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126.5「ロップス:第2ラウンド」
「今度こそ仕切り直しだ」
魔力で棒を作り出し、真っ直ぐに突き出してそう言った私。
ふふ、ちょっとカッコイイな私。
「アイツがいない」
「じゃあ戦う?」
「コイツらぐらいは倒さなきゃ」
「アギーに怒られちゃうよ」
四人の有翼人どもが戦闘態勢に入ったようだな。
「いざ行かん!」
パンチョ殿が剣を抜き払い突撃した。
しまった、出遅れた。
パンチョ殿に続き私も突撃だ。
四人の中央に突撃したパンチョ殿の剣を一人が魔力刀で受け、さらに別の有翼人がパンチョ殿に斬りかかる。
その魔力刀を私が棒で受け、抜いた刀で斬りかかるも別の有翼人がそれを受けて払われ、一旦距離を取る。
「此奴らなかなかやりおるわ」
「イロファスの住人のようにはいきませんな」
はぁっ、と気合と共に魔力を全身に循環させる私。
「次は私が」
「では我が援護しよう」
棒を仕舞い、剣のみを構えて突撃する私に飛来するいくつもの魔力の矢。
ヴァン殿のように小さな障壁を張って弾くのは私には無理だ。
なので剣を振って弾き返す。
「こんなものが今更効くか!」
迅雷斬でなんとか弾ける程の速さ、ではあるが余裕があるフリをせねばな。
慌ててると思われるのはカッコ悪いからな。
「真・烈風迅雷斬!」
一人の有翼人に斬撃が入ったが、浅い。
僅かに斬り裂いたのみだ。
パンチョ殿の剣から放たれた風の刃を切っ掛けに二歩下がり、すぐさま改めて斬りかかるが、別の奴がすぐにフォローに回って上手くいかん。
確かに良い連携をする。隙を見て一人ずつ仕留めるしかあるまい。
斬りかかっては往なされ、を二度三度と繰り返す。これでは埒が開かん。
迅雷斬では少しぐらい剣が入ったとて効いてる様子でもない。かと言って連中の動きを見る限り十山斬のような遅い剣が当たるとは思えん。
ここでアレを使うか。
イギーめを叩っ斬る用だったんだがしょうがあるまい。
ガゼル様の魔力操作も併用すると格段に難易度が上がるが、効かなかったらカッコ悪いしな、ここは出し惜しみなしだ。
「ロップス殿、代わろうか?」
「ここからが本番だ。中距離で牽制をお願いしたい」
まずは魔力操作に集中、幸い積極的に攻めてくる様子でもない、全身に隈なく高速で魔力循環させタイミングを計る。
剣を構えてゆっくりと近付き普通の十山斬を放つも魔力刀で受け止められ、さらに別の一人が私に斬りかかる。
「明き風刃!」
その一人に放たれるパンチョ殿の風の刃を別の一人がさらに防ぐ。
ここだ。
今の攻防に参加していない最後の一人を目掛けてとっておきだ。
「真! 烈雷剛迅斬!」
高速で横っ飛びを一つ、最後の一人の眼前に飛び込んでやや崩れた形の袈裟斬り、角度のついた横薙ぎと言い換えても良い。
魔力操作も完璧だ。
プックルの魔法なしゆえ、叔父上に使ったものより威力は落ちるが、現段階では最高の一撃だ。
「ぎゃぁぁ!」
左肩から右胸まで両断し、二つになった有翼人の体が砂のように崩れ去っていく。
「さて。残りは三人だ。お前たちも覚悟せよ」
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