知らない言葉、知らない感情。

雨水

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最初の出会い

6話~ヴァロー視点~

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テントに入るとタロはちょこんと寝袋の上に座っていた。

「食べろ、メシだ」

タロにスープとスプーンを差し出す。

タロは少し悩んでから受け取ってくれた。

俺も座って、タロを見る。

『※※※※※※』

タロは手を合わせて祈っているみたいだ。

見たことのない祈り方だが、タロのいた場所でのものなのだろうか?

タロが一口スープを食べるとなぜか泣き出した。

そんなに俺のつくったスープは不味かったか…。

あー他の人のを分けてもらってきた方がよかった。

『※※※※※※』

タロが何か言って僅かだが笑った…。

すごく儚くて綺麗に笑った。

そして食べ始めたので、多分不味くて泣いたわけではないのだろう。

安心して俺も笑ってしまった。

『※※※※※※※※※』

しかし、暫く食べていたタロが手を止めて、食べ始めにしていた祈りをして腹をぽんぽんとしている。

まだスープは半分も残っているが、多分腹がいっぱいになったということだろう。

そんなに少なくて大丈夫なのか?

もしかして元居たところではあまり食べさせてもらえていなかったのだろうか。

もう食べる様子もないし俺が残りをさらえ、器を持って外に出る。

「ヴァローさん!ひどい!俺もタロちゃんの食べるとこ見たかったのに!!」

出て早々ロジーが大声で文句を言ってくる。

「知らん。お前がよそに行ってたからだ。だが、タロはかなり小食みたいだった。この器のスープ半分しか食べれなかったみてぇだ」

「虐待…されてたってことだよね。やっぱり」

「あぁ、そうだろうな」

メシ食って泣いて笑うくらいだろ…。

どんな生活してたんだよ。

タロがどこから来たかわからなく、人でない存在だとしても、守りたくて仕方がない。

皆に明日帰ることを伝え、テントに入ると、タロは俺の寝袋で魘されながら寝ている。

いったい何があってお前はここにいるんだ?

魘されているタロの頭を撫でてやると、険しかった顔が幼くあどけない顔になった。

かわいい…。

俺が寝る場所にタロを寝かせているので、俺は狭いがタロを抱き込む形で眠りについた。







ーーーーーー








朝方タロがもぞもぞ動くのでまだ寝てろと言う意味でまわしている腕に力を込める。

タロは起きるのを諦めたのかまたスヤスヤと寝息が聞こえる。

辺りが明るくなり目を覚ます。

隣を見るとタロが寝ていて、少し突っついてみたが起きようとしない。

今日は朝イチで動くのでタロを寝袋ごと抱えて外にゆっくりと下ろし、テントを片づける。

他の冒険者達も片づけ始めていたから何人かがチラチラと寝ているタロを見ている。

「おい!タロは見世物じゃないんだぞ!さっさと片づけちまえ!」

「そうだぞーーー!」

ロジーがいつの間にかテントから出てきてそう叫ぶ。

タロが起きるかと思ったが、まだ寝ている。

余程疲労が溜まっていたのだろう。

皆が片づけ終わってもまだ起きず、仕方なく俺が抱えて歩くこととなった。

タロは細く軽いので問題はない。

しかし時より頬を俺の胸にすり寄って来るのはやめてもらいたい…。

俺は子供の相手なんざしたことねぇんだよ。

よく分からない感情が湧き戸惑う。

帰りも害魔獣が出ると踏んでいたが全くでない。

おかしいと思いながらも皆足を進め太陽が真上にくる頃には魔の森からでれた。

「そろそろタロを起こすか…」

「起こすのか?」

「もう充分寝ただろう」

そう言いながらタロに呼び掛ける。

「タロ、タロ~起きろ」

ペチペチと顔に触れる。
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