大公殿下と結婚したら実は姉が私を呪っていたらしい

Ruhuna

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「それじゃあ、行こうか」

「は、はい!」



今日は待ちに待った姉と、王太子殿下との面会の日だ


私が長時間外に出ることは体力的に厳しいと御配慮頂いて、2人がエクルストン家にまで足を運んでくれたのだ


2人が待っているであろう応接間にシオン様に連れられて向かった


心臓が激しく鼓動して、口から飛び出てきそうな感覚だ


無意識にシオン様の腕に回した手をぎゅっと握りしめてしまう


「アイリス。大丈夫だ、私がいる」

「は、はい…ですが…」

「さっきから伝えてるが、君は今すごく綺麗だ。私が保証する」

「シオン様のお言葉を疑うわけではないのです。これは私の心の問題なのです…」


言葉に詰まる私をシオン様は大きな手でぽんぽんと頭を撫でる


(「そうよ。シオン様がいてくれる。それにお姉様に会うだけだもの。大丈夫」)


そう自分に言い聞かせ、応接間に向かった







ーーーー



「お待たせいたしました」




重厚な扉を開いて通れば、目の前のソファに美しく着飾った姉と姉の部屋に飾られた肖像画通りの王太子殿下が座っていた


「わざわざ来ていただいてありがとうございます。こちらが妻のアイリスです」

「アスター王太子殿下にお目にかかります。アイリス・エクルストンでございます」


シオン様の言葉の後に最近やっとフラつかないで出来るようになったカーテーシをする


すっと視線を上げて王太子殿下を見ればその顔は笑顔だ


(「失敗しなくて良かったわ」)


「叔父上。お久しぶりです。大公妃もお元気そうでよかったです。叔父上、こちらが私の婚約者候補のローズマリー・ブリテン嬢です」

「大公殿下にお目にかかります。ブリテン家長女のローズマリーでございます」

ほっとしたのも束の間、王太子殿下と姉がシオン様に挨拶をする


ソファからすっと立ち上がってカーテーシをする姉の姿はやっぱり美しい


じっと姉を見つめる

私の視線に気づいたのか姉が私をチラリとみてきた


「アイリス?!」


「はい。お姉様。お久しぶりです」

「あ、あなたその髪…!!」


「髪?ええ、熱病の後遺症で白くなっていたのですが、最近は少しずつ戻ってきました」


幼い頃に熱病の後遺症で真っ白になった髪は今は少しずつ本来のブロンズピンクに近づいてきている 


髪だけは鏡を通さなくてもみれる唯一の私の変化の部分だ


にこりと笑えば姉はパンッと扇子を開いて自身の顔を隠した


「そう…それに私が上げたピアスにネックレスは?つけておいてと言ったじゃない」

「つけていますよ。ただ、色が変わってしまって…」


耳元と首元につけているアクセサリーを姉に見せる


元々黒であったそのダイヤ達は今は真っ白と薄灰色になっていた


「っっ!す、すごく色が変わっちゃったのね」


「はい。シオン様からきっと形質的なものだと教えてもらいました。」

どこか引き攣った顔をする姉が不思議で少し首を傾げてしまう


「妹思いのブリテン嬢から頂いたアクセサリーだけをつけるので、つい私も対抗意識が芽生えまして指輪を贈らせてもらいました」


私と姉の会話にするりと入ってきたシオン様は私が今左手の薬指につけているアメジストの指輪を姉に見せるように促した


「ま、まあ!ご立派な指輪ね…妹が愛されてるようで姉としては嬉しいですわ」


「良かったね。ローズマリー。君はいつも妹さんのことを考えていたから」

「え、ええ。アスター殿下、私も早くあんな素敵な婚約指輪が欲しいですわ」


姉がアスター殿下にそう言いながらにこりと微笑む


アスター殿下はその言葉を聞きながら何も言わずに微笑むだけだった


「さあ。時間もありませんし、早く話してしまいましょう」


なんとなく気まずい雰囲気が流れる中、シオン様が手を叩き場の雰囲気を一掃した


私の体力の問題上、面会は2時間程度と決められていた為、私とシオン様は姉達の向かいのソファに座り積もる話を時間が許す限り行った






ーーーー




「今日は本当にありがとう叔父上」

「こちらこそ。妻の体調が良くなり次第、王宮にもご挨拶に伺います」

「お姉様。またいらしてくださいね」

「………ええ」


あれから2時間後


姉とアスター殿下の見送りのために玄関までやってきた


2時間座りっぱなしだったために体の倦怠感は強いがそっと後ろからシオン様の腕が私を支えてくれてなんとか立っている状態だ


ニコニコと満足した顔で馬車に乗るアスター殿下とは対照的にどこか不機嫌な姉も続いて馬車に乗る


「それじゃあまた」


そうアスター殿下が言い残して馬車がゆっくりと動き出す





「お姉様…」
「どうした?」
「お姉様が始終不機嫌だったのが気になるんです。姉はいつもニコニコしていましたから…」
「ブリテン嬢も人間だからたまにはそんなこともあるだろう。気にすることはないよ」



シオン様にそう言われて、そうですね。と返す


たしかに、姉のことを天才だと思うが、姉も私たちと同じ人間だ

機嫌が悪いことも多々あっておかしくない



馬車が見えなくなった頃、私たち2人は屋敷の中に戻った


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