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解決
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「そこのおまえ。一生懸命ロープを切ろうとしているようだけれど。それ、ナイフなどでは切れないよ」
リーダーの男に視線が集中しているスキを狙ったのだろう。一人の男が小型のナイフでロープを切ろうとしていた。気付いた王太子がニッコリと笑い、まるで幼い子供に言い聞かせるような口調になる。
「それはね、特別な金属を混ぜて編み込んだロープなんだ。そんじょそこらの刃物で切れるような物ではないんだよ。残念だったね」
王太子の笑みに身体が震えた男は、そのままカチャリと小型ナイフを落としてしまう。
未だ口を開き、いつでもブレスを出せると意思表示している銀の竜。隣では黒い笑みでニッコリと笑う王太子。
そして……
「あった。全く……あまり手こずらせるな。これでなかったら殺すところだったぞ。こちらは依頼書さえ手に入ればいいのだからな」
リーダーの男着ていたベストの内ポケットからギルドの依頼書を見つけたジルヴァーノ。銀の瞳は、その光でそのまま射殺す事が出来るのではないかと思う程ぎらついている。
「す、すみませんでした」
二人と一頭の威圧に堪え切れなくなった冒険者たちは、とうとう白旗を上げたのだった。
冒険者たちを一網打尽にした僅か5日後。竜の生け捕りの依頼書を証拠に隣国のギルド、そして王族を犯罪者として捕らえることが出来た。
ギルドには、何枚も竜の生け捕りの依頼書が並んでいた。ご丁寧に全てに王家の紋章が入っており、余りある証拠品と共に今回の件はいとも簡単に収束した。
「隣国は小国だからね。潰してしまってもいいかなと思ったけれどさ。末王子である第四王子だけはまともな人間だったから、彼に国を任せる事にしたよ。まあ、うちの傘下と言う形ではあるけれどね。ギルドの方は王都のギルドから何人か派遣して、一から作り直す事にしたよ。引退はしたが、元Sランクのジジイがギルド長になるからね。間違っても金でランクアップなんて事は出来なくなる」
王太子が執務室のソファに座り、お茶を飲みながらそう語った。
「残りの王族はどうなったの?」
隣に座るアリアンナの質問にニッコリと笑った王太子。
「直接関わっていた国王と第一、第二王子は、仲良く北の鉱山に送ったよ。きっといいダイエットになるんじゃないかな。第三王子は廃嫡して、母親である側妃と共に母親の実家に戻った。王妃や残りの側妃たちも実家に戻ったよ」
「そう」
他の王族の人たちが酷い処遇にならなかった事に安堵しながら、アリアンナはお茶をコクリと飲んだ。
「これで、岩山の竜たちも落ち着けるだろう」
王太子が満足げな表情で、ソファに深く座り直すと背後からふふふと笑う声がする。
「殿下もやっと本来の仕事に集中出来ますね」
笑っていたドマニが、束になった書類を嬉しそうに王太子の机に乗せる。
「ははは……そうだね」
乾いた笑いをした王太子を見て、ドマニもアリアンナも笑った。
岩山の事件から1週間程経った。王太子の仕事の手伝いを終わらせたアリアンナは、銀の竜たちに会いに竜舎へと向かった。
「こんにちは」
「お、姫様。今日、団長は遅番なんでまだ来てないっすよ」
事務所に入ると竜騎士の一人に、開口一番そう言われる。
「そうなんですか?」
「はい。なんでも母上殿の買い物に付き合わなくちゃいけないとか。ピア嬢も一緒に行くそうで、今日は竜舎が平和なんすよ」
「そんなんですね」
そのせいだろうか。今日は騎士の皆がリラックスしているような気がする。竜たちもパッと見る限り、ほとんど竜舎にいるようだ。
「あ、そうでした」
アリアンナは持っていた籠の中から、シュークリームを取り出した。
「あの、これ。良かったら皆さんで召し上がってください」
「え?マジっすか?」
「はい、私が作った物なので味の保証は出来兼ねますが……」
少し照れた表情で言う彼女に、騎士たちがシュークリームを持ったまま動きが止まる。
「え?王女殿下の手作り?」
「アリアンナ様の?」
「俺たちだけに?」
驚いた表情で、シュークリームとアリアンナを交互に見る。中にはシュークリームを崇拝するように高く持ち上げる者までいた。
「ええ。あ、ジョエル兄様とドマニには先にあげました」
思い出したようにアリアンナがそう答えると、一人の竜騎士が問いかけた。
「それ以外は?」
「それ以外?あとはここに持って来ただけですよ。籠のまま置いておきますので、よろしかったら」
「……うおおおお!」
アリアンナが言い終わらないうちに、騎士たちの雄叫びが上がった。そんな彼等を見た彼女はキョトンとした時だった。
竜舎からクルルルと竜が鳴く声が聞こえた。
「ロワだわ」
声だけで銀の竜だと確信したアリアンナは、声に誘われように竜舎に入って行く。
彼女が竜舎に入った途端、竜たちがこぞって寄って来た。
「ふふ、皆、元気そうね」
ところがアリアンナを呼んでいたはずの銀の竜は、その場から一歩も動かない。
「ロワ?」
不思議に思った彼女は、銀の竜の傍へ向かう。ジッと彼女を見つめている銀の竜の金色の瞳は優しげに輝いていた。
「あら?」
もうあと少しで銀の竜の目の前までという所で、アリアンナは銀の竜の背後に目をやった。
リーダーの男に視線が集中しているスキを狙ったのだろう。一人の男が小型のナイフでロープを切ろうとしていた。気付いた王太子がニッコリと笑い、まるで幼い子供に言い聞かせるような口調になる。
「それはね、特別な金属を混ぜて編み込んだロープなんだ。そんじょそこらの刃物で切れるような物ではないんだよ。残念だったね」
王太子の笑みに身体が震えた男は、そのままカチャリと小型ナイフを落としてしまう。
未だ口を開き、いつでもブレスを出せると意思表示している銀の竜。隣では黒い笑みでニッコリと笑う王太子。
そして……
「あった。全く……あまり手こずらせるな。これでなかったら殺すところだったぞ。こちらは依頼書さえ手に入ればいいのだからな」
リーダーの男着ていたベストの内ポケットからギルドの依頼書を見つけたジルヴァーノ。銀の瞳は、その光でそのまま射殺す事が出来るのではないかと思う程ぎらついている。
「す、すみませんでした」
二人と一頭の威圧に堪え切れなくなった冒険者たちは、とうとう白旗を上げたのだった。
冒険者たちを一網打尽にした僅か5日後。竜の生け捕りの依頼書を証拠に隣国のギルド、そして王族を犯罪者として捕らえることが出来た。
ギルドには、何枚も竜の生け捕りの依頼書が並んでいた。ご丁寧に全てに王家の紋章が入っており、余りある証拠品と共に今回の件はいとも簡単に収束した。
「隣国は小国だからね。潰してしまってもいいかなと思ったけれどさ。末王子である第四王子だけはまともな人間だったから、彼に国を任せる事にしたよ。まあ、うちの傘下と言う形ではあるけれどね。ギルドの方は王都のギルドから何人か派遣して、一から作り直す事にしたよ。引退はしたが、元Sランクのジジイがギルド長になるからね。間違っても金でランクアップなんて事は出来なくなる」
王太子が執務室のソファに座り、お茶を飲みながらそう語った。
「残りの王族はどうなったの?」
隣に座るアリアンナの質問にニッコリと笑った王太子。
「直接関わっていた国王と第一、第二王子は、仲良く北の鉱山に送ったよ。きっといいダイエットになるんじゃないかな。第三王子は廃嫡して、母親である側妃と共に母親の実家に戻った。王妃や残りの側妃たちも実家に戻ったよ」
「そう」
他の王族の人たちが酷い処遇にならなかった事に安堵しながら、アリアンナはお茶をコクリと飲んだ。
「これで、岩山の竜たちも落ち着けるだろう」
王太子が満足げな表情で、ソファに深く座り直すと背後からふふふと笑う声がする。
「殿下もやっと本来の仕事に集中出来ますね」
笑っていたドマニが、束になった書類を嬉しそうに王太子の机に乗せる。
「ははは……そうだね」
乾いた笑いをした王太子を見て、ドマニもアリアンナも笑った。
岩山の事件から1週間程経った。王太子の仕事の手伝いを終わらせたアリアンナは、銀の竜たちに会いに竜舎へと向かった。
「こんにちは」
「お、姫様。今日、団長は遅番なんでまだ来てないっすよ」
事務所に入ると竜騎士の一人に、開口一番そう言われる。
「そうなんですか?」
「はい。なんでも母上殿の買い物に付き合わなくちゃいけないとか。ピア嬢も一緒に行くそうで、今日は竜舎が平和なんすよ」
「そんなんですね」
そのせいだろうか。今日は騎士の皆がリラックスしているような気がする。竜たちもパッと見る限り、ほとんど竜舎にいるようだ。
「あ、そうでした」
アリアンナは持っていた籠の中から、シュークリームを取り出した。
「あの、これ。良かったら皆さんで召し上がってください」
「え?マジっすか?」
「はい、私が作った物なので味の保証は出来兼ねますが……」
少し照れた表情で言う彼女に、騎士たちがシュークリームを持ったまま動きが止まる。
「え?王女殿下の手作り?」
「アリアンナ様の?」
「俺たちだけに?」
驚いた表情で、シュークリームとアリアンナを交互に見る。中にはシュークリームを崇拝するように高く持ち上げる者までいた。
「ええ。あ、ジョエル兄様とドマニには先にあげました」
思い出したようにアリアンナがそう答えると、一人の竜騎士が問いかけた。
「それ以外は?」
「それ以外?あとはここに持って来ただけですよ。籠のまま置いておきますので、よろしかったら」
「……うおおおお!」
アリアンナが言い終わらないうちに、騎士たちの雄叫びが上がった。そんな彼等を見た彼女はキョトンとした時だった。
竜舎からクルルルと竜が鳴く声が聞こえた。
「ロワだわ」
声だけで銀の竜だと確信したアリアンナは、声に誘われように竜舎に入って行く。
彼女が竜舎に入った途端、竜たちがこぞって寄って来た。
「ふふ、皆、元気そうね」
ところがアリアンナを呼んでいたはずの銀の竜は、その場から一歩も動かない。
「ロワ?」
不思議に思った彼女は、銀の竜の傍へ向かう。ジッと彼女を見つめている銀の竜の金色の瞳は優しげに輝いていた。
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