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第2章 魔女たちの暗躍編
第5話ー④ 不安
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キリヤの部屋にて――。
キリヤはまだベッドの上でぼーっとしていた。
「疲れが取れていないのかも……休みでよかったなあ」
キリヤがそう呟くと、扉を叩く音が聞こえた。
誰だろ――? そう思いながら、扉の方に顔を向けるキリヤ。
「キリヤ君、おはよう! 入ってもいい??」
扉の向こうからそう言う優香の声がした。
「うん。開いてるから、入ってきていいよ」
キリヤはベッドから身体を起こしながら、そう答えた。
「ありがとう。ごめんね、突然……」
優香はもじもじとしながら部屋に入ってきた。
「おはよう、優香。昨日はごめんね。それと……諸々ありがとう」
はにかみながら、そう言うキリヤ。
「あ、あのね! キリヤ君、聞いて? 部屋にキリヤ君を運んだのは、確かに私だけど、でも……でも、着替えは違うの! それは、田川さんが勝手に――」
「ぷはははは!」
「え!? なんで笑うの?」
突然笑い出すキリヤに、きょとんとする優香。
「だっていきなり来たと思ったら、そんなまくしたてるように弁解を始めたんだもん! あー。面白かった」
「面白かったって……私は必死だったのに!!」
優香は顔を真っ赤にして、そう言った。
「でも、どうして? 仮に優香が着替えをしてくれたとしても、僕は優香を嫌いになったりしないよ」
「いや、それはわかるんだけど……うーん。はあ、まあいっか」
優香はそう言ってため息を吐いた。
「優香?」
「もうこの話はお終い! どうせ、わかってもらえないし」
「?」
「そんなことよりもさ! 傷は大丈夫? 身体とか、どこか痛まない?」
優香はキリヤの身体を見ながら、そう言った。
「うん。傷は『植物』の力で塞がってる。身体はちょっとだるいかな。だから今日はおとなしくしておくよ。また優香にぐるぐる巻きにされたくないしね」
キリヤがそう言って微笑むと、
「昨日のあれは、キリヤ君が言ってもやめないからだよ! 普段からぐるぐる巻きになんてしません!」
そう言ってぷいっと顔をそらす優香。
「あはは、そうだね!」
笑うキリヤを見て、ほっとした顔をする優香。
「まあ元気そうならいいよ。今日はゆっくり休んで! それと、一人で何でも抱え込まないでよ? もっと私のことを頼ってくれてもいいんだからね? 一人で何とかしようと思いすぎなんだからさ!!」
そんなに僕のことを気にかけてくれているんだな、優香は。きっと僕が弱いから――
「う、うん。ありがとう、優香」
そう言ってキリヤは作り笑いをした。
「じゃあ私はこれからご飯を食べに行くけど、キリヤ君も一緒に行く?」
「あー、今日はやめておくよ。カフェまで行くのはさすがにしんどいかも……」
「わかった。じゃあ何か持ってくるね! キリヤ君はゆっくりしててよ」
優香はそう言って微笑んだ。
「なんだか悪いなあ」
「いいの! 私が勝手にやりたいだけなんだから! やりたいことをやるって決めたの!!」
「そ、そう? じゃあ、宜しくお願いします」
「はーい。じゃあ、またあとでね」
「うん」
そして優香はキリヤの部屋を出て行った。
「頼ってくれてもいいって優香は言ったけど、でもこれ以上、優香に頼るわけにも……」
ため息をつき、再びベッドに寝転がるキリヤ。
優香の想いに感謝をしつつも、キリヤはどこかもやもやとしていた。
僕は誰かに守られているだけなのかな――
そんな不安がふと頭に浮かんだ。
力がほしい。力があれば――そう思いながら、キリヤは布団を握りしめたのだった。
キリヤはまだベッドの上でぼーっとしていた。
「疲れが取れていないのかも……休みでよかったなあ」
キリヤがそう呟くと、扉を叩く音が聞こえた。
誰だろ――? そう思いながら、扉の方に顔を向けるキリヤ。
「キリヤ君、おはよう! 入ってもいい??」
扉の向こうからそう言う優香の声がした。
「うん。開いてるから、入ってきていいよ」
キリヤはベッドから身体を起こしながら、そう答えた。
「ありがとう。ごめんね、突然……」
優香はもじもじとしながら部屋に入ってきた。
「おはよう、優香。昨日はごめんね。それと……諸々ありがとう」
はにかみながら、そう言うキリヤ。
「あ、あのね! キリヤ君、聞いて? 部屋にキリヤ君を運んだのは、確かに私だけど、でも……でも、着替えは違うの! それは、田川さんが勝手に――」
「ぷはははは!」
「え!? なんで笑うの?」
突然笑い出すキリヤに、きょとんとする優香。
「だっていきなり来たと思ったら、そんなまくしたてるように弁解を始めたんだもん! あー。面白かった」
「面白かったって……私は必死だったのに!!」
優香は顔を真っ赤にして、そう言った。
「でも、どうして? 仮に優香が着替えをしてくれたとしても、僕は優香を嫌いになったりしないよ」
「いや、それはわかるんだけど……うーん。はあ、まあいっか」
優香はそう言ってため息を吐いた。
「優香?」
「もうこの話はお終い! どうせ、わかってもらえないし」
「?」
「そんなことよりもさ! 傷は大丈夫? 身体とか、どこか痛まない?」
優香はキリヤの身体を見ながら、そう言った。
「うん。傷は『植物』の力で塞がってる。身体はちょっとだるいかな。だから今日はおとなしくしておくよ。また優香にぐるぐる巻きにされたくないしね」
キリヤがそう言って微笑むと、
「昨日のあれは、キリヤ君が言ってもやめないからだよ! 普段からぐるぐる巻きになんてしません!」
そう言ってぷいっと顔をそらす優香。
「あはは、そうだね!」
笑うキリヤを見て、ほっとした顔をする優香。
「まあ元気そうならいいよ。今日はゆっくり休んで! それと、一人で何でも抱え込まないでよ? もっと私のことを頼ってくれてもいいんだからね? 一人で何とかしようと思いすぎなんだからさ!!」
そんなに僕のことを気にかけてくれているんだな、優香は。きっと僕が弱いから――
「う、うん。ありがとう、優香」
そう言ってキリヤは作り笑いをした。
「じゃあ私はこれからご飯を食べに行くけど、キリヤ君も一緒に行く?」
「あー、今日はやめておくよ。カフェまで行くのはさすがにしんどいかも……」
「わかった。じゃあ何か持ってくるね! キリヤ君はゆっくりしててよ」
優香はそう言って微笑んだ。
「なんだか悪いなあ」
「いいの! 私が勝手にやりたいだけなんだから! やりたいことをやるって決めたの!!」
「そ、そう? じゃあ、宜しくお願いします」
「はーい。じゃあ、またあとでね」
「うん」
そして優香はキリヤの部屋を出て行った。
「頼ってくれてもいいって優香は言ったけど、でもこれ以上、優香に頼るわけにも……」
ため息をつき、再びベッドに寝転がるキリヤ。
優香の想いに感謝をしつつも、キリヤはどこかもやもやとしていた。
僕は誰かに守られているだけなのかな――
そんな不安がふと頭に浮かんだ。
力がほしい。力があれば――そう思いながら、キリヤは布団を握りしめたのだった。
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