知らない言葉、知らない感情。

雨水

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最初の出会い

16話~ヴァロー視点~

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ロジーがさりげなくタロの首元を拭いていると、タロはズボンを履いてないことに今気づいたようで、急いで履きにいっている。

ヤバいタロの首に噛みあと残ってる。

少し血出てたしな。

周りからの目線が痛くなりそうだ。

「タロ、食べる、行くぞ」

少し重い気分で食堂に行く。

「ヴァローさん、おはよう。よく寝れたかい?」

店主のマニーおばさんが声を掛けてくる。

「あぁ、おはよう。朝のおすすめメニュー2つ頼む」

マニーおばさんはタロに目を向けると、やはり首の噛みあとが目に入ったのだろう。

「あんたこんな小さい子に何してんだい!」

当然のことだが周りの目がいてぇ。

「いや、これには訳があるんだ…」

「どんな理由があろうと子供に求愛するなんて!」

「ヴァローさん何深い訳があるみたいに言ってんの~?ただ寝ぼけてただけじゃーん!」

「っちょ!ロジー!」

そんな火に油を注ぐ様なこと言うなよ!

まあ悪いのは100%俺なんだが。

「ごめん」

急にタロが謝り、不安のそうな顔をしている。

ああ違うんだ、お前が悪い訳じゃないんだ。

マニーおばさんが手に持っている飴の入った瓶をタロに渡す。

「?ありがとー」

すこし不安が薄れたみたいだ。

「食べな」

マニーおばさんがタロにわかる言葉で言う。

タロは俺の方を窺うので、食っていいぞという意味で笑ってやる。

瓶から一つ飴を取って口に入れた瞬間、タロはあまり表情は動かなかったが目がキラキラしている。

流石マニーおばさん…子供の扱いが上手い。

いつものようにタロは祈ってから食べ始める。

食べ終わってからマニーおばさんに挨拶をすまして、町にいる息子夫婦と貸馬を生業にしているドグ爺さんの所に行った。

「ようドグ爺さん!いつも通り街まで帰る。今日は1人子供が一緒に乗るんで、大きい馬で頼むわ」

「行きはこんな可愛い女の子居なかったじゃろう!ヴァローさんどこで攫って来たんじゃ!?」

ドグ爺さんが人聞きの悪いことを言ってくる。

「いや魔の森で保護したんだよ!それにタロは男の子だ!これから教会に連れていく所なんだ。あそこには孤児院もあるしな」

「男の子だったんじゃな…そう言うことだったらこの馬じゃ」

ドグ爺さんがそう言って連れて来た馬は確かに普通の馬より少し大きかった。

「助かる」

馬の料金を払い、馬を預かる。

「タロ、行くぞ」

馬に乗って、タロを持ち上げるよう目配せする。

ロジーに持ち上げてもらいタロは馬に乗る。

急に持ち上げられて驚いたタロはバランスを崩して落ちそうになるのを支えてやる。

タロとの距離がグッと近くなると、タロが何故か顔を赤くする。

朝のことやっぱり気にしてんだよな…。

はぁ、タロすまん。

馬なら半日で街まで着くはずだ、それまで我慢してくれよ。
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