にかえる
肩にかけていたマントを破き短剣の刺さっていたシャリーの腹部に押し当てた



「離しなさい!!私を誰だと思ってるの!!?フィルナンドさま!!私です、アイシラです!あなたの愛しいアイシラが来ましたわ!!」



「黙れ!!その女の口を今すぐ閉じろ!」


シャリーを刺した張本人であるアイシラを騎士達が取り押さえる
喚き散らすアイシラの口に猿轡を付けさせその忌々しい声を封じた



「殿下!何事ですか!」


「侍医か、早く、シャリーをみてくれ」


「かしこまりました。こちらにお連れしてください」


ぐったりと血の気の引いた肌をしているシャリーを抱き上げて侍医と共に現場を離れた








「コルセットのおかげかそこまで深い傷ではありません」


「命に別状はないということか?」


「はい。ただ、刺された衝撃もありますし、出血量も少なくはないので…いつお目覚めになるかはわかりかねます」


女性は体力が少ないですから…と言いにくそうにしている侍医をギロリと睨みつけてしまう


「殿下。シャーロットは強い人です。彼女の治癒力を信じましょう」


「あぁ…」


ベッドに寝かされたシャリーは浅い呼吸を繰り返しながら眠っていた
冷たい手を握りしめて、どうにか少しでも自分の熱を彼女に分け与えようと必死に祈った


ルフェリ侯爵夫人も毅然とした態度をとっているが、扇子をもつその手は怒りなのか、悲しみなのか小刻みに震えていた





「フィルナンド。入るよ」



「兄上」


「ロックフェラー嬢はルフェリ侯爵夫人に任せて、アイシラとブルック公爵令嬢の件を片付けるよ」


「……はい」



部屋に入ってきた兄上の言葉をききながら俺は名残惜しそうにシャリーの手を撫でて椅子から立ち上がった



「侯爵夫人。頼んだ」


「はい。殿下、どうか、どうか、お願いいたします」



深々と頭を下げる侯爵夫人にグッと唇を噛み締めながら兄上の後に続いて部屋を後にした
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