やぶ医者の女房 〜あたしの正体が妖狐だと知られたら、離縁されてしまうでしょうか〜

ハマハマ

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番外R18「ヨルの真ん中」①

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 オレの尾がまだ二本だけだった――小狐だった頃から、御方さまはオレの憧れだった。

 オレの尾が三本になってしばらくの頃、御方さまの尾っぽはすでに九本。
 この黒狐の里の男とこしらえ産んだメスの小狐と暮らしていたが、小狐の尾っぽが三本に増えるとふらりと里を出て、今度はまたどこぞの人族の男と子を成したそうな。

 その後しばらくして尾っぽが十になると共に神狐しんことなって里へ戻られ、三尾となった長女へ未だ二尾の次女を託したそうだ。
 オレを含めて誰もその時の御姿を目にしてはいないが、里の者全てがそれを感じる事ができたのだ。



 そんな御方さまを、まだ尾っぽの数が九本にさえ届いていないオレが、今夜――



 ――抱く。


 黒狐の里の丘の上。
 ではナナオとケンテツが暮らす、二間しかないあの小さな庵。

 そこでオレと御方さまは今夜、つがう。


「――シチは? 寝たの?」
「すやすやと――可愛いものでございます」

 生え変わったばかりのオレの七本目の尾っぽ。シチはもう数年は小狐のままだろう。
 きょとんと可愛いらしく首を捻るシチではあったが、精一杯心の底から謝った。
 それにこれからもっと大事にすると誓う。

 ケンテツ――約束を少しは果たせただろうか?

 しかしケンテツの答えがどうであれ、もうオレも御方様もつもりだ。


 御方さまはヨーコの父が死んでのち神狐となり、もう何百年も一人その老いることのない熟れたカラダをもてあそばせてきた。

 オレは……オレが……オレ如きがそれを慰めても良いものか――なんて事はもう言わん。

 オレはオレがやりたい様にやることに決めたのだ。例えケンテツが頷いてくれなくても、だ。
 すまんな、ケンテツ。



「ヨ――ヨル? ほら、ここ」

 頬を染めた御方さまが臥所ふしどに肘で体を支えて横たわり、そのご自分の隣をぽんぽんと叩いて言った。

「で――では失礼して……」

 ぷふっ――と吹き出した御方様が続ける。
「なによヨルってば、生まれて百一ひゃくいち年目のじゃあるまいし、なに照れてるのよ」

 ……恥ずかしながら緊張している。
 もう何百年と憧れた御方さまが相手だというのもある。
 さらに、人の姿でつがった事はほとんどない、というのがもう一つ。
 困ったことに御方様は、『人の姿で番うのが良いんだ』と言って聞かないのだ。


「あは♡ 取って食う訳じゃないんだから。緊張しちゃって可愛いいんだぁヨルってばぁ♡」

 ――む。
 御方様とは言えその様な――幼な子にする様な扱いをされては堪らぬ。オレとてこれでも黒狐の元棟梁。

 御方様のすぐ隣、布団の上にどっかり胡座あぐらで座る――

「えいっ! ……まっ、ヨルったら♡」

 ――と共に前で分けられるオレの夜着。

「な――っ! 何をなされます御方さま!?」
「何って……ナニに決まってるじゃん」

 そう言って怪しく微笑んだ御方様は、すでに天を衝くを、あろうことかその口に含んだのだ。

 取って食わ――れ――!? ――っ! ぬ……!? ――!

「くっ――これは――ふぅ――は、はぁ――っ」
「あ――むぅ、あ――んぅ……なぁに可愛い声出して? そんなに、良いのぅ?」

 これはなんなのだ、こんな……人の姿で番うのは、こんな……こんな快楽が――

 返事をしないオレの顔をちらりと盗み見た御方さまが、嬉しそうに今度は根元まで咥えて上下に動く。
 口の中で蠢く舌がぬめぬめとオレに絡まり――

「おっ、御方さま――っ! これ以上は――オレはもう――は、果ててしまう――っ!」

 慌てて御方様の肩を押す様にして引き離したのだが……ダメだった。遅かった。
 果てたオレの真ん中は、少し離れた御方様の顔めがけて真っ白な子種を撒き散らしてしまった……


 ……最悪だ。
 せっかくシチも寝かしつけて寝床もしつらえ、御方様のその身を慰めるべく整えた今夜が今、終わってしまった。

 オレの子種が跳ねてかかった片目を閉じたままの御方様。
 数百年ぶりのを台無しにされお怒りになられるだろうと覚悟したのだが、けれど予想外に、御方様は微笑まれたのだ。

「もう、イクならイクって言ってよね。ぐちゃぐちゃになっちゃったじゃん」

 放たれた言葉は非難する内容だが、その表情は桃色に上気し嬉しそうな――?

 そっとオレの手を取った御方様は、オレの指で御自分の目を拭い、子種で汚れたその指を咥えてあむあむと舐め取った。

 その御方様の子種で汚れたお顔が――ちろちろ動く舌が、表情が――……

「あは♡ まだまだだね♡」

 ……その御方様を見ているだけでへそまで届きそうな程に主張するオレの真ん中に、御方様は優しく触れてそう言った。

 オ……オレの知る随分と違う。

 こんな――怪しく微笑むも、それを見て何度も猛るも、七百年近く生きてこれまで、オレは知らぬ。

「ヨル。目一杯、愛してあげるからね」
 再びオレの真ん中を咥えようとする御方様を押し留める。いつまでも御方様の掌の上という訳にもな。

「今度はオレが、あ――愛して差し上げます!」
「あん、ダメっ、アタシまだ舐めるんだか――……らぁッ――!?」

 御方様の夜着を前で割り、露わになる豊かな胸と無毛の
 御方様の様にいきなり食らうのが正解なのか分からぬが、これまでの御方様ならば……

「――あぅっ、ヨルっ、ん――あっ――そこ――っ」

 はだけた夜着から覗く二つの膨らみ、その片方をふわりと掴んでやわやわと揺らす。

 御方様の反応の全てに全神経を集中――

「ヨ、ヨル――っ、先っぽも――あんっ――触っ――てぇ」

 けれどそれを無視。
 掌の中のものをやわやわと揺らしたまま、オレの口で御方様の口に蓋をする。

 そのままの姿勢で、すでに無用なものとなったお互いの帯を解く。袖から腕も抜きたいところだが、前をはだければ特に邪魔にはならん。そのままで良い。

 舌を絡めて口を吸い、膨らみの先にやわやわと揉む。

 口を吸いつつ御方様の表情を伺う。
 きっと今のオレは真面目に真剣な顔をしているんだろうな。

 蕩ける様な恍惚の表情の中、じれったさがどんどん募る――眉間に皺を寄せた、そんな切なそうな顔をされている。

 もぞもぞと太腿を擦り合わせる様な仕草の御方様。その御方様がオレの唇から逃げる様に口を離して何かを言い募ろうとしたその時――

 一瞬早く膨らみの先――桃色の尖りをぺろんと舐め上げた。

 ――ビクッと跳ねる御方様の背。
 押さえつける様に片手で抱きしめて、逆の手で膨らみを包むと共に尖りを指で優しく押さえ、さらにもう一つの尖りを口に含んで舌で転がす。

 オレの口の中――よく働くオレの舌が、左右に上下に円を描くように、時折りつつくように――

「――ぁっ――コレ良いよぉヨルぅぅ♡ あぅっ――あんっ――」

 カリっと前歯で優しく尖りを挟んだ。

「――っ! ――――っっ! ――――――あ――んんっ!! んっ! んぅっ!」

 背を反らし何度もビクッビクンッと跳ねる御方様のその姿、口のから涎を垂らすその表情――

 これは堪らん。はまる。

 オレの真剣な顔が崩れるのが分かる。愛らしい御方様の姿を、もっともっと乱れさせたい。

 跳ねる体が落ち着くや否や、御方様の脚を割り、御方様のへ陣取る。

「ヨ――ヨル……、お願い――ちょっと……」

 待たない。
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