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ダンスをして
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カメリア姉様たちの背後からアーロン様が来ているのが見えた。私を見つけたのかニコニコしながらやって来る。
「なるほど、じゃあここは彼に任せましょう」
ザック義兄様が、カメリア姉様をエスコートして連れて行った。
「リリー嬢」
「こんばんは、アーロン様」
「今日は警備していない。だから踊ってもらえるかな?」
「ふふ、はい」
ふさふさの尻尾が揺れた気がした。
彼のダンスは力強かった。軽々と私を持ち上げる。
「アーロン様のダンスは楽しいですね」
「そう言ってもらえて良かった。私はどうも細かい動きは苦手で。嫌がられる事もあるんだよ」
「こんなに楽しいのに」
「繊細な令嬢には不評でね」
「私が繊細でないと?」
「あっ、いや、あの、決してそんな訳じゃ」
「ふふふ、冗談です」
「リリー嬢は意外と意地悪なんだな?」
「あら?そうでしょうか」
思わず二人で笑い合ってしまった。
曲が終わる。
「ああ、リリー嬢とのダンスはとても楽しかった。また次の機会に踊ってくれるか?」
「ええ、喜んで。私もとても楽しかったです」
手の甲にキスを落としたアーロン様は、そのまま会場を後にした。
「今のは騎士団の第二の隊長か?」
背後から突然声を掛けられてびっくりしてしまう。
「オスカー殿下」
「やあ、リリー嬢」
当然のように手の甲へキスされる。
「教会ではよくも逃げてくれたな」
「あはは……なんだかとっても楽しそうだったので」
「楽しそう?面倒そうの間違いじゃないのか?」
「そんな、滅相もないです。で、どうでした?あの後は」
「どうもこうも……リリー嬢、ヤバい!踊ろう」
「はい?え?」
あっという間に腰を抱かれ、ホールの中央へと連れて行かれてしまう。
「ちょっと、オスカー殿下。一体何事です?」
「あの女だ。聖女候補だよ」
殿下が顎で指した方をちらりと見る。先程私たちが立っていた場所からこちらを睨んでいた。鬼の形相で。
「恐ろしい」
「だろう。凄い勢いで突進して来たぞ。ワイルドボアかと思った」
「プッ、ワイルドボアって。そんな……ふ、ふふふ」
リンクさせてしまった。ちょっと、マジで面白い。
「あの女はちょっと頭がおかしいのだと思う。あれからも凄かったぞ。泣いてない顔を覆いながら、私が美しいばかりに……こんな争いなんて望んでいないのです。どうか私を奪い合うような事はやめて……って言っていた」
「は?」
パカーンと口が開いてしまった。
「やめろ、可愛いから」
私の口を閉じさせる。口が大きく開いた顔を可愛いとか、オスカー殿下もちょっとおかしい。
「それで?奪い合ったのですか?」
「合うか!私とアーチーは動けなかったよ。キャルムはそんな彼女の首根っこを捕まえて礼拝堂から連れ出していた。その間もあの女は、これは幻のハーレムモード?とかなんとか言っていたが」
そんなモードがあるのか。それは知らなかった。
「とにかく、リリー嬢が逃げた事は許さないからな」
「え?ごめんなさい?」
「何故疑問形になる?しっかり詫びてもらわなければな」
「ごめんなさい」
「そうじゃない」
「ではどうしろと?」
「私と結婚しろ」
「それは嫌です」
「何故?」
「だって、王子妃になったらもう冒険者が出来なくなってしまいますもの」
「そこ?」
「重要です」
「じゃあ、私が嫌とかではないんだな」
「え?嫌ですけど」
「何故!?」
「腹黒だから?」
「……バレてた」
軽快なリズムを刻んだような会話に、思わず二人で笑ってしまう。
「まあいい。なんとなくリリー嬢には、心惹かれる奴がいるんだろうとわかっている。だがしかし、私も早々に諦めたくはないからな」
「殿下……」
しかし、甘くなりかけた雰囲気を、作った本人がぶち壊す。
「とにかく、今日はこれで城に帰る事にする。先ほどから背中が寒い」
「ええ、彼女がずっと見ていますから」
彼女が次は絶対に捕まえてやるというオーラを発している。
捕まっては堪らないと、曲が終わると早々にオスカー殿下は会場を出て行った。
「はあ、喉を潤そう」
その場で殿下を見送った私は、ダンスの輪から出ようと後ろを振り返った途端、何故か視界が真っ黒になった。
「なるほど、じゃあここは彼に任せましょう」
ザック義兄様が、カメリア姉様をエスコートして連れて行った。
「リリー嬢」
「こんばんは、アーロン様」
「今日は警備していない。だから踊ってもらえるかな?」
「ふふ、はい」
ふさふさの尻尾が揺れた気がした。
彼のダンスは力強かった。軽々と私を持ち上げる。
「アーロン様のダンスは楽しいですね」
「そう言ってもらえて良かった。私はどうも細かい動きは苦手で。嫌がられる事もあるんだよ」
「こんなに楽しいのに」
「繊細な令嬢には不評でね」
「私が繊細でないと?」
「あっ、いや、あの、決してそんな訳じゃ」
「ふふふ、冗談です」
「リリー嬢は意外と意地悪なんだな?」
「あら?そうでしょうか」
思わず二人で笑い合ってしまった。
曲が終わる。
「ああ、リリー嬢とのダンスはとても楽しかった。また次の機会に踊ってくれるか?」
「ええ、喜んで。私もとても楽しかったです」
手の甲にキスを落としたアーロン様は、そのまま会場を後にした。
「今のは騎士団の第二の隊長か?」
背後から突然声を掛けられてびっくりしてしまう。
「オスカー殿下」
「やあ、リリー嬢」
当然のように手の甲へキスされる。
「教会ではよくも逃げてくれたな」
「あはは……なんだかとっても楽しそうだったので」
「楽しそう?面倒そうの間違いじゃないのか?」
「そんな、滅相もないです。で、どうでした?あの後は」
「どうもこうも……リリー嬢、ヤバい!踊ろう」
「はい?え?」
あっという間に腰を抱かれ、ホールの中央へと連れて行かれてしまう。
「ちょっと、オスカー殿下。一体何事です?」
「あの女だ。聖女候補だよ」
殿下が顎で指した方をちらりと見る。先程私たちが立っていた場所からこちらを睨んでいた。鬼の形相で。
「恐ろしい」
「だろう。凄い勢いで突進して来たぞ。ワイルドボアかと思った」
「プッ、ワイルドボアって。そんな……ふ、ふふふ」
リンクさせてしまった。ちょっと、マジで面白い。
「あの女はちょっと頭がおかしいのだと思う。あれからも凄かったぞ。泣いてない顔を覆いながら、私が美しいばかりに……こんな争いなんて望んでいないのです。どうか私を奪い合うような事はやめて……って言っていた」
「は?」
パカーンと口が開いてしまった。
「やめろ、可愛いから」
私の口を閉じさせる。口が大きく開いた顔を可愛いとか、オスカー殿下もちょっとおかしい。
「それで?奪い合ったのですか?」
「合うか!私とアーチーは動けなかったよ。キャルムはそんな彼女の首根っこを捕まえて礼拝堂から連れ出していた。その間もあの女は、これは幻のハーレムモード?とかなんとか言っていたが」
そんなモードがあるのか。それは知らなかった。
「とにかく、リリー嬢が逃げた事は許さないからな」
「え?ごめんなさい?」
「何故疑問形になる?しっかり詫びてもらわなければな」
「ごめんなさい」
「そうじゃない」
「ではどうしろと?」
「私と結婚しろ」
「それは嫌です」
「何故?」
「だって、王子妃になったらもう冒険者が出来なくなってしまいますもの」
「そこ?」
「重要です」
「じゃあ、私が嫌とかではないんだな」
「え?嫌ですけど」
「何故!?」
「腹黒だから?」
「……バレてた」
軽快なリズムを刻んだような会話に、思わず二人で笑ってしまう。
「まあいい。なんとなくリリー嬢には、心惹かれる奴がいるんだろうとわかっている。だがしかし、私も早々に諦めたくはないからな」
「殿下……」
しかし、甘くなりかけた雰囲気を、作った本人がぶち壊す。
「とにかく、今日はこれで城に帰る事にする。先ほどから背中が寒い」
「ええ、彼女がずっと見ていますから」
彼女が次は絶対に捕まえてやるというオーラを発している。
捕まっては堪らないと、曲が終わると早々にオスカー殿下は会場を出て行った。
「はあ、喉を潤そう」
その場で殿下を見送った私は、ダンスの輪から出ようと後ろを振り返った途端、何故か視界が真っ黒になった。
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