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悪巧みと監視
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王家からは勿論のこと、王家に忠誠を捧げている侯爵も使用人に監視を命じていた。
監視されていることを知らないカッシーナは…………
「使用人はお父様の味方だから使えない。
なら誰を使う?男が女に近づくのは困難。
なら私が殺らないと」
ブツブツとこれからの計画を垂れ流していた。
もちろん報告されている。
「多少傷つけたとしても私は女。死刑にはならないもの。どうせなら盛大に殺るわ。
刃は近くにいる護衛に止められる。
………護衛を排除できればいいけどあの頑なさでは無理。
薬物?かけるときに水滴が飛び散ったら私にも被害が及ぶじゃない。
…………飲み物に粉末にした毒を混ぜればバレない?
そうしましょう。
問題はどうやって毒を仕入れればいいのかよ」
2人きりの場をもうけることは不可能だろうから、必然的に王族らが出席しなければならないパーティーでのことになる。
当然人目はある。自身の護衛は遠ざけることができたとしても女故に人目は集まるのだ。
「薬も使い方を誤れば毒になると言うから、
私が使うと言って処方してもらえばいいわ。
薬は手に隠し持って、身体で死角をつくって、サッと入れる。残骸はドレスに隠して、どこかで適当に捨てればいい。
ええ、そうしましょう」
カッシーナの物騒な独り言を聞いていた使用人はスッとその場から離れて、サササッと侯爵の元へ急いだ。
話を聞いた侯爵は溜め息をついた。
「…………報告ありがとう。侍医には私から話して害のない薬を処方してもらうよう頼む。侍医を呼んでくれ」
「かしこまりました」
あとは犯罪者の夫という肩書きをつけられないよう、娘とその夫を離婚させよう。
離婚には様々な書類が必要だし、貴族の離婚故に王の承認が必要だ。王家に迷惑かけている身での願いに大変申し訳ないが、うちのことに夫らの生家を巻き込むわけにはいかない。それでも元夫という立場で何かと迷惑をかけてしまうだろうから、慰謝料も払わないと。
コンコンコン
「入れ」
侍医が来た。これこれこういう理由だから娘に呼ばれたら適当に話を合わせて害のない薬を処方してほしいと伝えた。
「かしこまりました」
その後カッシーナに呼ばれた侍医は【睡眠薬】ではなく、ビタミン剤を処方した。
数日分の薬を「睡眠薬は規定量以上飲むと昏睡状態になる。気をつけるように」と言って渡した。
睡眠薬で昏睡状態になるには大量に飲まなければならない。飲み物や食べ物に混ぜて他人に飲ませたり食べさせるには不可能な量だと言ってもいい。
そんなことを知らないカッシーナはふふふふと怪しげな笑みを浮かべていた。
監視されていることを知らないカッシーナは…………
「使用人はお父様の味方だから使えない。
なら誰を使う?男が女に近づくのは困難。
なら私が殺らないと」
ブツブツとこれからの計画を垂れ流していた。
もちろん報告されている。
「多少傷つけたとしても私は女。死刑にはならないもの。どうせなら盛大に殺るわ。
刃は近くにいる護衛に止められる。
………護衛を排除できればいいけどあの頑なさでは無理。
薬物?かけるときに水滴が飛び散ったら私にも被害が及ぶじゃない。
…………飲み物に粉末にした毒を混ぜればバレない?
そうしましょう。
問題はどうやって毒を仕入れればいいのかよ」
2人きりの場をもうけることは不可能だろうから、必然的に王族らが出席しなければならないパーティーでのことになる。
当然人目はある。自身の護衛は遠ざけることができたとしても女故に人目は集まるのだ。
「薬も使い方を誤れば毒になると言うから、
私が使うと言って処方してもらえばいいわ。
薬は手に隠し持って、身体で死角をつくって、サッと入れる。残骸はドレスに隠して、どこかで適当に捨てればいい。
ええ、そうしましょう」
カッシーナの物騒な独り言を聞いていた使用人はスッとその場から離れて、サササッと侯爵の元へ急いだ。
話を聞いた侯爵は溜め息をついた。
「…………報告ありがとう。侍医には私から話して害のない薬を処方してもらうよう頼む。侍医を呼んでくれ」
「かしこまりました」
あとは犯罪者の夫という肩書きをつけられないよう、娘とその夫を離婚させよう。
離婚には様々な書類が必要だし、貴族の離婚故に王の承認が必要だ。王家に迷惑かけている身での願いに大変申し訳ないが、うちのことに夫らの生家を巻き込むわけにはいかない。それでも元夫という立場で何かと迷惑をかけてしまうだろうから、慰謝料も払わないと。
コンコンコン
「入れ」
侍医が来た。これこれこういう理由だから娘に呼ばれたら適当に話を合わせて害のない薬を処方してほしいと伝えた。
「かしこまりました」
その後カッシーナに呼ばれた侍医は【睡眠薬】ではなく、ビタミン剤を処方した。
数日分の薬を「睡眠薬は規定量以上飲むと昏睡状態になる。気をつけるように」と言って渡した。
睡眠薬で昏睡状態になるには大量に飲まなければならない。飲み物や食べ物に混ぜて他人に飲ませたり食べさせるには不可能な量だと言ってもいい。
そんなことを知らないカッシーナはふふふふと怪しげな笑みを浮かべていた。
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