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共通プロローグ

インタビュー(椎名楓side)

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 私の前世は至って普通だった。何故こうして新たな
人生を歩んでいるのか、全く分からない。
ラノベの定番であれば【交通事故で死んだ】のは手違いだった、とかだろうか?


死を覚悟し、あれがしたかったなあとか思ったが、
別に転生してまで叶えたいことではなかった。
両親のことは気になるが仕事人間だったので親子関係は気薄だ。少々達観していたと思う。


 自分の異常さに気づいたのは小学校低学年の時。
運動会で50m走があったのだが、9秒台を叩き出したのだ。9秒台は6年生女子の平均タイム。
低学年の女子は15秒くらいなのでかなり速いと言えよう。


 自分の能力を把握するのは安全に生活する上で必須なことだ。うっかり力加減を間違えて何かを破壊してはたまらない。


サッカー・バスケ・バレーボール・フィギュア。
全ての競技をすることはできないため、比較的競技人口の多いものをすることにした。


サッカーは前世でもしたことが無かったが、テレビや動画でプロ選手のプレーを見て、技の練習をした。
結果、エラシコやマルセイユルーレットを会得。
対人経験は父親としか無いので強いのかどうかは分からない。


バスケは一時期クラブに入って本格的に練習をしていた。【黒◯のバスケ】を読んでいて、
ゾーン・ミスディ◯◯ション・イー◯ル◯イ・
高弾道シュート・フォーム◯◯シュートに憧れていた。
試してみたら……………できたのだ。
特にゾーンはどの競技でも役に立つ。


バレーボールはジャンプ力がものを言う競技で
小学生ながらも最高到達点が270超えとかなり高かった。当時自身の身長が128cm。自分の倍以上の高さ。
ちなみにプロの女子選手の最高到達点は330cmらしい。


フィギュアは衣装が可愛いという理由で始めた。
バスケやバレーボールで判明したジャンプ力は生かされ普通の選手は45cmくらいしか跳べないのだが自分は最高で1mは跳べる。
高く跳べれば回転できる回数が増える。
9歳にはフィギュア以外の習い事をすっぱり辞め、
こっちに専念することにした。


 ウエイトリフティングとかの力系をしなかったのは
ムキムキになりたくなかったからだ。


 フィギュアスケートは9歳で始め、今では競技歴が約3年。ステップアップ制度を利用してジュニアの年齢ながらもシニアの大会に出場することができた。


父は上場企業の役員、母は有名ブランドのデザイナー。
仕事で出会い、結婚に至ったらしい。


全ての衣装は母の手作り。かかるのは交通費・靴代・
レッスン費だけとはいえ、かなりの出費。
有名になってCM出演やスポンサーが付いたりして
その費用だけでも浮かせられたらいいなとか思ったり。
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