知らない言葉、知らない感情。

雨水

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最初の出会い

2話〜ヴァロー視点〜

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俺はSランク冒険者、ライオンの半獣人のヴァローだ。

最近俺が今いるモナバル王国の端の魔の森に害魔獣が増えて困っていると冒険者ギルドに討伐依頼が入った。

今日はそれでBランク以上の冒険者に声がかかり、団体で魔の森に来ている。

午後くらいから害魔獣がピタリと出なくなったので明日には帰れるだろうと、皆はメシのため狩りに行っている。

俺は留守番だ。

「寒っ、テントに入るかぁ」

どうせ害魔獣の気配はわかるし、外でも中でも変わらんだろ。

よいしょと立ち上がり中に入る。

暫くしてから何かが走ってきているに気づく。

息を殺し、様子を伺っているとその生物が喋った。

『※※※※※※※※※※※※!』

「何で子供が?」

聞いたことのない言語だが、子供のような声に警戒しつつテントを出る。

目の前には見たことのないような服を着た黒目黒髪の10歳くらいの子供がいた。

怪しい。

こんな危ない場所に人間の子供がいるとかおかしーだろ。

「お前は誰だ!!」

子供は焦った顔で固まっている。

その表情を見て怪しいと思いながらも手を伸ばして声をかけようとした。

『※※!』

子供の焦った顔が急に恐怖に変わり頭を抱えて蹲った。

「俺は何もする気は…大丈夫か?」

子供の肩に触れると急に力が抜けたように子供は意識を失ってしまった。

「どうするよ、これ」

訳の分からない状況にため息がでる。

子供を拾い上げるとかなり冷えていた。

「とりあえずテントに入れて温めてやるか…怪しいけど」

テントに入れてやり寝袋に寝かす。

思い返すと気絶する前の様子は日頃から暴力を受けている者のそれではないのか?

抱えた時も痩せていることがわかった。

じゃあ何でそんな子供がここにいるかって話だよな。

捨てられた?

いやいやここまで捨てにこれる親ってどんな親だよ。

ここは魔の森、奥に行けば行くほど害魔獣が強くなる森だ。

俺たちはかなり奥に来ていて、Bランクなんかは根を上げて何人か帰ったくらいだ。

人間の形をとる魔獣は見たことも聞いたこともねぇ。

その可能性は無いと見ていいのか?

子供をよく観察してみる。

髪は肩まで伸びていて、顔立ちは幼く可愛い…。

しかしよく見ると顔や腕に痣や傷がある。

虐待の説は濃厚、でも捨て子ではなさそうだ。

服も見たことがない物だが質はかなり良い。

実はこいつが強くて、自力でここまで逃げてきたとか?

考えれば考えるほど分からなくなる。

「お前はどこから来たんだぁ?」

当然だが聞いてみても反応は無い。

「はぁーーー」

ため息をつき、皆が帰ってくるのを待つことにした。










ーーーーーー








「ヴァローさーーーん!イノシシ取ってきたよー!」

そう言いながら声の大きいロジーがテントを開ける。

「ヴァ、ヴァローさん誰ですかその子!隠し子?!来る時いなかったけどー」

「あぁロジーか」

今までの出来事を話した。

「ヴァローさんそれメチャクチャ怪しやつじゃーん!」

『※※』

「「!!」」

子供が目を擦りながら起きた。



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