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第一章
3.一服
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「朝のニュースを見るなんて久しぶりのような……」
『屍送り』の特集が終わり話題の芸能ニュースなどが流れるが、知っているものは一つもなかった。
他の時事的なニュースも見知らないものばかり。
「こんなんじゃ、また世間に関心ないって言われるな」
悠は興味なさそうにテレビから視線を外し、朝食の残り一口を呑みこんで両手を合わせた。
「ご馳走っと」
食器を重ねて流しに運ぶ。リビングの時計を見ると、まだ少しゆっくりするだけの余裕はあった。
食器を洗い終え、食後のお茶を自分で入れてリビングのテーブルに着く悠。
ニュースでは、『巷で話題のフルーツタルト!』として悠の住む奏風町の喫茶店が特集されていた。
奏風町。
都心から少し離れてはいるものの、人口は市内でも多い。これといった名所は無くとも駅前は高層ビルが立ち並び、商業施設も充実している。町の大部分は盆地にあり、交通の便が多少不便なこと以外は何不自由ない生活を送れる穏やかな場所だ。
喫茶店のマスターらしき男性のインタビューを横目に食後の緑茶を楽しむ。
しばらく無感情のままゆっくりしていると、制服に着替えた亜紀がリビングに戻ってきた。悠と同じ紺色のブレザーを着こなしている。
四月、それは大勢の人間が新たな生活をスタートさせる季節だ。彼ら兄妹も例外では無く、悠は奏風高校の二年生に。亜紀は同じく奏風高校の一年生に進学する。
「ご馳走さん、今朝も最高だった」
「お粗末様です」
お世辞抜きの朝食を出してくれた妹に感謝を伝える。すると、亜紀は綺麗に食してくれた兄に対し嬉しそうにはにかんだ。
「それでは私は友達と待ち合わせをしているので先に出ますね。いいですか、兄さん。何度も言いますが久しぶりの学校だからって面倒がらずにちゃんと登校してください。四ヶ月も入院していたのに進級させてもらったんですか」
「わかってるって。制服着ちまったんだ、ちゃんと行くよ」
「本当ですね?」
結局、亜紀は家から出て行くまで何度も何度も悠に学校へ来るよう言い続けていた。これではどちらが年長者かわからない。
亜紀を見送りリビングに戻ると、悠の頭に微かな違和感が浮かんだ。
「――てか、俺はなんで入院していたんだっけ?」
『屍送り』の特集が終わり話題の芸能ニュースなどが流れるが、知っているものは一つもなかった。
他の時事的なニュースも見知らないものばかり。
「こんなんじゃ、また世間に関心ないって言われるな」
悠は興味なさそうにテレビから視線を外し、朝食の残り一口を呑みこんで両手を合わせた。
「ご馳走っと」
食器を重ねて流しに運ぶ。リビングの時計を見ると、まだ少しゆっくりするだけの余裕はあった。
食器を洗い終え、食後のお茶を自分で入れてリビングのテーブルに着く悠。
ニュースでは、『巷で話題のフルーツタルト!』として悠の住む奏風町の喫茶店が特集されていた。
奏風町。
都心から少し離れてはいるものの、人口は市内でも多い。これといった名所は無くとも駅前は高層ビルが立ち並び、商業施設も充実している。町の大部分は盆地にあり、交通の便が多少不便なこと以外は何不自由ない生活を送れる穏やかな場所だ。
喫茶店のマスターらしき男性のインタビューを横目に食後の緑茶を楽しむ。
しばらく無感情のままゆっくりしていると、制服に着替えた亜紀がリビングに戻ってきた。悠と同じ紺色のブレザーを着こなしている。
四月、それは大勢の人間が新たな生活をスタートさせる季節だ。彼ら兄妹も例外では無く、悠は奏風高校の二年生に。亜紀は同じく奏風高校の一年生に進学する。
「ご馳走さん、今朝も最高だった」
「お粗末様です」
お世辞抜きの朝食を出してくれた妹に感謝を伝える。すると、亜紀は綺麗に食してくれた兄に対し嬉しそうにはにかんだ。
「それでは私は友達と待ち合わせをしているので先に出ますね。いいですか、兄さん。何度も言いますが久しぶりの学校だからって面倒がらずにちゃんと登校してください。四ヶ月も入院していたのに進級させてもらったんですか」
「わかってるって。制服着ちまったんだ、ちゃんと行くよ」
「本当ですね?」
結局、亜紀は家から出て行くまで何度も何度も悠に学校へ来るよう言い続けていた。これではどちらが年長者かわからない。
亜紀を見送りリビングに戻ると、悠の頭に微かな違和感が浮かんだ。
「――てか、俺はなんで入院していたんだっけ?」
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