男女比崩壊世界で逆ハーレムを

クロウ

文字の大きさ
12 / 13

夜会

しおりを挟む
 王家の威厳を見せるために1シーズン、つまり3ヶ月に1回は夜会を主催しなければならない。
もちろん【最低3ヶ月に1回】だから1回以上であれば何回主催してもいい。ただやり過ぎると有り難みが薄れるというか、お金がとにかくかかる。


まあ、とにかく、今日は夜会!
ファウストにぴったりとくっつきながら参加するファウスティーナ。カッシーナは相変わらず睨み付けては来るが、他の令嬢はそうでもない。カッシーナ×女の人数とか面倒だしね。




「ファウスティーナ様」




 あの女がやってきた。




「今まで貴女に接する態度が良くなかったと思うの。
ごめんなさいね」




 「ごめんなさい」って思っているような態度じゃないけど。目は口ほどに物を言うって言葉がある。
カッシーナの目は全く友好的ではなかった。




「仲直りの印に乾杯でもしましょう。
流石は王家主催の夜会ね。良いものばかりだわ」




 受け取った。




「ああ、もちろん酒精のあるものではないわ。
さあ、乾杯」




コクコクコク




 飲んでいる所を凝視されている。【何か】を入れたの、バレバレだよ?




「う……」




 目がキラキラしてる。




「ファウスト、これ美味しいね」


「!!?」


「ああ。飲みたいなら普段の食事にでも出してもらうか?」


「ん~、たまにでいい」


「ど、どうして!?どうして倒れないの!?」




 ああ、折角穏便に済ませようと思っていたのに。
自ら罪を告白するとは。




「カッシーナ」




 侯爵が来た。




「お父様……」


「カッシーナ、侍医が渡した薬はビタミン剤だ。
元気になることはあっても倒れることはない」


「………………」


「侯爵、続きは別室で」


「お気遣い、感謝いたします」




 別室に移動し、話すことになった。




「カッシーナ、お前が薬を盛るようなことをしなければ今までの態度は目をつむると仰ってくださっていたんだ。………信じていたのだがな」


「だって!ファウスト様は私と結婚するに相応しいかただわ!!」


「侯爵、王族の結婚について話されていないのか?」


「いえ、話しました。ええ、確実に」


「お父様、どういうこと?」


「…………」


「教育が至らぬばかりに迷惑をかけてしまって…………
カッシーナ、王族は第1夫というのが暗黙の了解だ」


「え?」


「女性に夫を選ぶ権利があるとはいえ、身分が重要視される貴族社会だ。第2夫以降は第1夫より身分が低い者が望ましいとされている。
つまり、既に夫がいるお前は王子殿下の妻となれないのだ」


「じゃ、じゃあ!離婚するわ!」


「離婚した者を王族の妻にするわけにはいかないだろう!!…………殿下、もう沙汰を言い渡してください」


「そうだな。…………カッシーナ=デルベス、貴様を王子妃暗殺容疑で逮捕。今後一切王宮に出入りすることを禁じる」


「いやあっ!!!!」




 カッシーナは夫と離婚はしなかったものの、周囲に冷ややかな目で見られるようになり、屋敷に閉じ籠るようになったとか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

大賢者アリアナの大冒険~もふもふパラダイス~

akechi
ファンタジー
実の親に殺されそうになっていた赤子は竜族の長に助けられて、そのまま竜の里で育てられた。アリアナと名付けられたその可愛いらしい女の子は持ち前の好奇心旺盛さを発揮して、様々な種族と出会い、交流を深めていくお話です。 【転生皇女は冷酷な皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!】のスピンオフです👍️アレクシアの前世のお話です🙋 ※コメディ寄りです

能天気な私は今日も愛される

具なっしー
恋愛
日本でJKライフを謳歌していた凪紗は遅刻しそうになって全力疾走してたらトラックとバコーン衝突して死んじゃったー。そんで、神様とお話しして、目が覚めたら男女比50:1の世界に転生してたー!この世界では女性は宝物のように扱われ猿のようにやりたい放題の女性ばっかり!?そんな中、凪紗ことポピーは日本の常識があるから、天使だ!天使だ!と溺愛されている。この世界と日本のギャップに苦しみながらも、楽観的で能天気な性格で周りに心配される女の子のおはなし。 はじめて小説を書くので誤字とか色々拙いところが多いと思いますが優しく見てくれたら嬉しいです。自分で読みたいのをかいてみます。残酷な描写とかシリアスが苦手なのでかかないです。定番な展開が続きます。飽き性なので褒めてくれたら続くと思いますよろしくお願いします。 ※表紙はAI画像です

猫なので、もう働きません。

具なっしー
恋愛
不老不死が実現した日本。600歳まで社畜として働き続けた私、佐々木ひまり。 やっと安楽死できると思ったら――普通に苦しいし、目が覚めたら猫になっていた!? しかもここは女性が極端に少ない世界。 イケオジ貴族に拾われ、猫幼女として溺愛される日々が始まる。 「もう頑張らない」って決めたのに、また頑張っちゃう私……。 これは、社畜上がりの猫幼女が“だらだらしながら溺愛される”物語。 ※表紙はAI画像です

この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜

具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです 転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!? 肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!? その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。 そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。 前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、 「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。 「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」 己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、 結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──! 「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」 でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……! アホの子が無自覚に世界を救う、 価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

処理中です...