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4、バリバリ尾行するぜ!
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翌日、僕は急遽、余りに余っていた有休を半日取って早退した。
「えー、急ですね。最後の会議で挨拶をー」とか教頭先生に言われたけど、俺はそれどころじゃないんだよおお!!
何度も同じ事ダラダラ言ってる会議はノーサンキュー
挨拶は、あとで茶菓子配るから問題ない。
ちなみに送別会はちょっと顔出して帰った。
俺は日本の1人1人お酌しての挨拶回りにウンザリしている。
独身で若い俺は、やたら転勤がある。
なので、行った先でも歓迎会があるからだ。
親父の知り合いが県内で私立経営してるので、そこから誘いもあるが転勤がないってのも息苦しい。
結婚でもしたら考えると返事したけど、女に興味ない俺は一生独身で終わりそうだ。
車に乗って彼らの待ち合わせのショッピングモールに行く。
目立たない最上階の角に停めた車の後部座席でストライプスーツ着て、普段ゆるいくせ毛の6,4で分けてる長めの髪を、オールバックにしてジェルで固める。
黒い丸眼鏡かけると、ほら、僕だとわかんないけどめっちゃヤバい奴。
うーん、誰にも僕だとわからなすぎだよな。
ガチャッ
カッ!
普段は履かないブランド物の靴は音がいい。
車から出てスッと立ち上がり、ズボン整えスーツの裾をピンと引く。
たまに着るブランドスーツはまあ、夜遊び用だ。
夜遊びと言っても、俺は騒がしいところと女はいらない。
しかし最近行きつけのバーには、まったく酒飲みに行ってない。
ストレスたまったら麻都に会いに行くので、あの愛らしい顔見て帰るとよく眠れる。
いつか一緒に行けたらなーと思うけど、まあ夢のまた夢だろうと思ってる。
最後に着たのは従兄弟の結婚式くらいかな。
ショッピングモールを歩いていると、スッスッと人が避けて歩く。
フフフ……だろうなあ。
これ尾行の格好じゃないだろ、俺。
「ヨシちゃん!こっち!」
「ごめん!お待たせ!」
モールの中央ホールで、愛らしい声とゲスヨシちゃんの声が響いた。
あああ、制服姿の麻都、可愛い、可愛い。
エレベーターホールで隠れて2人を見ていると、ゲス野郎がサッと麻都の手を繋いで引っ張った。
あああああああ!!!!!
その手は俺のだ!!クソッ!高2の男が手を繋ぐな!クソックソッ!
火を噴く頭を冷やして後を付ける。
と、ちょっとオシャレな服屋に入っていく。
クソッタレ、ここの服は高い!!
いつもユニクロとしまむらの麻都への当て付けか!
てめえ、服くらい1人で買え!
あっ、
そんなクソ派手な服、麻都に当てるんじゃねえ!
麻都が好きなのはもっと柔らかで愛らしい色なんだよ!
ギリギリ苦虫、歯ですりつぶす。
服屋を出たら、ウインドウショッピング、本屋に行ってしばらく漫画見たあと、ゲス野郎がワッフルカフェに引っ張って入って行く。
ワッフルとジュース買って、2人で通路側のウインドウにあるカウンターに並んで座って食べ始めた。
楽しそうで、麻都も美味しそうに食べながら笑ってる。
笑ってる。
あー何話してんだろ。
あー、……やだ、ヨシちゃんえっち。クソさわんな!
……麻都がだって、可愛いからさ!
……んん!やだ、ヨシちゃんったらゲス野郎!
……麻都!好き好き好き!好きなんだよお!
……僕きらーい!
…………
俺なんで2人の会話吹き替えしてんだろ。
キャッキャ楽しそうな2人を見ながら、なんだかなーと思う。
やっぱ同年代がいいのかなーとか思うと、嫉妬の炎がしぼんでいく。
ふう……
楽しそうだなー
俺、何やってんだろ。仕事まで休んでさっ
………………
「帰ろっかな」
ふと、帰りかけて、振り返る。
ウィンドウ越しに見える2人の姿。
なにか、…………ん??
なんか様子が変だぞ?
正面からは足下すりガラスで見えないので、移動して横からのぞき込む。
ゲス野郎が、麻都の膝を撫でていた。
ん??
麻都がそうっとその手を避ける。
んん???
ゲスがまた手を麻都の足に乗せる。
身体を寄せて、耳になんか囁いている。
す、す、すうううっと、手が、上に、上に上がっていく。
麻都が赤い顔して困った顔で顔をそらす。
俺の頭の中で、昇龍拳がひらめいた。
「えー、急ですね。最後の会議で挨拶をー」とか教頭先生に言われたけど、俺はそれどころじゃないんだよおお!!
何度も同じ事ダラダラ言ってる会議はノーサンキュー
挨拶は、あとで茶菓子配るから問題ない。
ちなみに送別会はちょっと顔出して帰った。
俺は日本の1人1人お酌しての挨拶回りにウンザリしている。
独身で若い俺は、やたら転勤がある。
なので、行った先でも歓迎会があるからだ。
親父の知り合いが県内で私立経営してるので、そこから誘いもあるが転勤がないってのも息苦しい。
結婚でもしたら考えると返事したけど、女に興味ない俺は一生独身で終わりそうだ。
車に乗って彼らの待ち合わせのショッピングモールに行く。
目立たない最上階の角に停めた車の後部座席でストライプスーツ着て、普段ゆるいくせ毛の6,4で分けてる長めの髪を、オールバックにしてジェルで固める。
黒い丸眼鏡かけると、ほら、僕だとわかんないけどめっちゃヤバい奴。
うーん、誰にも僕だとわからなすぎだよな。
ガチャッ
カッ!
普段は履かないブランド物の靴は音がいい。
車から出てスッと立ち上がり、ズボン整えスーツの裾をピンと引く。
たまに着るブランドスーツはまあ、夜遊び用だ。
夜遊びと言っても、俺は騒がしいところと女はいらない。
しかし最近行きつけのバーには、まったく酒飲みに行ってない。
ストレスたまったら麻都に会いに行くので、あの愛らしい顔見て帰るとよく眠れる。
いつか一緒に行けたらなーと思うけど、まあ夢のまた夢だろうと思ってる。
最後に着たのは従兄弟の結婚式くらいかな。
ショッピングモールを歩いていると、スッスッと人が避けて歩く。
フフフ……だろうなあ。
これ尾行の格好じゃないだろ、俺。
「ヨシちゃん!こっち!」
「ごめん!お待たせ!」
モールの中央ホールで、愛らしい声とゲスヨシちゃんの声が響いた。
あああ、制服姿の麻都、可愛い、可愛い。
エレベーターホールで隠れて2人を見ていると、ゲス野郎がサッと麻都の手を繋いで引っ張った。
あああああああ!!!!!
その手は俺のだ!!クソッ!高2の男が手を繋ぐな!クソックソッ!
火を噴く頭を冷やして後を付ける。
と、ちょっとオシャレな服屋に入っていく。
クソッタレ、ここの服は高い!!
いつもユニクロとしまむらの麻都への当て付けか!
てめえ、服くらい1人で買え!
あっ、
そんなクソ派手な服、麻都に当てるんじゃねえ!
麻都が好きなのはもっと柔らかで愛らしい色なんだよ!
ギリギリ苦虫、歯ですりつぶす。
服屋を出たら、ウインドウショッピング、本屋に行ってしばらく漫画見たあと、ゲス野郎がワッフルカフェに引っ張って入って行く。
ワッフルとジュース買って、2人で通路側のウインドウにあるカウンターに並んで座って食べ始めた。
楽しそうで、麻都も美味しそうに食べながら笑ってる。
笑ってる。
あー何話してんだろ。
あー、……やだ、ヨシちゃんえっち。クソさわんな!
……麻都がだって、可愛いからさ!
……んん!やだ、ヨシちゃんったらゲス野郎!
……麻都!好き好き好き!好きなんだよお!
……僕きらーい!
…………
俺なんで2人の会話吹き替えしてんだろ。
キャッキャ楽しそうな2人を見ながら、なんだかなーと思う。
やっぱ同年代がいいのかなーとか思うと、嫉妬の炎がしぼんでいく。
ふう……
楽しそうだなー
俺、何やってんだろ。仕事まで休んでさっ
………………
「帰ろっかな」
ふと、帰りかけて、振り返る。
ウィンドウ越しに見える2人の姿。
なにか、…………ん??
なんか様子が変だぞ?
正面からは足下すりガラスで見えないので、移動して横からのぞき込む。
ゲス野郎が、麻都の膝を撫でていた。
ん??
麻都がそうっとその手を避ける。
んん???
ゲスがまた手を麻都の足に乗せる。
身体を寄せて、耳になんか囁いている。
す、す、すうううっと、手が、上に、上に上がっていく。
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俺の頭の中で、昇龍拳がひらめいた。
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