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三木風雅ルート

生徒会2

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「紙をくれる?」




 記入もれなし。確認してから入部届を渡した。




「うん。じゃあこれは顧問に渡しとくね?」


「はい。」


「これは今日中に渡して正式に受理してもらうから
明日にはリンクを使えるよ。

じゃあ説明をするね。」




【練習時間】
1.ベテラン 午前4時~6時 午後5時~7時
2.中堅   午前6時~7時 午後7時~8時
3.新人   午前7時~8時 午後8時~8時半


【部費】
1.ベテラン 最大で月10万の補助
2.中堅   最大で月7万の補助
3.新人   最大で月5万の補助




「実績のある選手は確かに優遇されてるけど、
成績が落ちちゃったりすると待遇も下がるからね。
皆頑張って練習してる。

補助があるって言ってもベテランの人はスポンサーが
いたりするから無しでも活動できるんだよ。」


「そうなんですね。」


「楓ちゃんは既に充分な実績があるからこうして
正式入部できるわけだけど、毎年入部の際には試験を
しているんだ。

入部希望者が多くて、選別しないといけないから。
定員は一応4名。」


「少ないんですね。」


「リンクを使える時間は限りがあるし。
そのうちの1名は楓ちゃん!
残りは3名だけど、基準を満たしてなければ定員割れしててもそこで終了。」




トントントン




「………ちょっと行ってくる。」


「はい。」




 部屋が広く、座っている所からドアまでは遠い。




「何?」


「椎名楓がそこにいるんだろう?仕事の話がしたい。」


「今部活の説明をしてるんだけど。」


「終わるまで待ってる。」


「楓ちゃんも練習があるだろうから後日にしたら?」


「……後日話をする機会がほしい。
都合のいい日があったら教えてと伝えてくれ。」


「まあ、それくらいなら。」




 彼女は複数の会社とスポンサー契約やらCM契約を
結んでおり、CM1本の出演で1億円かかるらしい。
それだけ社会に影響力があるということだ。


透も家が会社を経営してるから親にでも言われたのか。




「ごめんね。」


「いえ!」


「生徒会長様が仕事について話をする時間がほしいんだと。」


「それはCMやスポンサー契約に関することですか?」


「そうそう。ま、話し合いはこれくらいで。」


「あ、わざわざお時間とって説明してくださって
ありがとうございました。」


「男なら送ってくべきなんだろうけど、
1人で帰れる?」


「………はい。」




 少し不安だ。迷いそう。




「ごめんね?」


「邸宅から門まではわかりやすいですし、
多分大丈夫ですよ。

では。」


「あ!ちょっと待って。」




 メモ帳に何か書いている。




「はい。」


「メアド、ですか。」


「分かんないことがあったら質問して。」


「ありがとうございます。」




 最初から最後まで普通の対応だった。
女子はキャーキャー言う人がいつも側にいたから
新鮮に感じる。


 これから一緒に過ごす時間が増える。
そう思うと楽しみで仕方がないという気持ちが芽生えてきた。
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