あなたの狂気に囚われたい

碧 貴子

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番外

番外:私と弟の日常

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※時系列的には、5話と6話の間、ヒロインが湖に飛び込む少し前の話になります。




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「ははは! 本当に、アルバートは賢いな!」
「本当!?」
「ああ。きっと、姉上に似たんだな」

 愛しげな眼差しで優しく頭を撫でる弟に、息子が嬉しそうな顔になった。

 息子のアルバートは、養父である弟が大好きだ。
 そんな二人の姿は、まさしく実の親子そのもので。
 部屋の外からその光景を見ている私は、胸が苦しくなる。
 普通の親子であったのなら、と思わずにはいられない。

「アル。お勉強は終わった?」
「はい! お母様!」

 部屋に入り、声を掛けた私に、息子が笑顔で振り返る。
 輝くようなその笑顔に、私もつられて笑顔になる。

「ふふふ。じゃあ、おやつが用意してあるから食べてらっしゃい」
「わあ! 今日はなんだろう!」
「さあ、何かしらね? アルは何だったら嬉しいのかしら?」
「プディング! 僕、プディングが一等好きだ!」
「ふふ。本当、アルはプディングが好きね」

 やはり、親子だ。
 瞳を輝かせて部屋を出て行った息子を見送りつつ、私は感慨にふける。
 そんな私を、いつの間にか側にやってきた弟が後ろから抱きしめてきた。

「……懐かしいですね」
「そうね」
「私も、姉上が用意して下さったプディングをよく食べたものだ」
「……あなたも、プディングが好きだったものね……」

 血は争えない。
 息子は、かつての弟そのままだ。

「……でも、それ以上に思い出しませんか?」
「それは……」

 弟の声が、艶を帯びる。
 耳元でねっとりと囁かれて、思わず体が震えた。

「この部屋で、よくあなたはこうやって、私に触れましたよね……」
「あ……」

 弟の手が、服の上から不埒に胸をまさぐる。
 首筋に口付けられて、その熱く湿った感触に、ぞくりと肌が粟立った。

「ウィル……、駄目……」
「何故です?」
「今はまだ、昼間、よ……」

 すでに弟の手が、スカートの中で私の内腿を這っている。
 撫で上げたその手が、下着の隙間から私の秘所に触れた。

「駄目……」
「……しかし、姉上のここは、駄目とは言ってませんよ?」
「……っ」

 クチ、と弟の指が蜜の音を立てる。
 陰唇を割開いた指が、わざと音を立てて陰核を擦った。
 途端、痺れるような快感に、脚が震える。

「ウィル、本当に……」
「こんなに蜜を滴らせて?」
「こ、こんな、ところで……」
「……大丈夫。アルは当分、来ません」
「……ふ」

 指で挟まれて、体から力が抜ける。
 たまらず机に突いた私の手の隣に、弟が片手を置いた。
 背中に、弟の体が密着する。
 机に置かれた手の甲を、親指で撫で上げられて、ぞわりと体が快感に震えた。

「……姉上。あの頃と、逆、ですね」
 言いながら、ツプリと指を沈める。

「どう、ですか? こんな所で、私にいじられる気分は」
「……嫌、だった、の?」
「まさか。こんな所で、姉上に触って頂けるだなんて、と、凄く興奮しました」
「そう……、っん」
「姉上も感じて、らっしゃるんでしょう?」
「んっ……、ふ……」
「こんなにも涎を垂らして、私の指をしゃぶって。……いけない方だ」

 私の体を知り尽くした弟の指が、ぐるりと私の中をなぞる。
 快感とともに指を締め上げた私に、弟がクツクツと耳元で笑った。

「……姉上。どうして、欲しいですか?」

 耳に直接、蛇の甘言を吹き込まれる。
 私が簡単に堕ちるのを、知っているのだ。

「言わなくては、駄目、ですよ?」

 ぐっと、指で中を押し上げられる。
 でも、足りない。
 そこじゃ、ない。
 じゃ、ない。

「姉上、言って、下さい……」
「……は。……ウィル、……駄目」

 形ばかりの虚勢。
 体は正直だ。
 でも、駄目だ。
 ここは、子供部屋だ。
 こんなところで、すべきでは、ない。

「はは。今日の姉上は、強情だ」
「……ああっ!」

 陰核を強く擦り上げられる。
 昇りつめる寸前で、中から指が引き抜かれた。
 わななく膣内が、物欲しげにヒクつく。

 すっ、と体を離されて、途端に寂しくなった。
 弟の、ウィリアムの温もりが、恋しい。
 縋るように振り返り、服の裾を掴んだ私に、弟が嬉しそうに微笑んだ。

「姉上……」

 再びのし掛かられて、胸の底が喜びに熱くなる。
 スカートの裾を捲られて、待ち望んだものを宛がわれた私は、期待で体を震わせた。

「……お願いです、言って、下さい」

 懇願する口調に、体がゾクゾクする。
 これ以上は、嘘をつけない。

「ウィル、お願い……。あなたのもので、私を、犯して……」

 一息に貫かれ、一瞬で達してしまう。
 ぶるぶると震えながら、机に身を伏せた私を、弟がきつく抱きしめてきた。

「はっ……、姉、上っ……」

 未だヒクつくそこを、ガツガツと突き上げられる。
 強すぎる快感に、私は再びあっさりと達してしまった。
 嬌声を上げる私の口を、弟の手が塞ぐ。
 くぐもった喘ぎ声と、軋む机の音が部屋に響き、本来健全であるべき子供部屋が淫猥な場所と化す。
 肌を打つ乾いた音と、秘所から漏れる湿った水音が混ざり合い、淫らに掻き立てられる。
 こんな場所で、弟に犯されて悦ぶ私は、きっと地獄に落ちるのだろう。
 それでも、構わない。
 彼となら、どこまででも、堕ちていける。
 縋り付くように、背後の弟に腕を回した私に、ウィリアムが苦しそうに呻いた。

 嗚呼、出される。
 期待に、私の膣内がわなないて蠢く。
 いっそう硬く膨らんだそれが、最奥を穿って熱を吐き出した。

 荒い息を吐いて、重ねられる体。
 体の奥に広がる、温もり。
 全てが、心地よい。
 引き抜かれたそこから、こぷりと弟の白濁が溢れる。
 脚を伝って落ちる、それすら感じてしまう。

 もう、とっくにわかってる。
 私は、弟を愛しているのだ。

 私を抱き上げて椅子に座った弟の首筋に、腕を回して顔を寄せる。
 弟の、ウィリアムの、匂い。
 甘えるように鼻を擦り付ける私に、弟が嬉しそうに笑った。
 優しく抱きしめられて、胸が温かいもので満たされていく。
 泣き出したくなるような、幸福感。

「どうしました、姉上?」
「ウィル……」

 弟の頬に手を添えて、唇を近づける。
 互いの吐息を感じて軽く触れ合わせると、群青の瞳が揺れた。

「姉上……」

 深く、口付け合う。
 気持ちを確かめ合うかのように、互いの唇を貪る。
 絡めて、吸い合って、唾液を交換する。
 時が経つのも忘れる程に、夢中になって口付け合う。
 は、と息を吐いて唇を離した私を、弟がきつく抱きしめてきた。

「……姉上、好きです。愛してます……」

 応えるように、ギュッと抱きしめ返す。
 言葉に出来ない分、力を込めて。
 愛されるだけ愛されて、それを返さない私は、狡い女だ。
 でもそんな私を、どこまでもこの弟は甘やかしてくれる。

「ウィル、もっと……」
「姉上……」

 机の上に押し倒され、激しく愛し合う。
 脚を絡めて深く咥え込み、口付け合って縋り付く。
 もっと、もっとと急き立てて、体の奥深くで弟の精を受け止める。

 そんな淫らなことをしておきながら、部屋を出た瞬間、私達は姉弟だ。
 何事もなかったかのような顔をして、笑顔で息子を抱きしめる。
 そして、夜、再び私達は姉弟の仮面を脱ぎ捨てるのだ。

 いつまで続けられるかわからないが、これが私と弟の穏やかで歪な日常だ。
 願わくは、もう少しだけ。
 弟の愛に囚われていたい。

 私は今、幸せだ。



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感想 8

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みんなの感想(8件)

ねこねこ
2019.12.15 ねこねこ

どうせ〜から、作者様の作品が好きになってこちらを拝見しました。
もう大好きです。暗い描写が深いほど、光の部分が眩しくてキュンキュンきます。また色々な作品楽しみにしてます!

2019.12.16 碧 貴子

ねこねこ様
感想ありがとうございます!
拙作を好きと言ってもらえて、めちゃくちゃ嬉しいです!!
書き手冥利に尽きます!!本当にありがとうございます!!
この、「あなたの狂気に囚われたい」は、私の中でも思い入れのあるお話なので、好きと言って貰えると本当にもう嬉しいんです!!嬉しいしか出てきません!(語彙崩壊)
「シェリ~」とならんで、自分では代表作だと思ってます。
読んで下さって、本当に、本当に、嬉しいです!!
ありがとうございます!!*.+゚★☆喜d(≧▽≦)b喜☆★゚+.*

解除
kobuupapa
2019.10.27 kobuupapa

この番外編も、とても背徳的だけど、とても美しいエロスだ。

いつもながらですが、淡々とした描写が逆にエロスを際立たせてますね。

2019.10.27 碧 貴子

kobuupapa様
ありがとうございます!
背徳的で美しいエロスと言って頂けてめっちゃ嬉しいです!!ヾ(*´∀`*)ノ ♪
本当は、もっとドロドロエロエロさせるつもりだったのが、何故かそんなにドロドロでもエロエロでもないと気付いてしまい、エロを!!エロを書かねば!!と書いた番外です♪
実は、本編後の二人のその後も番外で書きたいな……という野望がありまして、いつになるかはわかりませんが、その内に書く予定であります。
なので、もしkobuupapa様が良ければ、また読んで頂けたらとても嬉しいです!
本当に、ありがとうございます!!ヽ(。>▽<。)ノ

解除
づら子
2019.10.27 づら子

投稿サイトを読んでいて初めて泣きました。
こんなに素晴らしい作品に出会えて幸せです。
これからも執筆頑張ってください。

2019.10.27 碧 貴子

づら子様
感想ありがとうございます!
泣いて頂けたと知って、凄く!凄く!!嬉しいです!!
もう本当に、めちゃくちゃ嬉しいです!!・゜゜・(/□\*)・゜゜・
拙いお話ですが、づら子様の心の琴線に触れることが出来たのならとても光栄です!!
本当に!本当に!!ありがとうございます!!

解除

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